TNG横浜国際行政書士オフィス在留資格の実務メモ

在留手続全般

就労ビザとは──種類と条件、取り方を在留資格ごとに整理

根拠
出入国在留管理庁「在留資格一覧表」ほか
就労資格
別表第一の一の表・二の表の19(外交・公用を含む)
申請
在留資格認定証明書交付/在留資格変更許可/在留期間更新許可
確認日
2026年10月9日時点

この記事の要点

  • 「就労ビザ」は働ける在留資格の通称。査証(ビザ)とは別のもので、日本でできる仕事は在留資格で決まる
  • 就労資格は外交・公用を含めて19。永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者は職種を問わず働ける
  • 条件は在留資格ごと。技人国は学歴か実務経験、日本人と同等額以上の報酬

「就労ビザ」は、日本で働くことが認められる在留資格をまとめた呼び方で、法律上の名前ではありません。外務省も、一般的に「ビザ」と言う場合、査証ではなく在留資格のことを指している場合もあるとしています。

この記事では、出入国在留管理庁(入管庁)の在留資格一覧表などをもとに、働ける在留資格の種類、条件の決まり方、取り方(3つの申請)、在留期間、働き始めてからの注意と、雇う会社が確かめることを整理します。個々の在留資格の詳しい要件は、それぞれの記事に分けています。

就労ビザ(在留資格)と査証(ビザ)は別のもの

項目査証(ビザ)在留資格(いわゆる就労ビザ)
何のためのものか上陸のための要件の一つ。入国を保証するものではない日本でどんな活動ができるかを決めるもの。在留カードに書かれる
どこで受けるか海外の日本大使館・総領事館など(日本に着いてから・滞在中には取れない)入管庁(入国時の許可、日本での変更・更新の許可)

海外から働きに来る場合は、原則として、先に入管庁で在留資格認定証明書を取り、本人が住む国・地域の在外公館で査証を申請する流れです(外務省の案内)。

働けるかどうかで、在留資格は4つに分かれる

在留資格は、働けるかどうかと働ける範囲で、次のように分かれます。在留カードの「就労制限の有無」の欄にも、この区分が表示されます。

区分在留資格在留カードの表示
職種・業種を問わず働ける永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者就労制限なし
決められた範囲で働ける(いわゆる就労ビザ)技術・人文知識・国際業務、技能、特定技能、経営・管理、企業内転勤、介護、高度専門職、教育、興行、技能実習など在留資格に基づく就労活動のみ可(特定技能は指定書も確認)
指定された活動による特定活動指定書により指定された就労活動のみ可
原則として働けない文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在就労不可(資格外活動許可を受ければ、その範囲で働ける場合がある)

入管庁の在留資格一覧表では、入管法の別表第一の「一の表」と「二の表」にある在留資格が就労資格とされています。外交・公用を含めて19あり、このうち二の表の13(高度専門職、経営・管理、技術・人文知識・国際業務、特定技能など)には、学歴や経験などの上陸許可基準が適用されます。

主な就労ビザの種類と在留期間

在留資格主な仕事(入管庁の該当例など)在留期間
技術・人文知識・国際業務技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者など(技人国とは)5年・3年・1年・3月
技能外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機操縦者、貴金属加工職人など(技能ビザの要件)5年・3年・1年・3月
特定技能1号特定産業分野で、相当程度の知識・経験を要する技能の業務3年を超えない範囲で個々に指定。通算で上限5年
特定技能2号特定産業分野で、熟練した技能を要する業務(2号への移行)3年・2年・1年・6月。更新回数の制限なし
経営・管理企業等の経営者・管理者(経営・管理ビザ)5年・3年・1年・6月・4月・3月
企業内転勤外国の事業所から日本の事業所へ期間を定めて転勤し、技人国の範囲の業務をする人5年・3年・1年・3月
介護介護福祉士の資格を持つ人の介護・介護の指導5年・3年・1年・3月
高度専門職ポイント制による高度人材(ポイントの計算)1号は5年、2号は無期限
教育中学校・高校などの語学教師など5年・3年・1年・3月
興行俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手など3年・1年・6月・3月・30日
技能実習技能実習計画に基づく業務(2027年4月1日から育成就労)1号は1年、2号・3号は2年を超えない範囲

このほか、教授、芸術、宗教、報道、法律・会計業務、医療、研究なども就労資格です。どの在留資格に当たるかは、主に実際にする仕事の内容(活動)で決まります。同じ語学教師でも、中学校・高校なら「教育」、民間企業なら「技術・人文知識・国際業務」になるように、勤め先の種類や転勤かどうかなども関わります。職名だけでは決まりません。

条件は在留資格ごとに決まっている

「就労ビザの条件」は一つではなく、在留資格ごとに違います。代表的なものを挙げます。

  • 技術・人文知識・国際業務:仕事に関連する科目を専攻して大学などを卒業していること。学歴がなければ10年以上の実務経験(外国の文化に基盤を持つ思考などを要する国際業務は3年以上。大学を卒業した人が翻訳・通訳・語学の指導をする場合は不要)。報酬は日本人が従事する場合と同等額以上
  • 技能(外国料理の調理師):その料理について10年以上の実務経験(外国の教育機関でその調理を専攻した期間を含む)
  • 特定技能1号:分野ごとの技能と日本語の水準を、試験などで確かめる(技能実習2号を修了した人は試験などが免除)。家族の帯同は基本的に認められない
  • 介護:介護福祉士の資格

技術・人文知識・国際業務では、入管庁が許可・不許可の事例を公表しています(技人国の許可・不許可の事例)。学歴・職歴と任せる仕事のつながりを、書類で説明できるかが分かれ目です。

取り方──状況で3つの申請に分かれる

状況申請標準処理期間手数料
海外から来て働く在留資格認定証明書交付申請。受け入れる会社の職員なども代理で申請できる。交付後に在外公館で査証を申請1か月〜3か月かからない
日本にいて、留学・家族滞在などから就労ビザに変える在留資格変更許可申請(変更の事由が生じたときから在留期間の満了日まで)1か月〜2か月許可される在留期間に応じて10,000円〜75,000円(窓口)
同じ就労ビザで働き続ける在留期間更新許可申請(6か月以上の在留期間がある方は、満了する3か月前から)2週間〜1か月同上

在留資格認定証明書は電子メールで受け取ることもでき(電子在留資格認定証明書)、交付から3か月以内に入国する必要があります(有効期間は3か月)。留学生が卒業後に就職する場合は留学ビザから就労ビザへの変更で整理しています。変更・更新の手数料は2026年10月1日以降の申請から段階制になりました(手数料の改定)。

どの在留資格で申請するかは、学歴・職歴と任せる仕事の内容、勤め先の状況などで決まります。入管庁は、審査の過程で記載のない資料の提出を求める場合があるとしています。

ご自身の場合の進め方は、状況を伺ったうえでご案内します。まずは初回無料のご相談で、今の状況をお聞かせください。

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ご相談から依頼までの流れ(その場で契約をお願いすることはありません)

海外から呼ぶときの流れ

  1. 仕事の内容を決める:雇用契約などを結び、任せる仕事がどの在留資格に当たるかを確かめる
  2. 在留資格認定証明書を申請する:受け入れる会社の職員などが、受入れ機関の所在地か居住予定地を管轄する地方出入国在留管理官署に出す(郵送での提出は受け付けていない)
  3. 交付されたら本人に届ける:オンラインで申請した場合などは電子メールで受け取り、そのまま本人に転送することもできる
  4. 本人が在外公館で査証を申請する:本人が住む国・地域の日本大使館・総領事館など
  5. 入国する:在留資格認定証明書の交付から3か月以内
  6. 住居地を届け出る:住居地を定めた日から14日以内に、市区町村の窓口に在留カードを出して届け出る
  7. 会社はハローワークに届け出る:外国人雇用状況の届出(下の「雇う会社が確かめること」)

審査にかかる日数(2026年7月許可分)

標準処理期間とは別に、入管庁は実際にかかった日数を「在留審査処理期間」として毎月公表しています。2026年7月に許可された分の、全国の平均は次のとおりです。

在留資格認定証明書の交付更新変更
技術・人文知識・国際業務49.8日40.8日72.9日
技能90.6日32.9日39.4日
特定技能1号64.1日41.0日59.5日
経営・管理241.9日43.9日194.5日

更新と変更は、許可を受けに入管へ行く日までの日数なので、審査そのものはこれより短い場合があるとされています。追加の資料を求められた場合は、その提出までの日数も含みます。特定技能1号の認定と変更は、外食業分野の申請を除いて計算された数字です。最新の月の数字は入管庁のページで確かめてください。

在留期間──何年働けるか

在留期間は、在留資格ごとに決められた期間の中から、許可のときに決まります。技術・人文知識・国際業務なら5年・3年・1年・3月のいずれかです。満了日の前に更新を申請し、許可を受ければ続けて在留できます。満了日までに結果が出ないときは、結果が出るまで(満了日から2か月まで)今の在留資格のまま在留できます(特例期間)。

  • 特定技能1号は、通算で上限5年(相当の理由があると認められる場合は6年。妊娠・出産・育児などで休んだ期間は通算に含めない)。2号は更新回数の制限がありません
  • 変更・更新の手数料は、希望した期間ではなく、許可される在留期間で決まります(一定の要件を満たす場合は減額あり)
  • 就労ビザで長く暮らした先には永住もあります。永住許可では、原則として引き続き10年以上の在留が考慮されます(就労ビザから永住を申請する)

家族を呼べるか

就労ビザで働く人に扶養される配偶者と子は、「家族滞在」の在留資格で暮らせます。在留資格一覧表は、家族滞在の対象として、技術・人文知識・国際業務、技能、経営・管理、企業内転勤、介護、高度専門職、特定技能2号などで在留する人の扶養を受ける配偶者又は子を挙げています。特定技能1号と技能実習は、この中に入っていません。

家族滞在の書類は家族滞在とは、コックの方の家族は技能ビザの家族の呼び寄せで整理しています。

働き始めてから気をつけること

  • 転職・退職したら14日以内に届出:技術・人文知識・国際業務など、勤め先との契約に基づく在留資格の方は、契約先が変わったり契約が終わったりしたら、14日以内に入管庁へ届け出ます(技人国で転職したら)
  • 新しい仕事が範囲内か確かめたいとき:就労資格証明書の交付を申請できます(義務ではありません)
  • 範囲外の仕事・アルバイト:今の在留資格の範囲外の仕事で報酬を受けるには、資格外活動許可が必要です(技人国の副業)
  • 3か月以上仕事をしていないとき:就労資格などの方が、在留資格の活動を継続して3か月(高度専門職2号は6か月)以上行わないで在留していると、正当な理由がある場合を除き、在留資格の取消しの対象になります(入管法第22条の4第1項第6号)

雇う会社が確かめること

  • 在留カードの「就労制限の有無」:「就労不可」でも、裏面の資格外活動許可欄に許可の記載があれば働ける場合があります。留学・家族滞在の方の許可は原則として週28時間以内で、風俗営業等での仕事は除かれます(複数の勤め先なら合計で)
  • 不法就労助長罪:働くことが認められていない外国人を働かせたり、認められた範囲を超えて働かせたりすると、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金(又はその両方)の対象です(入管法第73条の2)。2027年4月1日からは、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金(又はその両方)に引き上げられます。在留カードを確認していないなど過失がある場合、知らなかったことを理由に処罰を免れません
  • 外国人雇用状況の届出:外国人を雇い入れたとき・離職したときは、すべての事業主がハローワークに届け出ます(特別永住者と外交・公用の方を除く)。雇用保険の被保険者なら、雇入れは翌月10日まで、離職は翌日から10日以内。被保険者でなければ、どちらも翌月末日まで。届け出なかったり虚偽の届出をしたりすると30万円以下の罰金の対象です

在留カードの見方は在留カードの新様式で整理しています。特定技能で受け入れる場合は、雇用契約の基準や支援などが別に定められています(特定技能の雇用契約)。

よくある質問

就労ビザを取るのは難しいですか

在留資格ごとの基準に合っていることを、書類で示せるかどうかです。技術・人文知識・国際業務なら、学歴・職歴と仕事の内容のつながり、日本人と同等額以上の報酬、勤め先の状況などが見られます。入管庁が公表している許可・不許可の事例も参考になります。

契約社員でも取れますか

技術・人文知識・国際業務は、日本の公私の機関との契約に基づく活動です。入管庁は、この「契約」には雇用のほか、委任、委託、嘱託なども含まれるが、特定の機関との継続的なものでなければならないとしています。

高卒でも就労ビザは取れますか

在留資格によります。技術・人文知識・国際業務は、大学などの学歴がなければ10年以上(国際業務は3年以上)の実務経験が求められます。特定技能は、分野ごとの技能と日本語の水準を試験などで確かめる仕組みです。

家族滞在から就労ビザに変えられますか

働く在留資格の基準に合えば、在留資格変更許可申請をします。変更の許可が出るまでは家族滞在のままなので、働けるのは資格外活動許可の範囲(原則週28時間以内)に限られます。フルタイムで働き始めるのは変更の許可を受けてからです(家族滞在の資格外活動許可)。

まとめ

  • 「就労ビザ」は働ける在留資格の通称。査証(ビザ)とは別のもので、日本でできる仕事は在留資格で決まる
  • 就労資格は外交・公用を含めて19。永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者は職種を問わず働ける
  • 条件は在留資格ごと。技人国は学歴か実務経験、日本人と同等額以上の報酬
  • 取り方は、海外からなら認定証明書、日本で変えるなら変更、続けるなら更新。2026年7月許可分の技人国は、認定証明書の交付まで平均49.8日
  • 転職・退職は14日以内に届出。3か月以上活動していないと取消しの対象になりうる
  • 家族滞在で家族を呼べるのは、特定技能1号・技能実習以外の多くの就労ビザ
  • 雇う会社は在留カードの就労制限を確かめ、ハローワークに外国人雇用状況を届け出る

本記事は確認日時点で入管庁などが公表している内容の整理です。どの在留資格に当たるか、許可されるかは、個々の事情を見て判断されます。

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