在留資格「技能」
技能ビザ(外国料理の調理師)の要件──実務経験10年の数え方と、タイ料理人の特例
公開 2026.09.30 / 最終確認 2026.09.30
- 根拠
- 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(上陸基準省令)技能の項
- 実務経験
- 当該技能について10年以上(外国の教育機関で専攻した期間を含む)
- タイ料理人
- 日タイ経済連携協定の特例(入管庁の案内では5年以上の実務経験など)
- 確認日
- 2026年9月30日時点
インド・ネパール料理、中華料理、タイ料理などの料理人が日本の店で働くときの在留資格が「技能」です。
要件の中心は実務経験の年数です。この記事では、上陸基準省令の条文と入管庁の案内をもとに、何年必要で、何を含めて数えられるのかを整理します。
条文に書かれている要件
上陸基準省令の技能の項は、料理人について次のように定めています。
料理の調理又は食品の製造に係る技能で外国において考案され我が国において特殊なものを要する業務に従事する者で、次のいずれかに該当するもの
イ 当該技能について十年以上の実務経験(外国の教育機関において当該料理の調理又は食品の製造に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者
ロ 経済上の連携に関する日本国とタイ王国との間の協定の規定の適用を受ける者
そのうえで、技能の項全体に共通して、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが求められています。
「10年」の数え方
条文から読み取れる点は3つです。
- 「当該技能について」の経験であること。これから日本で担当する料理(たとえばネパール料理)の調理の経験を数えます
- 外国の教育機関で、その料理の調理又は食品の製造に係る科目を専攻した期間は、10年に含めることができます
- 含められる教育機関について、条文は「外国の教育機関」と書いています
10年を証明するのは書類です。入管庁は、受入れ機関がカテゴリー3・4の場合、所属していた機関からの在職証明書(所属機関の名称、所在地及び電話番号が記載されているものに限る)等で、技能を要する業務に従事した期間を証明するよう案内しています。店を移ってきた方は、勤務先ごとの証明書と、機関・内容・期間を明示した履歴書を突き合わせて10年になるかを確かめることになります。書類の詳細は技能ビザの在職証明書で整理しています。
タイ料理人の特例
条文のロは、日タイ経済連携協定の規定の適用を受ける者を対象にしています。入管庁は、タイ料理人の提出書類として次の3つを挙げています。
- タイ料理人として5年以上の実務経験を証明する文書(タイ労働省が発行する技能水準に関する証明書を取得するための要件を満たすために教育機関で教育を受けた期間を含む)
- 初級以上のタイ料理人としての技能水準に関する証明書
- 申請日の直前の1年間に、タイにおいてタイ料理人として妥当な報酬を受けていたことを証明する文書
3つがそろわない場合は、ほかの料理人と同じく10年以上の実務経験で考えることになります。
報酬は「日本人と同等額以上」
見落とされやすい要件です。技能の項は、実務経験に加えて日本人が同じ仕事をする場合と同等額以上の報酬を受けることを求めています。雇う店の側では、雇用契約書・労働条件通知書に書く給与がこの点の説明になります。
料理人以外の「技能」
技能の在留資格は料理人だけではありません。条文には、外国に特有の建築・土木(10年。一定の場合は5年)、外国に特有の製品の製造・修理(10年)、宝石・貴金属・毛皮の加工(10年)、動物の調教(10年)、海底掘削等(10年)、航空機の操縦(飛行経歴250時間以上)、スポーツの指導(3年)、ワイン鑑定等(5年)が並んでいます。料理人の10年は、この中の一つです。
技能のあとに続く手続き
技能で在留する方には、この先いくつもの手続きがあります。
- 在留期間の更新。転職後の初回の更新では、カテゴリー3・4の場合に追加の書類が必要です
- 転職したときは、14日以内の所属機関に関する届出(契約機関に関する届出)
- 家族を呼ぶときは家族滞在(家族滞在で働くとき)
- 長く日本で暮らす方は永住・帰化(帰化と永住の違い)
まとめ
- 外国料理の調理師は、その料理について10年以上の実務経験が必要(上陸基準省令)
- 外国の教育機関でその料理の調理等を専攻した期間は10年に含められる
- タイ料理人は日タイ経済連携協定の特例。入管庁は5年以上の実務経験、技能水準の証明書、直前1年のタイでの妥当な報酬の書類を挙げている
- 日本人と同等額以上の報酬も要件
- 10年は在職証明書と履歴書で証明する
本記事は確認日時点で確認できた条文と入管庁の案内の整理です。条文は法務省の法令外国語訳データベースに掲載された本文(平成31年までの改正を反映)で確認しています。最新の条文はe-Gov法令検索でご確認ください。10年に届くかどうか、どの書類で証明するかは、職歴を伺ったうえでお答えします。
この記事の根拠
- 法務省「日本法令外国語訳データベース」出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(平成二年法務省令第十六号)※掲載本文は平成31年法務省令第7号までの改正を反映
https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/laws/view/3626 - 出入国在留管理庁「在留資格『技能』調理師としての活動を行おうとする場合」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/skilledlabor01.html