TNG横浜国際行政書士オフィス在留資格の実務メモ

在留資格「家族滞在」

家族滞在で働くときの資格外活動許可──「週28時間」の包括許可と、それ以外の個別許可

根拠
出入国在留管理庁「『家族滞在』の在留資格に係る資格外活動許可について」
対象
家族滞在の在留資格で働こうとする方、その扶養者、家族滞在の方を雇用する企業
確認日
2026年8月23日時点

家族滞在の在留資格は、就労を目的としたものではありません。働くためには資格外活動許可が必要です。

ここまでは広く知られていますが、その先に分岐があります。資格外活動許可には「包括許可」と「個別許可」の2種類があり、どちらが必要かは働き方によって変わります。「週28時間以内なら大丈夫」という理解だけで進めると、許可の範囲外の働き方をしてしまうことがあります。

包括許可(週28時間以内で稼働する場合)

1週について28時間以内の、収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を行う場合は、包括許可が必要です。

必要書類は申請書のみです。就労先を特定せずに包括的に許可されるため、アルバイト先が変わっても取り直す必要はありません。

飲食店やコンビニでのアルバイト、フードデリバリーの配達、ネットでの小規模な物販など、週28時間以内で稼働時間が明確なものは、基本的にこの包括許可の範囲で考えることになります。

包括許可でいう「事業を運営する活動」の範囲:入管庁は、雇用契約書等により従事しようとする時間が明確である管理者等としての活動のほか、個人事業主として配達等の依頼を受注し、成果に応じた報酬を得る活動で、稼働時間を客観的に確認することができるものを含むとしています。
つまり、配達などのいわゆるギグワークでも、稼働時間が客観的に確認できるのであれば包括許可の範囲内です。これに該当しない場合は個別許可が必要になります。

個別許可(包括許可の範囲外の場合)

包括許可の範囲を超える活動に従事する場合は、個別許可を受けることになります。活動を行う機関の名称や業務内容など、必要な事項を定めて個々に許可される仕組みです。

要件は次の2つで、いずれにも適合すると認められる場合に許可されます。

  • 資格外活動許可の要件(一般原則)の各要件に適合していること
  • 当該活動に従事する期間が、決定されている在留資格に係る在留期間の過半を超えないこと

2つ目は見落とされやすい要件です。たとえば在留期間が1年であれば、その活動に従事する期間が半年を超えないことが求められます。長期にわたってフルタイムに近い形で働くことは、この枠組みでは想定されていません。

必要書類は、申請書に加えて、活動内容や活動時間、報酬等について説明する文書(任意様式)です。

入管庁が明示している注意点:活動内容や契約内容からみて在留目的が実質的に変更されていると判断される場合は、在留資格変更許可の手続をとることが必要とされています。資格外活動許可で対応し続けるのではなく、そもそも在留資格を変えるべき場面がある、ということです。

個人事業主として働く場合

個人事業主等として活動する場合など、客観的に稼働時間を確認することが困難であるときは、個別許可が必要です。この場合の必要書類は、申請書に加えて、当該事業の運営に係る計画について説明する文書(任意様式)となります。

ここで押さえておきたいのが、入管庁が示している範囲の限界です。

入管庁は、この取扱いについて「単独で比較的小規模な事業の運営を行う場合等を想定しているもの」としたうえで、新たに法人を設立する場合や従業員を雇用する場合、事業所を設けて活動する場合等は、「経営・管理」の在留資格への変更が必要と明記しています。

つまり、家族滞在のまま資格外活動許可で事業を大きくしていくことはできません。法人化、雇用、事業所の設置。このいずれかに進む段階で、経営・管理の在留資格への変更を検討することになります。2025年10月16日以降、経営・管理の基準は資本金3,000万円以上などに改正されているため、この移行は以前より重い判断になりました。必要になる要件は経営・管理ビザを新しく取るには何が必要か、横浜で会社を設立する場合の順番は横浜で経営・管理ビザを取るにはで整理しています。

業務委託・請負で働く場合

業務委託契約や請負契約等により、標準的に従事することとなる労働時間が明確でない場合は、個別許可が必要です。必要書類は、申請書と、当該契約内容について説明する文書(任意様式)です。

逆に、その契約について標準的に従事することとなる労働時間が明確である場合は、包括許可のみで就労できます。分かれ目は契約の形式ではなく、労働時間が明確かどうかです。

包括許可と個別許可は併用できる

入管庁は、包括許可と個別許可の両方の許可を受けることも可能としています。すでにどちらかの許可を持っている方が、追加でもう一方を申請することもできます。申請書は包括許可・個別許可で共通です。

アルバイトは包括許可の範囲内で、別に業務委託の仕事もしたい、といった場合に、両方を持つという選択肢があるということです。

「特定活動」の方も準じた扱いになる

外国人の扶養を受ける配偶者もしくは子、またはそれに準ずる者として行う日常的な活動を指定されて在留する方で、「特定活動」の在留資格の方は、原則として家族滞在の在留資格に係る取扱いに準じるとされています。

在留カードの資格が「特定活動」であっても、指定書の内容が扶養を受ける家族としての在留であれば、ここで整理した考え方が当てはまります。

扶養者の側にも関係します

家族滞在は、扶養を受ける配偶者または子に与えられる在留資格です。したがって扶養の実態があることが前提になります。

資格外活動の範囲を超えて働き、実態として扶養を受けていない状態になれば、家族滞在という在留資格の前提が崩れます。また、資格外活動許可の範囲を超えた就労は入管法上の違反であり、本人の在留に影響します。

技術・人文知識・国際業務などで在留している扶養者の側も、家族の就労状況を把握しておくべきです。更新の際に世帯の状況が確認されることを踏まえると、家族の働き方は本人の問題でもあります。技人国の更新で見られる点については、技人国の更新で足をすくわれる「届出」と技人国の申請で最初に決まるのは「カテゴリー」で整理しています。

日本人と結婚して在留資格が「日本人の配偶者等」になる場合は、就労の制限がなくなり資格外活動許可も不要になります。申請で求められる書類については配偶者ビザの「質問書」とスナップ写真は何のためにあるのかをご覧ください。

資格外活動許可を受けているときはその旨が在留カードの券面に記載されます。新様式での記載事項については在留カードの新様式をご覧ください。

申請の手続き

手続根拠入管法第19条第2項
提出先住居地を管轄する地方出入国在留管理官署
受付時間平日9時〜12時、13時〜16時
手数料かかりません
標準処理期間2週間〜2か月
申請できる人申請人本人/法定代理人/承認を受けた申請等取次者/届け出た弁護士・行政書士

提出するのは、資格外活動許可申請書1通、申請に係る活動の内容を明らかにする書類1通、そして在留カードとパスポート(又は在留資格証明書)の提示です。申請書は入管庁のサイトからダウンロードできます。

オンライン申請には条件があります。入管庁は、資格外活動許可申請をオンラインで行えるのは在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請又は在留資格取得許可申請と同時に行う場合に限るとしています。資格外活動許可だけを単独でオンライン申請することはできません。

標準処理期間は2週間から2か月です。働き始めたい時期から逆算して申請することになります。許可を受ける前にアルバイトを始めることはできません。

なお、申請人以外の方が申請する場合は、在留カードの写しを申請人に携帯させて、来庁する方が申請人の在留カードを持参することとされています。

まとめ

  • 家族滞在で働くには資格外活動許可が必要。包括許可と個別許可の2種類がある
  • 週28時間以内なら包括許可。必要書類は申請書のみ
  • 配達などの成果報酬型でも、稼働時間が客観的に確認できれば包括許可の範囲
  • 個別許可には「在留期間の過半を超えない」という要件がある
  • 法人設立・従業員の雇用・事業所の設置に進むなら経営・管理への変更が必要
  • 業務委託・請負は、労働時間が明確かどうかで包括か個別かが分かれる
  • 包括許可と個別許可は併用できる
  • 扶養を受ける家族としての「特定活動」も、原則としてこの取扱いに準じる

本記事は確認日時点の一般的な整理であり、個別の申請の結果を保証するものではありません。ご自身のケースについては、資料を拝見したうえでお答えします。

「留学」の在留資格の方は、長期休業期間に1日8時間以内という別の取扱いがあります。留学生の資格外活動許可で整理しています。

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