TNG横浜国際行政書士オフィス在留資格の実務メモ

在留資格「技術・人文知識・国際業務」

技人国の申請で最初に決まるのは「カテゴリー」──1〜4の区分と、令和8年4月からの追加書類

根拠
出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」の公表内容および提出書類チェックシート
追加書類
カテゴリー3・4について令和8年4月15日以降の申請から適用
対象
技人国で申請・更新をする方、外国人を雇用する企業のご担当者
確認日
2026年8月20日時点

技術・人文知識・国際業務(技人国)の申請では、必要書類の一覧を探す前にやることがあります。勤務先がカテゴリー1〜4のどれに当たるかを確定させることです。

入管庁は、所属機関を4つに区分し、区分ごとに提出書類を定めています。カテゴリー1・2なら追加資料は原則不要ですが、カテゴリー3・4になると会社の決算書類や事業内容の資料まで求められます。同じ在留資格の同じ申請でも、勤務先によって用意するものがまるで変わります。ここを取り違えると、集めた書類が丸ごと的外れになります。

カテゴリーの区分

区分該当する機関
カテゴリー1日本の証券取引所に上場している企業、保険業を営む相互会社、日本または外国の国・地方公共団体、独立行政法人、特殊法人・認可法人、日本の国・地方公共団体認可の公益法人、法人税法別表第1に掲げる公共法人、イノベーション創出企業、一定の条件を満たす企業等
カテゴリー2前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人/または、カテゴリー2と同様の添付資料での申請を希望し、カテゴリー審査に係る資料を提出したうえで在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関
カテゴリー3前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)
カテゴリー4上記のいずれにも該当しない団体・個人

押さえておきたい点:入管庁は、カテゴリーに該当することを証明する文書について「提出可能な書類がない場合は、カテゴリー4に該当することとなります」としています。実態としてカテゴリー3に当たる会社でも、法定調書合計表の写しを出せなければカテゴリー4の扱いで書類を揃えることになります。区分は自己申告ではなく、証明できるかどうかで決まります。

設立して間もない会社は、前年分の法定調書合計表がまだ存在しないため、カテゴリー4になるのが通常です。その場合は、源泉徴収の免除を受けているならその証明、そうでなければ給与支払事務所等の開設届出書の写しと、直近3か月分の所得税徴収高計算書などを提出して、提出できない理由を明らかにすることになります。

令和8年4月15日以降の追加書類

カテゴリー3または4に該当する場合、令和8年4月15日以降の申請では次の2点が追加で必要になりました。

  • 所属機関の代表者に関する申告書(参考様式)
  • (主に言語能力を用いて対人業務等に従事する場合)業務上使用する言語について、CEFR B2相当の言語能力を有することを証する資料

CEFR B2相当とみなされる場合

日本語について、次のいずれかに当てはまれば、CEFR B2相当の日本語能力を有するものとみなされます。

  • JLPT(日本語能力試験)N2以上を取得していること
  • BJTビジネス日本語能力テストにおいて400点以上を取得していること
  • 中長期在留者として20年以上本邦に在留していること
  • 本邦の大学を卒業し、または本邦の高等専門学校もしくは専修学校の専門課程もしくは専攻科を修了していること
  • 我が国の義務教育を修了し高等学校を卒業していること

どんなときに提出が必要か

入管庁は、提出が必要になる場面を次のように整理しています。

  • 認定・変更・取得の申請では、申請職種が「翻訳・通訳」やホテルフロント業務等の「接客」の場合など、日本語能力等の言語能力を用いた業務に主に従事する場合に必要
  • すでに在留中の方でも、業務内容の変更や転職により言語能力を用いた業務に主に従事することとなった場合は、更新申請時に提出が必要
  • 更新申請で、以前から継続して同様の業務内容に従事している場合は提出不要。ただし審査の中で必要に応じて提出を求められることがある

上記以外の場合でも、申請内容を踏まえて提出を求められることがあるとされています。

更新申請でカテゴリー3・4に当たる場合

更新では、カテゴリー3・4に該当すると、共通の書類に加えて次のものが必要です。

  • 所属機関の代表者に関する申告書(参考様式)
  • 住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書(1年間の総所得および納税状況が記載されたもの)

課税証明書と納税証明書は、1年間の総所得と納税状況の両方が記載されていれば、いずれか一方でかまいません。1月1日現在お住まいの市区町村で発行されます。

さらに、カテゴリー3または4の企業等に転職した後の初回の更新申請では、労働条件を明示する文書、登記事項証明書、事業内容を明らかにする資料、直近年度の決算文書の写しなども併せて提出することになります。

ここで注意したいのが決算文書の扱いです。カテゴリー3の企業について、同一企業での通常の更新であれば決算文書の写しは原則として不要です。しかし転職後の初回更新で就労資格証明書の交付を受けていない場合は、カテゴリー3であっても決算文書の写しが必要になります。転職先の会社について実態を確認する審査が伴うためです。「カテゴリー3だから決算書は要らない」と一般化すると足りなくなります。

転職後1回目の更新は、通常の更新とは準備の量が変わるということです。

実務上の注意:カテゴリーは申請のたびに確認するものです。前年分の法定調書合計表の内容によって年ごとに変わり得ますし、源泉徴収税額が1,000万円の線を上下すればカテゴリー2と3が入れ替わります。「前回はカテゴリー2だったから今回も同じ」と決め打ちすると、必要な書類を落とすことになります。

準備が思ったより重くなるところ

カテゴリー判定そのものは、法定調書合計表を見れば済む話です。難しいのはその先で、実際に手を動かすと次のような場面が出てきます。

まず、書類の多くを勤務先から出してもらう必要があります。登記事項証明書、決算文書、事業案内、代表者に関する申告書。本人だけでは揃いません。会社の担当者に依頼して、期限までに集める段取りが要ります。

次に、日本で発行される証明書は発行日から3か月以内のものに限られます。早く集めすぎると期限切れになり、取り直しになります。逆に遅すぎれば在留期限に間に合いません。

そして、入管庁は提出書類が揃っていない申請について「大幅に審査が遅れる、または不利益処分となり得る」と明示しています。足りないまま出して後から足せばよい、という性質のものではありません。

転職している場合は、これとは別に14日以内の届出も必要です。詳しくは技人国の更新で足をすくわれる「届出」をご覧ください。

更新申請は在留期間の満了日以前、6か月以上の在留期間を有する方は満了の概ね3か月前から受け付けられます。この3か月の間に、会社から書類を集め、有効期限を管理しながら申請するのが実際の作業です。複数名をまとめて更新する企業では、この段取りが人数分並行します。

実際に申請へ行く窓口については、横浜入管はどこに行けばいいかをご覧ください。

書類の準備と別に、費用の見通しも変わります。更新・変更の手数料は2026年10月1日から段階制になり、決定される在留期間によって額が変わります。手数料改定の金額表で総額を見積もっておくとよい部分です。

まとめ

  • 技人国の提出書類は、勤務先のカテゴリー1〜4で大きく変わる
  • カテゴリー2の目安は源泉徴収税額1,000万円以上
  • 証明する書類を出せない場合はカテゴリー4の扱いになる
  • 令和8年4月15日以降、カテゴリー3・4には代表者に関する申告書とCEFR B2相当の資料が追加された
  • B2相当はJLPT N2以上などでみなされる。更新で業務内容が変わっていなければ原則提出不要
  • カテゴリーは年ごとに変わり得るため、申請のたびに確認する

カテゴリーの判定や、どの書類が必要になるかの確認だけでもお受けしています。企業のご担当者からのご相談も歓迎です。

本記事は確認日時点の一般的な整理であり、個別の申請の結果を保証するものではありません。提出書類の詳細は申請時点の入管庁の公表内容をご確認ください。

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