TNG横浜国際行政書士オフィス在留資格の実務メモ

在留資格「高度専門職」

高度専門職ビザとは──ポイントが70点以上の人に認められる在留資格

根拠
入管法別表第一の二(高度専門職)/高度専門職省令
基準
ポイント合計70点以上(1号ロ・ハは年収300万円以上も)
在留期間
1号は5年、2号は無期限
確認日
2026年10月11日時点

この記事の要点

  • 高度専門職は、ポイントの合計が70点以上の人に認められる在留資格。1号イ(研究・教育)、ロ(専門・技術)、ハ(経営・管理)と2号がある
  • 1号ロ・ハは年収300万円以上も必要。1号イ・ロの年収の点数は年齢で使える区分が変わる
  • 1号は在留期間5年が一律。配偶者の就労、一定の条件で親・家事使用人の帯同、優先処理などの優遇措置がある

「高度専門職ビザ」は、在留資格「高度専門職」のことです。学歴・職歴・年収などの項目ごとにポイントを付け、合計が70点以上の外国人に認められます(高度人材ポイント制)。在留期間が一律5年になる、配偶者が働ける、永住の在留年数が短くなるなどの優遇措置があります。令和7年末には32,953人が在留しています。

この記事では、入管法と高度専門職省令、出入国在留管理庁(入管庁)の案内をもとに、区分、70点と年収の要件、優遇措置、家族、2号、特別高度人材(J-Skip)、技術・人文知識・国際業務との違い、永住の特例を整理します。

高度専門職の区分

入管法は、高度専門職1号を「高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者」が行う活動で、「我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの」と定めています(別表第一の二)。1号はイ・ロ・ハの3つに分かれ、1号で活動した人が進める2号があります。

区分活動(入管法別表第一の二の要点)令和7年末の人数
1号イ法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて、研究、研究の指導又は教育をする活動(関連する事業の経営なども併せてできる)2,842人
1号ロ法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて、自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動(関連する事業の経営も併せてできる)23,108人
1号ハ法務大臣が指定する本邦の公私の機関で、貿易その他の事業の経営を行い、又は管理に従事する活動(関連する事業の経営も併せてできる)4,971人
2号1号の活動を行った人で、在留が我が国の利益に資するものとして法務省令の基準に合う人が行う、研究・教育、専門・技術の業務、事業の経営・管理の活動(機関の指定はない)と、これらと併せて行う教授・芸術・宗教・報道、法律・会計業務、医療、教育、技術・人文知識・国際業務、介護、興行、技能、特定技能2号の活動2,032人

1号は、働く機関が法務大臣に指定されます。入管庁は、高度専門職1号の人が転職などで機関が変わるときは、引き続き高度専門職1号として在留する場合でも在留資格の変更の申請が必要としています。あわせて、14日以内に所属機関に関する届出(入管法第19条の16)も必要です。

70点の基準と年収の要件

高度専門職省令は、1号の基準を、ポイントを合計したものが70点以上であることとしています。1号ロ・ハは、これに加えて、契約機関などから受ける報酬の年額の合計が300万円以上であることも必要です(第1条第1項)。1号イには、年収の下限の定めはありません。

ポイントは、学歴、職歴、年収、年齢、研究実績、資格、日本語能力などの特別加算で付きます。年収の点数は、1号イ・ロの場合、1,000万円以上の40点から、400万円以上500万円未満の10点まであり、申請の時点の年齢で使える区分が絞られます(30歳未満は400万円以上、30〜34歳は500万円以上、35〜39歳は600万円以上、40歳以上は800万円以上の区分)。1号ハは1,000万円以上から点数が付き、年齢による区分はありません。ご自身の点数の目安は高度人材ポイント簡易計算ツールで確かめられます。

優遇措置

入管庁が案内している1号の優遇措置は、次の7つです。

  1. 複合的な在留活動の許容:複数の在留資格にまたがるような活動ができる
  2. 在留期間「5年」の付与:法律上の最長の在留期間である5年が一律に付与される(更新できる)
  3. 在留歴に係る永住許可要件の緩和
  4. 配偶者の就労
  5. 一定の条件の下での親の帯同の許容
  6. 一定の条件の下での家事使用人の帯同の許容
  7. 入国・在留手続の優先処理:入国事前審査は申請受理から10日以内、在留審査は申請受理から5日以内が目途

2号になると、1号の活動に加えて就労に関する在留資格で認められるほぼ全ての活動ができ、在留期間が無期限になります。上の3〜6の優遇措置も受けられます。

家族の受入れ

家族主な要件(入管庁の案内)
配偶者の就労学歴・職歴などの要件を満たさない場合でも、教育、技術・人文知識・国際業務などに当たる活動ができる。週28時間以内といった時間の制限はなく、フルタイムで働ける。高度外国人材と同居し、日本人と同等額以上の報酬を受けることなどが必要
親の帯同高度外国人材又はその配偶者の7歳未満の子(養子を含む)を養育する場合か、妊娠中の配偶者又は妊娠中の高度外国人材本人の介助などを行う場合。世帯年収(本人と配偶者の年収の合計)が800万円以上で、高度外国人材と同居し、高度外国人材又はその配偶者のどちらかの親に限る
家事使用人の帯同家事使用人は18歳以上で、月額20万円以上の報酬を受けること。上陸申請の直前まで継続して1年以上雇用していた家事使用人を連れてくる場合や、13歳未満の子又は病気などで日常の家事に従事できない配偶者がいる場合は、世帯年収1,000万円以上で1名まで。投資運用業などの金融人材は、世帯年収3,000万円以上なら2名まで

子は、ほかの多くの就労資格と同じく「家族滞在」で受け入れます(家族滞在とは)。

高度専門職2号になる条件

高度専門職省令は、2号の基準として、1号の区分の基準(70点以上。1号ロ・ハは年収300万円以上も)を満たすこと、1号で3年以上在留して活動していたこと(特別高度人材は1年以上)、素行が善良であること、在留が日本国の利益に合すると認められることを定めています(第2条)。

2号への変更の申請では、1号のときの書類に加えて、直近5年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(70点以上を維持して3年以上在留している人は直近3年分、80点以上で1年以上の人は直近1年分)、国税の納税証明書(その3)、直近2年間の公的年金・公的医療保険の納付の資料などが求められています。

特別高度人材(J-Skip)

2023年4月から、ポイント計算をせずに高度専門職が認められる特別高度人材制度(J-Skip)が始まりました。特別高度人材省令の基準は次のとおりです。

  • 研究・教育や専門・技術の活動(1号イ・ロ):年収2,000万円以上で、修士以上の学位(専門職学位を含む)か、従事しようとする研究・教育や業務について10年以上の実務経験がある
  • 経営・管理の活動(1号ハ):年収4,000万円以上で、事業の経営又は管理について5年以上の実務経験がある

特別高度人材は、2号に進むまでの期間と永住許可までの在留期間がどちらも1年になり、家庭の事情の要件なしで家事使用人を雇え、世帯年収3,000万円以上なら2人まで雇える、大規模空港などのプライオリティレーンを使えるなど、優遇措置が広がります。

技術・人文知識・国際業務との違い

技術・人文知識・国際業務(技人国)で働いている人も、高度専門職1号への在留資格の変更を申請でき、70点以上などの要件を満たせば変更の許可を受けられます(入管庁の高度人材ポイント制Q&A)。主な違いは次のとおりです。

項目高度専門職1号ロ技術・人文知識・国際業務
在留期間5年(一律)5年、3年、1年又は3月
基準70点以上・年収300万円以上に加えて、行う業務に当たる在留資格(多くは技人国)の上陸許可基準にも適合すること学歴又は実務経験、日本人と同等額以上の報酬など
転職機関が指定されているので、転職などで機関が変わるときは在留資格の変更の申請が必要(14日以内の届出も必要)仕事の内容が同じ範囲なら変更の申請はいらないが、14日以内に届出が必要
配偶者・親配偶者の就労、一定の条件で親・家事使用人の帯同ができる配偶者は家族滞在(働くには資格外活動許可)
永住70点で3年、80点で1年の特例原則10年(うち就労資格又は居住資格で5年以上)

技人国の要件は技術・人文知識・国際業務とは、転職の手続きは技人国の転職で整理しています。入管庁は、在留資格「経営・管理」の上陸基準省令等の改正の案内で、1号ハ(経営・管理の活動を前提とするもの)も「経営・管理」の許可基準を満たすことが前提としています。

永住の特例

永住許可に関するガイドラインは、原則10年在留に関する特例として、高度専門職省令のポイント計算で70点以上なら3年、80点以上なら1年、特別高度人材なら1年、継続して日本に在留していることを挙げています。高度専門職の在留資格で在留している人だけでなく、永住許可申請日の3年前(80点は1年前)の時点で計算して点数を満たし、その後3年以上(80点は1年以上)継続してその点数を満たして在留している人も対象です。2026年10月1日に改定されたガイドライン(2027年4月1日以降の申請に適用)でも、この特例は残っています。

申請の書類と点数の数え方は高度人材ポイントで永住を申請するで整理しています。

申請の書類と手数料

入管庁が案内している1号の申請の書類は、申請書と写真、行おうとする活動に応じて入管法施行規則別表第三に定める資料(勤務先のカテゴリーで分かれている場合はそのカテゴリーの資料)、ポイント計算表、ポイントの各項目を証明する資料です。入管庁は、ポイントの合計が70点以上あることを確認できる資料を出せば足りるとしています。在留資格の変更・更新では、パスポートと在留カードを提示します。

1号の在留期間は5年なので、在留資格の変更と在留期間の更新の手数料は、2026年10月1日以降の申請で窓口75,000円(電子申請65,000円)です(在留手続の手数料の改定)。更新の時期や申請先はビザ更新(在留期間の更新)の手続きで整理しています。

高度専門職の申請は、点数の計算と、各項目を証明する資料の集め方で準備の量が変わります。いまの在留資格から変更するか、永住の特例を使うかも含めて、状況に合わせて考える必要があります。

ご自身の場合の進め方は、状況を伺ったうえでご案内します。まずは初回無料のご相談で、今の状況をお聞かせください。

相談を申し込む(無料)

ご相談から依頼までの流れ(その場で契約をお願いすることはありません)

見直しの方針が示されています

法務省の第2次出入国在留管理基本計画(2026年7月)は、高度人材ポイント制について、制度の施行から14年余りが経ち賃金水準の上昇などの変化があったとして、在留資格「高度専門職」等について「年収基準等や項目自体の内容、配点やその比重も含めて必要な見直しを行う」としています。確認日時点で、具体的な改正案や施行日は公表されていません。案が出たら、この記事を更新します。

よくある質問

年収が300万円あれば高度専門職になれますか

300万円以上は1号ロ・ハの最低の条件で、これとは別に70点以上が必要です。1号イ・ロでは、年収の点数は400万円以上から付き、年齢によって使える区分が変わります(1号ハは1,000万円以上から点数が付き、年齢による区分はありません)。

高度専門職1号で転職できますか

できますが、働く機関が指定されているので、機関が変わるときは在留資格の変更の申請が必要です。技人国の転職のような届出だけでは足りず、変更の申請とあわせて14日以内の所属機関に関する届出もします。

高度専門職の在留期間は何年ですか

1号は5年が一律に付与され、更新できます。2号は無期限です。

まとめ

  • 高度専門職は、ポイントの合計が70点以上の人に認められる在留資格。1号イ(研究・教育)、ロ(専門・技術)、ハ(経営・管理)と2号がある
  • 1号ロ・ハは年収300万円以上も必要。1号イ・ロの年収の点数は年齢で使える区分が変わる
  • 1号は在留期間5年が一律。配偶者の就労、一定の条件で親・家事使用人の帯同、優先処理などの優遇措置がある
  • 働く機関が指定されるので、転職で機関が変わると在留資格の変更が必要
  • 1号で3年以上(特別高度人材は1年以上)活動し、基準を満たせば2号への変更を申請できる。2号は在留期間無期限
  • 永住は70点で3年、80点で1年の特例。年収基準などの見直しの方針が示されている

本記事は確認日時点で入管法・高度専門職省令と入管庁が公表している内容の整理です。点数の計算や証明の資料、変更の時期は、経歴とお勤め先によって変わります。状況を伺ったうえでお答えします。

この記事の根拠

料金について

手続きごとの報酬額の目安は、料金一覧でご案内しています。初回のご相談は無料です。

← 記事一覧へ戻る

高度専門職への変更や、永住の特例を考えている方へ

学歴・職歴・年収などを伺ってポイントを確かめ、高度専門職1号への変更や2号、永住の特例を使えるか、各項目を証明する資料を一緒に整理します。書類の作成もお受けしています。

初回のご相談で一緒に確かめること(高度専門職)

  • 学歴・職歴・年収(ポイントの計算)
  • 今の在留資格と勤め先
  • 2号や永住の予定

そのうえで、高度専門職への変更や永住の特例を使えるかと、証明の資料をお伝えします。

許可をお約束するものではありません。審査は入管庁(帰化は法務省)が行います。

高度専門職について相談する

メールで相談する(一言だけでも構いません)

電話 無料相談・お問い合わせ