在留手続全般
外国人の国民健康保険と年金──2027年から納付情報が入管庁に連携される予定
公開 2026.10.11 / 最終更新 2026.10.11 / 最終確認 2026.10.11
- 入管庁への納付情報の提供
- 2027年3月以降(予定)
- 国保の市町村からの連携
- 2027年6月から開始できるよう準備
- 根拠
- 内閣官房「総合的対応策」・厚生労働省の事務連絡ほか
- 確認日
- 2026年10月11日時点
この記事の要点
- 2027年3月19日から、在留期間の更新などの提出資料に、課税・納税と社会保険の加入・保険料の納付に関する文書が加わる(入管法施行規則の改正)
- 2027年3月以降、入管庁が国民健康保険料・国民年金保険料の納付情報などを関係機関から受け取る予定(総合的対応策)
- 国民健康保険料は、市町村から入管庁への連携を2027年6月から開始できるよう準備が進められている
日本に住む外国人の方の国民健康保険料や国民年金保険料の納付状況が、在留資格の審査で関係機関の情報をもとに確かめられる仕組みが、2027年に向けて準備されています。政府の「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」(2026年1月23日)は、2027年3月以降、出入国在留管理庁(入管庁)が関係機関から国民健康保険料・国民年金保険料の納付情報などの提供を受けるとしています。厚生労働省も、市町村から入管庁への国民健康保険料(税)の収納情報の連携を2027年6月から開始できるよう、都道府県を通じて市町村にシステム改修などの対応を求めています。
この記事では、内閣官房・厚生労働省・入管庁の資料から、いま在留審査で保険料がどう見られているか、2027年から何が変わるか、未納があるときに確かめておくことを整理します。
いつから何が変わるか
| 時期 | 内容 | 資料 |
|---|---|---|
| いま(実施中) | 在留資格の変更・在留期間の更新では、国民健康保険料など法令で納めることとされているものの高額・長期間の未納が分かった場合、悪質なものは消極的な要素として評価。関係機関から提供を受けた情報を踏まえて許否を判断する場合がある | 入管庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」(最終改正2026年6月) |
| 2027年3月19日から | 在留期間の更新などの提出資料に「課税及び納税に関する文書並びに社会保険の加入状況及び社会保険料の納付状況に関する文書」が加わる(入管法施行規則の改正。2025年9月8日公布)。対象は日本の社会保険 | 令和7年法務省令第43号、意見募集の結果(2025年9月8日) |
| 2027年3月以降 | 入管庁が関係機関から、国民健康保険料・国民年金保険料の納付情報、地方税の課税情報、医療保険の資格情報などの提供を受ける予定 | 総合的対応策(施策番号7) |
| 2027年6月から | 市町村から入管庁への国民健康保険料(税)の収納情報の連携を開始できるようにする(公共サービスメッシュを使う方針で検討) | 厚生労働省の事務連絡(2025年10月29日)、国民健康保険システム標準化の資料(2025年11月10日) |
| 2027年4月1日 | 永住者が故意に税金・社会保険料を払わない場合が、永住者の在留資格の取消事由に加わる | 改正入管法、入管庁のガイドライン |
2027年3月19日からの提出資料の追加について、入管庁は意見募集への回答で、周知や準備の期間を設けるため令和9年3月からの施行としたこと、対象は日本の社会保険であることを示しています。具体的にどの書類を出せばよいかは、確認日時点で入管庁はまだ案内していません。政府の総合的対応策(施策番号5)も、全ての在留資格の在留申請の提出資料に、社会保険に関する法令の規定を守っていることを証する文書などの規定を入管法施行規則に追加したとしています。
国民健康保険料の連携について、厚生労働省は、政府の「経済財政運営と改革の基本方針2025」(2025年6月13日閣議決定)に書かれた、国民健康保険料(税)の収納情報を外国人の在留審査時に活用する仕組みとして位置づけています。確認日時点で公表されている資料では、連携する情報の細かい中身や、審査での具体的な使われ方は示されていません。
国民健康保険と国民年金に入る人
厚生労働省は、適正な在留資格を持ち、国内に住所がある外国人は、原則として国民健康保険の被保険者になるとしています。勤め先の健康保険に入っている方やその扶養に入っている家族、生活保護を受けている世帯の方などは、国民健康保険の対象から外れます(国民健康保険法第6条)。
国民年金は、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の方が原則として加入する制度で、国籍の要件はありません(国民年金法第7条)。会社員などで厚生年金保険に入っている方は、国民年金の第2号被保険者になります。
いまの在留審査での見られ方
変更・更新
入管庁の「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」は、考慮する要素の一つに「納税義務等を履行していること」を挙げ、次のように書いています。
- 納税義務を履行していない場合は、消極的な要素として評価される
- 国民健康保険料など法令で納めることとされているものについて、高額の未納や長期間の未納などが分かった場合も、悪質なものは同じように扱う
- 入管庁の求めに応じて関係機関から提供を受けた納税義務等の履行状況の情報を踏まえ、許否を判断する場合がある(2026年6月の改正で追記)
また、社会保険への加入を進めるため、2010年4月1日から申請のときに窓口で健康保険証の提示を求めています。2024年12月2日に健康保険証の発行が廃止されたため、保険証を持っていない方には、マイナポータルの「資格情報」の画面、「資格情報のお知らせ」又は「資格確認書」の提示を求めています。入管庁は、健康保険証などを提示できないことで、変更や更新を不許可にすることはないとしています。
永住
永住許可では、公租公課(税金と公的医療保険・公的年金の保険料など)を納めているかが見られます。2026年10月1日に改定されたガイドライン(2027年4月1日以降の申請から適用)では、申請時点で未納がなくても、過去に滞納処分を受けたことがあるなどの場合は原則として消極的に評価され、原則として同一生計の世帯の単位で審査されます(永住許可のガイドライン改定)。永住許可を受けたあとも、2027年4月1日からは、故意に払わない場合が取消事由になります(永住権の取り消しはどんな場合か)。
入国したばかりの方の保険料の前納
厚生労働省は、市町村が、海外から入国した最初の年度の国民健康保険料(税)を、通常の納期限より前に納めてもらう仕組み(前納)を導入できるよう、条例の参考例を示しています。導入するかどうかは市町村ごとに決めるので、お住まいの市区町村の案内を確かめてください。
いまも関係機関から得た情報をもとに判断される場合があるので、未納がある方は、連携の時期にかかわらず、早めに納付先の市区町村や年金事務所に相談して、どう納めていくかを決めておくことが大切です。更新の申請で事情の説明が必要になったときも、相談や納付の記録があると説明しやすくなります。
ご自身の場合の進め方は、状況を伺ったうえでご案内します。まずは初回無料のご相談で、今の状況をお聞かせください。
ご相談から依頼までの流れ(その場で契約をお願いすることはありません)
いま確かめておくこと
- 国民健康保険料(税)に未納がないか。転居や転職で切り替えたときに、届出や納付が抜けていないか
- 国民年金保険料に未納がないか。会社員の方は厚生年金保険に入っているか
- 住民税を含む税金の納付。永住を考えている方は、2027年4月1日以降の申請では、申請時点だけでなく過去の滞納処分の有無も見られる
- 健康保険の資格を示すもの(マイナポータルの資格情報、資格情報のお知らせ、資格確認書など)を、申請のときに出せるようにしておく
- 更新の時期が近い方は、手続きの準備もあわせて(技人国の更新、配偶者ビザの更新)
よくある質問
健康保険証がないと、更新の申請ができませんか
入管庁は、健康保険証などを提示できないことを理由に、変更や更新を不許可にすることはないとしています。健康保険証の発行が廃止された2024年12月2日以降は、保険証を持っていない方に、マイナポータルの資格情報の画面、「資格情報のお知らせ」又は「資格確認書」の提示を求めています。
少しでも未納があると、更新は不許可になりますか
入管庁のガイドラインでは、国民健康保険料などは、高額の未納や長期間の未納などが分かった場合に、悪質なものを消極的な要素として評価するとされています。変更・更新は、ガイドラインの要素を総合的に考慮して判断されます。
2027年からは、市区町村の情報がすべて入管に伝わるのですか
総合的対応策は、入管庁が関係機関から国民健康保険料・国民年金保険料の納付情報や地方税の課税情報などの提供を受けるとしています。厚生労働省の国民健康保険システム標準化の資料(2025年11月)では、市町村のシステムに「外国人世帯主の世帯に属する外国人被保険者の収納状況」を連携用のデータとして作る機能を追加する案が示されました。2026年1月の資料では、公共サービスメッシュでの連携の機能は2027年6月1日に対応するものとされる一方、収納状況の把握に関わる機能は、厚生労働省で引き続き検討中とされています。
まとめ
- 2027年3月19日から、在留期間の更新などの提出資料に、課税・納税と社会保険の加入・保険料の納付に関する文書が加わる(入管法施行規則の改正)
- 2027年3月以降、入管庁が国民健康保険料・国民年金保険料の納付情報などを関係機関から受け取る予定(総合的対応策)
- 国民健康保険料は、市町村から入管庁への連携を2027年6月から開始できるよう準備が進められている
- いまも、変更・更新では、国民健康保険料などの高額・長期間の未納で悪質なものは消極的な要素。関係機関から得た情報で判断する場合がある
- 健康保険証などを提示できないことだけで、変更・更新が不許可になることはない
- 永住は、2027年4月1日以降の申請では過去の滞納処分も見られ、同じ日から故意の不払いが取消事由に
- 未納がある方は、連携の時期にかかわらず早めに納付先に相談を
本記事は確認日時点で内閣官房・厚生労働省・入管庁が公表している資料の整理です。連携の細かい中身や審査での使われ方は、今後示される資料で確かめる必要があります。
この記事の根拠
- 内閣官房「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」(令和8年1月23日)
https://www.cas.go.jp/jp/seisakukaigi/gaikokujinzai/pdf/kettei_sougoutekitaiousaku_honbun.pdf - 厚生労働省 事務連絡「国民健康保険料(税)の前納に係る国民健康保険条例参考例の送付について」(令和7年10月29日)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T251204S0010.pdf - 厚生労働省「国民健康保険システム標準化 第3回合同ワーキングチーム 資料No.1」(令和7年11月10日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001616119.pdf - 出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyuukokukanri07_00058.html - 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」
https://www.moj.go.jp/isa/10_00279.html - 厚生労働省「国民健康保険システム標準化検討会 第4回 資料No.2」(令和8年1月22日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001646925.pdf - 出入国在留管理庁「在留資格の取消し(入管法第22条の4)」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/torikeshi_00002.html - e-Gov法令検索「国民健康保険法」(第6条)
https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - e-Gov法令検索「国民年金法」(第7条)
https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
https://www.nenkin.go.jp/service/seidozenpan/20140710.html - e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法施行規則」(令和7年法務省令第43号による改正。2027年3月19日施行)
https://laws.e-gov.go.jp/law/356M50000010054 - e-Govパブリック・コメント「出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令案に係る意見募集の結果について」(案件番号315000111、2025年9月8日)
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/1040?Mode=1&id=315000111