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企業内転勤2号とは──2027年4月にできる、海外の支店・子会社の社員を通算1年まで受け入れる在留資格
公開 2026.10.11 / 最終確認 2026.10.11
- 始まる日
- 2027年4月1日
- 会社の基準
- 常勤20人以上、2号は常勤の5%まで
- 期間
- 通算1年まで
- 確認日
- 2026年10月11日時点
この記事の要点
- 2027年4月1日から、企業内転勤が1号・2号に分かれ、2号が新しくできる。いまの企業内転勤の人は1号とみなされる
- 2号は、海外の支店・子会社などの職員が、技能等を修得するために転勤して講習を受け、業務に従事する在留資格
- 会社は常勤20人以上、2号の外国人は常勤の5%(20分の1)まで
2027年4月1日から、在留資格「企業内転勤」が1号と2号に分かれ、企業内転勤2号が新しくできます。海外の支店や子会社などの社員を、技能等を身につけてもらうために日本の事業所へ転勤させ、通算1年まで受け入れるための在留資格です。2024年の入管法の改正(令和6年法律第60号)で創設が決まり、受け入れる会社と本人の基準は、2025年9月30日に公布された法務省令で定められています。
この記事では、改正後の入管法と法務省令、出入国在留管理庁(入管庁)の資料から、企業内転勤2号でできること、受け入れる会社と本人の基準、育成就労との違い、まだ決まっていないことを整理します。
企業内転勤2号とは
改正後の入管法は、企業内転勤の活動を次の2つに分けています(別表第一の二の表)。
| 区分 | 活動(条文の要約) |
|---|---|
| 1号 | 日本に本店・支店などがある機関の外国の事業所の職員が、日本の事業所に期間を定めて転勤し、そこで行う技術・人文知識・国際業務の活動(いまの「企業内転勤」と同じ) |
| 2号(新設) | 法務省令で定める基準に合う機関の外国の事業所の職員が、技能等を修得するため、日本の事業所に期間を定めて転勤し、そこで講習を受け、技能等に係る業務に従事する活動(1号の活動と育成就労の活動を除く) |
2号は、1号のように技術・人文知識・国際業務の活動に限るとはされていません。入管庁の資料では、育成就労の対象の分野(育成就労産業分野)以外の分野の業務にも従事できるとされています。
いま「企業内転勤」で在留している人は、施行日に1号の人とみなされます(改正法附則第7条)。手続きをし直す必要はありません。
なぜできたのか──短期間の研修目的の企業単独型技能実習の受け皿
国会での入管庁の答弁によれば、いまの技能実習には、海外の子会社などの従業員を、研修などの目的で1年程度の短期間受け入れる例があります。技能実習が育成就労に代わるにあたり、入管庁は、外国の支店や子会社の社員等を研修等のために比較的短期間、企業単独型の1号技能実習で受け入れているようなものは、一定の要件の下で企業内転勤2号により受け入れることを想定しているとしています(育成就労制度Q&A)。
国会では入管庁が、育成就労制度での規制の潜脱等に用いられることのないよう、事業の規模や体制等に係る要件を設けると説明しています(2024年5月28日の参議院法務委員会)。海外の支店や子会社の社員等を、原則3年間の就労を通じて育成する趣旨で受け入れる場合は「単独型育成就労」で受け入れることができ、取引先企業の社員等は単独型では受け入れられず「監理型育成就労」になるとされています(育成就労制度Q&A Q27。育成就労の全体は育成就労とは)。
受け入れる会社の基準
2号で受け入れる会社は、次の2つを満たす必要があります(令和7年法務省令第46号。2027年4月1日施行)。
- 常勤の職員が20人以上いること(外国の事業所の常勤の職員と、2号の外国人は数えない)
- 日本の事業所で受け入れる2号の外国人の数が、常勤の職員の総数の20分の1を超えないこと(入管庁の資料では「5%まで」)
例えば日本の常勤の職員が100人の会社なら、2号で受け入れられるのは5人までです(100×1/20=5)。常勤の職員が20人に満たない会社は、2号では受け入れられません。
本人の基準
2号で日本に来る本人は、次の基準を満たす必要があります(上陸基準省令の企業内転勤の項第2号。2027年4月1日施行)。
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 転勤元での勤務 | 転勤の直前に、外国の本店・支店などで、技能等を修得することができる業務に継続して1年以上従事していること(その間に、同じ会社の日本の事業所で企業内転勤2号として働いた期間があれば、その期間も合わせて1年を数える) |
| 報酬 | 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上であること |
| 通算の期間 | 以前に2号で日本に在留したことがある人は、その期間が通算して1年に達していないこと |
転勤元で1年以上働いていることを求める理由について、法務省(入管庁)は、パブリック・コメントへの考え方で、本邦外における勤務の実態を確認するための要件として相当だとしています。いまの企業単独型の技能実習には、送出し側の会社での在職年数の要件はありませんが、2号と同じく、単独型育成就労でも外国の法人での1年以上の在職歴が求められます(入管庁の資料)。
在留期間は1年以内、2号での在留は通算1年まで
2号の在留期間は、1年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間です(入管法施行規則の別表第二)。1号は、いまと同じく5年・3年・1年・3月のいずれかです。上陸基準省令は、2号で在留した期間が通算1年に達していないことを求めており、入管庁の資料も「通算で1年まで」としています。1年を超えて2号で受け入れ続けることはできません。
2号の家族は「家族滞在」で呼べない
改正後の入管法は、家族滞在の対象から企業内転勤2号を除いています。2号で来た人の配偶者や子は、家族滞在の在留資格では日本で暮らせません。1号は、いまと同じく家族滞在の対象です(家族滞在とは)。
育成就労・企業内転勤1号との違い
| 項目 | 企業内転勤2号 | 企業内転勤1号 | 育成就労 |
|---|---|---|---|
| 目的・活動 | 技能等の修得のための講習と業務 | 技術・人文知識・国際業務の活動 | 人手不足の分野で特定技能1号の水準の人材を育成 |
| 誰を受け入れるか | 外国の本店・支店・子会社などの職員 | 外国の事業所から転勤する職員 | 単独型:日本の会社の外国の事業所の職員(外国の法人で1年以上の在職歴)/監理型:監理支援機関が関わる受入れ(取引先の社員はこちら) |
| 期間 | 在留期間は1年以内、通算1年まで | 在留期間は5年・3年・1年・3月 | 育成就労計画の期間は3年以内、在留期間は2年以内ごと |
| 会社の基準・手続き | 常勤20人以上、2号は常勤の5%まで | 2号のような人数の基準はない | 育成就労計画の認定が必要 |
| 分野 | 育成就労産業分野以外の業務もできる | 技人国の範囲の業務 | 育成就労産業分野に限る |
| 家族滞在 | 対象外 | 対象 | 対象外 |
入管庁の資料は、2号について、育成就労計画の認定申請は不要で、外国人育成就労機構の関与もないとしています。
申請の手続き
海外から呼ぶときは、在留資格認定証明書の交付を申請します。改正法の附則第3条は、施行日(2027年4月1日)以後に日本に上陸しようとする人について、あらかじめ申請があれば、施行日前に2号の在留資格認定証明書を交付することができるとしています。申請書の様式と提出資料も省令で決まっていて、提出資料は、1号の資料(外国の事業所での職務内容・勤務期間と、卒業証明書・経歴を除く)に、外国の事業所での職務内容と勤務期間を証する文書を加えたものです。
ただし、確認日時点で、入管庁は2号の申請の受付開始日や提出書類の一覧のページを案内していません。いまの在留資格「企業内転勤」のページにも、2号の記載はまだありません。
まだ決まっていない・分からないこと
- ほかの在留資格への変更や転職:2号から特定技能、技術・人文知識・国際業務、1号などへ変更できるかを書いた一次資料は、確認日時点で見当たりません。1号と2号は別の区分なので、行き来するには在留資格の変更が必要になると読めます
- 日本語、技能の修得の計画、相談の体制など:上陸基準省令と受入れ機関の基準を定める省令には、これらの定めはありません。審査でどこまで確認されるかは、入管庁の案内を待つ必要があります
- 講習の中身や時間:基準は示されていません
よくある質問
海外の取引先の社員を、企業内転勤2号で受け入れられますか
2号は「日本に本店・支店などがある機関の外国にある事業所の職員」が転勤してくる在留資格なので、別の会社である取引先の社員は対象になりません。国会でも入管庁は、外国事業所の職員に技能等を修得させるための受入れに限ると説明しています。育成就労で受け入れる場合は、単独型は認められず監理型になるとされています(育成就労制度Q&A Q27)。
工場などの現場の仕事もできますか
条文には、技術・人文知識・国際業務のような業務の種類の限定はなく、入管庁の資料では育成就労産業分野以外の分野の業務にも従事できるとされています。国会では入管庁が、いわゆるOJT方式で技能等を適正に修得させることを担保できる要件を設けたいと答弁しています。ただし、業務は修得する技能等に係るものである必要があり、どこまで認められるかは入管庁の案内を待つ必要があります。
いま企業単独型の技能実習で受け入れている海外子会社の社員は、どうなりますか
施行日の時点で技能実習を行っている人は、施行日以降も引き続き技能実習を行うことができます。施行日前に申請した技能実習計画で、2027年6月30日までに実習を始める経過措置もあります(技能実習の経過措置)。施行日以降に新しく受け入れる場合は、企業内転勤2号(常勤20人以上・5%まで、転勤元で継続1年以上など)か、単独型育成就労(育成就労産業分野に限る、計画の認定、外国の法人で1年以上の在職歴)の基準に合うかを検討することになります。取引先の社員は監理型育成就労です。
まとめ
- 2027年4月1日から、企業内転勤が1号・2号に分かれ、2号が新しくできる。いまの企業内転勤の人は1号とみなされる
- 2号は、海外の支店・子会社などの職員が、技能等を修得するために転勤して講習を受け、業務に従事する在留資格
- 会社は常勤20人以上、2号の外国人は常勤の5%(20分の1)まで
- 本人は転勤元で継続1年以上の勤務、報酬は日本人と同等額以上
- 在留期間は1年以内、2号での在留は通算1年まで。家族滞在の対象外
- 育成就労計画の認定は不要。取引先の社員は2号の対象外で、育成就労なら監理型
- 施行日前でも認定証明書を交付できる規定はあるが、入管庁の受付の案内はまだ
本記事は確認日時点で改正後の入管法・法務省令と入管庁が公表している資料の整理です。受付が始まったら、入管庁の案内に合わせて更新します。
この記事の根拠
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(令和6年法律第60号による改正。2027年4月1日施行。第2条の2・別表第一の二・別表第一の四、附則第3条・第7条)
https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 出入国在留管理庁「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律」(令和6年法律第60号)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001421616.pdf - e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」(令和7年法務省令第45号による改正。2027年4月1日施行)
https://laws.e-gov.go.jp/law/402M50000010016 - 出入国在留管理庁「出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の企業内転勤の項の下欄第二号に規定する公私の機関の基準を定める省令」(令和7年法務省令第46号)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001447611.pdf - 出入国在留管理庁「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う法務省令の整備及び経過措置に関する省令」(令和7年法務省令第45号)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001447609.pdf - e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法施行規則」(令和7年法務省令第45号による改正。別表第二・別表第三)
https://laws.e-gov.go.jp/law/356M50000010054 - 出入国在留管理庁「育成就労制度の関係省令等について(概略図)」
https://www.moj.go.jp/isa/content/001451331.pdf - 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(Q27)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/ikusei_qa_00002.html - 出入国在留管理庁「改正法の概要(育成就労制度の創設等)」
https://www.moj.go.jp/isa/content/001464452.pdf - 国会会議録検索システム「第213回国会 参議院 法務委員会 第14号」(2024年5月28日、丸山秀治 出入国在留管理庁次長の答弁)
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121315206X01420240528/162 - e-Govパブリック・コメント(意見募集の結果。企業内転勤の項の御意見に対する考え方)
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000300223 - 出入国在留管理庁「在留資格『企業内転勤』」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/intracompanytransfee.html