在留資格「技術・人文知識・国際業務」
技人国の更新で足をすくわれる「届出」──転職したときに14日以内でやること
公開 2026.08.06 / 最終確認 2026.09.17
- 根拠
- 出入国管理及び難民認定法第19条の16(所属機関等に関する届出)ほか
- 対象
- 中長期在留者(就労資格で在留している方)
- 期限
- 事由が生じた日から14日以内
- 確認日
- 2026年8月6日時点
在留期間の更新は、良い材料を積み上げて勝ち取るものというより、問題がないことを確認される手続に近い性質があります。実務では「減点方式」と呼ばれることもあります。仕事の内容も学歴も要件を満たしているのに、更新のときになって説明を求められることがあります。その原因になりやすいのが、届出の漏れです。
転職も引越しも、それ自体は何の問題もありません。問題になるのは、届け出ていないことのほうです。
転職したら、届出は2つ発生する
就労資格で在留している中長期在留者は、勤務先との契約に動きがあったときに、出入国在留管理庁への届出義務があります。転職の場合、前の勤務先との契約が終了したことと、新しい勤務先と契約したこと、この両方が届出の対象です。片方だけで足りると誤解されやすいところです。
届出の対象になる事由は、おおむね次のとおりです。
- 契約機関(勤務先)との契約が終了したとき
- 新たな契約を締結したとき
- 契約機関の名称や所在地が変わったとき、あるいは消滅したとき
手続の根拠は入管法第19条の16第2号で、届出を行うのは中長期在留者本人です(勤務先が行うものではありません)。いずれも、事由が生じた日から14日以内に届け出ます。窓口へ持参するほか、郵送やインターネットでの届出も可能です。
使う様式
入管庁は、事由ごとに届出書の参考様式を用意しています。
| 場面 | 様式 |
|---|---|
| 契約が終了した | 届出書参考様式1の4 |
| 新たな契約を締結した | 届出書参考様式1の5 |
| 転職(終了と締結を同時に届け出る) | 届出書参考様式1の7 |
| 名称変更・所在地変更・消滅 | 届出書参考様式1の1 |
転職なら、1枚で済みます。入管庁は、契約の終了(1の4)と新たな契約の締結(1の5)を同時に行う場合、様式1の7を利用すると便利としています。2通に分けて出す必要はありません。なお電子届出システムを利用する場合、これらの参考様式は必要ありません。
提出の方法
入管庁はインターネットによる届出が便利としており、電子届出システムなら24時間365日、届出の履歴や処理状況も確認できます。初めて使う場合は利用者登録・利用申出が必要です。
郵送の場合は、届出書と在留カードの写しを同封し、封筒の表面に朱書きで「届出書在中」(又は「NOTIFICATION ENCLOSED」)と記載して、東京出入国在留管理局在留調査部門届出受付担当(〒160-0004 東京都新宿区四谷1-6-1 四谷タワー14階)へ送ります。
郵送には受付の連絡がありません。入管庁は、郵送で届出を行った場合、届出を受け付けた旨の連絡等はしていないとして、配達状況の記録が残る・追跡確認できる方法での発送を勧めています。届出をした証跡を自分で残しておくことになります。
なお、届出事項を証する資料の提出は必要ありません。雇用契約書などを添える必要はない、という意味です。
あわせて、引越しをしたときは住居地の届出を、転居後14日以内に市区町村の窓口で行います。こちらは住民異動の届出と同じ場面で処理されるので、忘れにくい一方、在留カードの裏面に記載を受けるところまでが一連であることは意識しておいたほうがよいです。
放置した場合:届出をしなかったこと自体に罰則の定めがあります。さらに、住居地を届け出ないまま一定期間が経過した場合には、在留資格の取消しの対象になり得ます。更新のときに「なぜ届け出ていないのか」を説明する話にとどまらない、という点は押さえておくべきところです。
転職先の仕事が在留資格に合っているか
なお、転職後はじめての更新では、勤務先のカテゴリーによって提出書類が変わります。技人国の申請で最初に決まるのは「カテゴリー」で整理しました。
もうひとつ、転職で見落とされやすいのが業務内容です。技術・人文知識・国際業務(技人国)は、学歴や職歴と結びついた専門的な業務を行うことを前提とした在留資格です。前職では該当していても、新しい勤務先の仕事が単純作業に近い内容であれば、次の更新で判断が変わることがあります。
この不安を先に解消する方法として、就労資格証明書の交付申請があります。転職後の勤務先での活動が、いまの在留資格に該当するかどうかを、更新の前に確認してもらえる手続です。義務ではありませんが、在留期限まで間がある状態で転職した場合、次の更新まで数年待ってから「実は該当しませんでした」と判明するリスクを避けられます。企業側にとっても、採用した人材が働き続けられるかを早い段階で確かめられる意味があります。
更新に備えて残しておくもの
更新申請では、直近の在留状況を資料で示すことになります。日ごろから次のものを揃えておくと、申請時に慌てません。
- 住民税の課税証明書・納税証明書(未納があると、そこが論点になります)
- 在職証明書と、直近の給与に関する資料
- 転職している場合は、届出を行ったことがわかる控え
- 業務内容が具体的にわかるもの(担当業務の記載がある雇用契約書など)
とくに住民税は、給与から天引きされていない期間があると未納が生じやすく、本人が気づいていないこともあります。更新の直前ではなく、年に一度確認しておくくらいがちょうどよいです。
納税の状況は、将来の永住許可申請でも見られます。過去の払い方まで問われる方向で改定案が出ているので、永住許可の基準はどう変わるのかもあわせてご覧ください。
ご家族が家族滞在で在留していてアルバイトをしている場合は、資格外活動許可の範囲にも注意が必要です。家族滞在で働くときの資格外活動許可で整理しています。
届出とは別に、更新申請の手数料が2026年10月1日から変わります。在留手続の手数料改定もあわせてご確認ください。
なお、2026年6月14日から新様式の在留カードの交付が始まっており、券面の記載事項が変わっています。在留カードの新様式で整理しています。
まとめ
- 転職では「契約の終了」と「新たな契約の締結」の両方を、14日以内に届け出る
- 引越しは転居後14日以内に市区町村へ届け出る
- 届出を怠ると、罰則のほか、在留資格の取消しにつながる場合がある
- 転職先の業務内容に不安があるときは、就労資格証明書で先に確認できる
- 住民税の納付状況は、更新の直前ではなく平時に確認しておく
本記事は確認日時点の一般的な整理です。個別の事案では、過去の在留状況や勤務先の規模区分によって必要書類や見られ方が変わります。ご不安な点があれば、状況を伺ったうえでお答えします。
届出のほかに就労資格証明書や在留資格変更が必要になる場面は、技人国で転職したら何をするかで切り分けを整理しています。
この記事の根拠
- 出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」(様式・提出方法)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri10_00015.html - 出入国在留管理庁「所属機関等に関する届出」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-8.html - 出入国在留管理庁「就労資格証明書交付申請」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-6.html