TNG横浜国際行政書士オフィス在留資格の実務メモ

在留資格「特定技能」

特定技能の受入れ上限(分野別)──外食は新規停止、介護・飲食料品製造業・建設は充足率6〜7割(2026年6月末)

根拠
出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年6月末時点・速報値)」/同「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」
全体
受入れ見込数805,700人/在留者数425,961人(充足率52.9%)
外食業
2026年4月13日以降、認定証明書は不交付・変更は原則不許可(更新・外食業内の転職は通常どおり)
確認日
2026年10月1日時点

特定技能1号は、分野ごとに受入れ見込数が決められていて、これが受入れの上限として運用されています。2026年4月には、外食業分野で初めて、上限に近づいたことを理由に新規の受入れが止まりました。

この記事では、入管庁が公表している分野別の在留者数(2026年6月末・速報値)と、上限に近づいたときに何が起きるのかを、外食業の例で整理します。

分野別の充足率(2026年6月末・速報値)

受入れ見込数は、令和8年1月23日の閣議決定で定められた令和11年3月までの数です。全体では受入れ見込数805,700人に対して在留者数425,961人、充足率は52.9%です。

分野受入れ見込数在留者数充足率残り(見込数−在留者数)1年間の増加数
外食業50,00049,06098.1%94013,289
飲食料品製造業133,500100,76975.5%32,73116,698
建設76,00052,13268.6%23,8688,533
介護126,90079,88463.0%47,01624,968
農業73,30044,05060.1%29,2509,115
航空4,9002,80357.2%2,097985
自動車整備9,4005,23555.7%4,1651,488
造船・舶用工業23,40011,64149.7%11,759996
漁業14,8004,91233.2%9,8881,070
ビルクリーニング32,20010,17131.6%22,0292,753
工業製品製造業199,50062,03331.1%137,46710,970
宿泊14,8002,55617.3%12,2441,291
自動車運送業22,1005582.5%21,542548
鉄道2,900642.2%2,83643
林業900192.1%88119
木材産業4,500741.6%4,42672
リネンサプライ/物流倉庫/資源循環4,300/11,400/900――――

「1年間の増加数」は、2025年6月末と2026年6月末の在留者数の差です。「残り」は受入れ見込数から在留者数を引いた単純な差で、当事務所で計算したものです。リネンサプライ・物流倉庫・資源循環は2026年1月に追加された分野で、在留者数は示されていません。

充足率が6割を超える分野が5つあります。外食業(98.1%)、飲食料品製造業(75.5%)、建設(68.6%)、介護(63.0%)、農業(60.1%)です。介護は1年間で約2万5千人増えていて、増え方がいちばん大きい分野です。

上限に近づくと何が起きるか──外食業の例

入管庁は2026年3月27日、外食業分野の特定技能1号の在留者数が2月末で約4万6千人(速報値)となり、5月頃に受入れ見込数(5万人)を超えることが見込まれるとして、次の対応を公表しました。根拠は、在留者数が受入れ見込数を超えることが見込まれる場合に在留資格認定証明書の交付を一時的に停止できるとする、入管法第7条の2第3項及び第4項です。

申請2026年4月13日以降に受理した申請の扱い
在留資格認定証明書(海外から呼ぶ)不交付
外食業の特定技能1号への変更(他の在留資格から)原則として不許可。ただし、外食業で特定技能1号として在留する人の転職等に伴う申請は通常どおり審査。技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)の修了者などは、受入れ見込数の範囲内で順次許可
特定活動(特定技能1号移行準備)への変更原則として不許可(外食業の特定技能1号の転職等、医療・福祉施設給食製造作業の技能実習修了者などは通常どおり審査)
在留期間の更新通常どおり審査

止まるのは「新しく外食業に入ってくる人」です。すでに外食業の特定技能1号で働いている人の更新や、外食業の中での転職は通常どおり審査されます。4月13日より前に受理された申請も、受入れ見込数の範囲内で順次処理されるとされていますが、状況によっては特定技能1号ではなく特定活動(移行準備)を案内する場合があるとされています。

受入れ企業が確認しておくこと

  • 自社の分野の充足率と1年間の増加数(入管庁は分野別の数字を定期的に公表しています)
  • これから受け入れる予定があるなら、協議会への加入や雇用条件書などの準備を早めに進める(協議会への加入、雇用条件書)
  • すでに受け入れている人は、更新の時期と、受入れ企業の届出を漏れなく(特定技能の更新、届出は誰が出すのか)
  • 新しく追加された物流倉庫分野は、試験と協議会がまだ決まっていません(物流倉庫分野の概要)

まとめ

  • 特定技能1号には分野ごとの受入れ見込数があり、上限として運用されている(令和11年3月までの数)
  • 2026年6月末時点で、外食業98.1%、飲食料品製造業75.5%、建設68.6%、介護63.0%、農業60.1%
  • 外食業は2026年4月13日以降、海外からの認定証明書は不交付、他の在留資格からの変更は原則不許可。更新と外食業内の転職は通常どおり
  • 上限に近い分野ほど、受入れの準備は早めに

本記事の数字は、確認日時点で入管庁が公表している2026年6月末時点の速報値です。入管庁は分野別の数字を定期的に更新しています。自社の分野で今から受入れが間に合うか、準備の順番をどうするかは、状況を伺ったうえでお答えします。

この記事の根拠

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