特定技能
特定技能「介護」分野──受け入れる事業所の要件(訪問介護の条件・協議会など)
公開 2026.10.14 / 最終確認 2026.10.12
- 根拠
- 平成31年厚生労働省告示第66号(介護分野の基準。令和7年厚生労働省告示第147号で訪問系サービスの条件を追加)、介護分野の分野別運用方針(2026年1月23日閣議決定)、運用要領
- 業務区分
- 介護の1区分(2号はなし)
- 1号の受入れ見込数
- 126,900人(2029年3月まで)
- 確認日
- 2026年10月12日時点
この記事の要点
- 業務区分は介護の1つ。身体介護等と付随する支援業務に従事する。2号はない(在留資格「介護」があるため)
- 受け入れられるのは、介護福祉士国家試験の実務経験の対象施設などの「介護等の業務」を行う事業所。1号特定技能外国人は事業所ごとに日本人等の常勤の介護職員の総数まで
- 訪問介護など訪問系サービスは、2025年4月21日から、初任者研修課程等の修了と実務経験(原則1年以上)がある人を、事業所が研修・同行訪問・キャリアアップ計画・ハラスメント対策・ICTなどを守り、外国人ごとに適合確認書を受けて従事させられる
特定技能「介護」で外国人を受け入れる事業所は、特定技能の全分野に共通する基準に加えて、介護等の業務を行う事業所であること、1号特定技能外国人の数を事業所ごとに日本人等の常勤の介護職員の総数までにすること、在留の申請の前に厚生労働省の協議会に加入することなど、介護分野だけの要件を満たす必要があります。訪問介護など訪問系サービスにも、2025年4月21日から、介護職員初任者研修課程等を修了し実務経験が原則1年以上ある人を、事業所が研修や同行訪問などを守ることを条件に従事させられるようになりました。
この記事では、厚生労働省の告示・通知・Q&Aと、出入国在留管理庁(入管庁)の分野別運用方針・運用要領をもとに、業務区分、受け入れられる事業所、事業所の要件、訪問系サービスの条件、協議会への加入、外国人に求められる試験、在留資格「介護」への道、受入れまでの流れ、受入れ見込数、2027年4月からの育成就労との関係を整理します。
業務区分は「介護」の1つ(身体介護等と、付随する支援業務)
介護分野の業務区分は介護の1つです。従事するのは、利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助などの身体介護等と、これに付随するレクリエーションの実施や機能訓練の補助などの支援業務です(入管庁の介護分野のページ、運用要領)。
日本人が通常あわせて行う関連業務(掲示物の管理、物品の補充や管理など)に付随して従事するのは差し支えありませんが、運用要領は「専ら関連業務に従事することは認められません」としています。ほかの分野の業務区分は特定技能の分野一覧で整理しています。
受け入れられる事業所(介護福祉士国家試験の実務経験の対象施設)
告示は、受け入れる事業所が「介護等の業務を行うものであること」を求めています(平成31年厚生労働省告示第66号第2条第1号)。厚生労働省の通知は、この「介護等の業務」を、社会福祉士及び介護福祉士法第40条第2項第5号の「介護等の業務」で、介護福祉士試験の受験資格の認定で「介護等の業務」に従事したと認められるもののうち、技能実習制度と同じ基準に示すものとしています。
厚生労働省の「介護分野の1号特定技能外国人を受け入れる対象施設について」は、対象を「介護福祉士国家試験の受験資格要件において「介護等の業務」の実務経験として認める施設のうち、技能実習の対象になるものであって、現行制度において存在するもの」として一覧にしています。主な区分は次のとおりです。
| 区分 | 主な施設・事業(一覧の表記から抜粋) |
|---|---|
| 老人福祉法・介護保険法関係 | 特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設など)、介護老人保健施設、介護医療院、指定通所介護、指定短期入所生活介護、指定認知症対応型共同生活介護、養護老人ホーム・軽費老人ホーム・有料老人ホーム(注記の条件つき)、サービス付き高齢者向け住宅(有料老人ホームとしての要件を満たすものだけ)、指定小規模多機能型居宅介護(訪問系サービスに従事することは除く)など |
| 訪問系のサービス | 指定訪問介護、指定夜間対応型訪問介護、指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護、第1号訪問事業、指定訪問入浴介護など(従事させる条件は次の節) |
| 障害者総合支援法関係 | 障害者支援施設、生活介護、短期入所、共同生活援助(グループホーム。外部サービス利用型を除く)、居宅介護、重度訪問介護など |
| 児童福祉法関係 | 障害児入所施設、児童発達支援、放課後等デイサービスなど |
| 病院・診療所 | 病院、診療所 |
| そのほか | 救護施設・更生施設(生活保護法関係)、ハンセン病療養所など |
区分は一覧の見出しをもとに記事で整理したものです。訪問系の行の施設・事業は、一覧では老人福祉法・介護保険法関係に含まれます。
病院・診療所で看護補助者として働く場合について、厚生労働省の通知は、診療報酬上の看護補助者の配置基準で1号特定技能外国人を員数に含めて算定しても差し支えないとしています。自社の事業所が対象に入るかは、一覧の施設・事業の名前と注記で確かめます。
受け入れる事業所の要件
介護分野の要件は、厚生労働省の告示(平成31年厚生労働省告示第66号)で定められています。2025年4月21日の改正(令和7年厚生労働省告示第147号)で、訪問系サービスの条件が加わりました。今の主な要件は次のとおりです。
| 要件 | 中身(告示の要件を要約) |
|---|---|
| 事業所 | 介護等の業務を行う事業所であること(告示第2条第1号) |
| 訪問系サービス | 利用者の居宅でサービスを提供する業務に従事させるときは、実務経験等がある人だけを従事させ、利用者等に説明し、講習・同行による訓練・キャリアアップ計画・ハラスメント対策・緊急時の連絡体制の整備などを行うこと(第2条第2号) |
| 人数の上限 | 1号特定技能外国人の数が、事業所の日本人等の常勤の介護職員の総数を超えないこと(第2条第3号) |
| 協議会 | 厚生労働大臣が設置する協議会の構成員であること。協議会で協議が調った事項に関する措置を講じ、協議会に必要な協力を行うこと(第2条第4号〜第6号) |
| 調査・指導への協力 | 厚生労働大臣又はその委託を受けた者が行う調査、指導、情報の収集、意見の聴取などに必要な協力を行うこと(第2条第7号) |
| 雇用の形 | 特定技能雇用契約で、労働者派遣の対象としないことを定めること(第1条)。分野別運用方針も直接雇用に限っている |
このほか、全分野に共通する雇用契約の基準と、1号の支援(自社で行うか登録支援機関に委託するか)も満たす必要があります。雇用契約の書き方は特定技能の雇用契約書・雇用条件書、支援の委託先は登録支援機関とはで整理しています。
人数の上限の数え方
上限は事業所単位で、1号特定技能外国人の数が、その事業所の日本人等の常勤の介護職員の総数を超えないこととされています。告示の「日本人等」には、日本人のほか、在留資格「介護」の人、経済連携協定(EPA)にもとづき介護福祉士として従事する活動を指定された特定活動の人、入管法別表第二の在留資格(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)の人、特別永住者が含まれます。運用要領は、技能実習生、EPA介護福祉士候補者、留学生は含まれないとしています。
ここでいう介護職員は「介護等を主たる業務として行う常勤職員」で、介護施設の事務職員、就労支援を行う職員、看護業務を行う看護師・准看護師は含まれません。診療報酬上の看護補助者と、その看護補助者の指導を同一病棟で行っている看護師・准看護師は含まれます(運用要領)。例えば、ある事業所の日本人等の常勤の介護職員が5人なら、その事業所で受け入れられる1号特定技能外国人は5人までです。
人員配置基準での扱い
厚生労働省の通知(2025年4月21日の一部改正後)は、介護報酬・障害福祉サービス等報酬上の配置基準で、介護分野の1号特定技能外国人を「就労と同時に職員等とみなす取扱いとしても差し支えないものであること」としています。ただし、一定期間、ほかの一定の経験のある職員とチームでケアに当たるなど、受入施設での順応をサポートし、ケアの安全性を確保するための体制をとることが求められます。
訪問介護など訪問系サービスで働ける条件(2025年4月21日から)
2025年4月21日の告示の改正で、1号特定技能外国人を、利用者の居宅でサービスを提供する介護等の業務(訪問系サービス)に従事させられるようになりました。それまでの告示は、受け入れる事業所の業務から「利用者の居宅においてサービスを提供する業務」を除いていました。具体的な留意点は、厚生労働省の通知「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」(2025年3月31日 社援発0331第40号・老発0331第12号)とそのQ&Aにまとめられています。
対象のサービスと、本人の条件
- 対象のサービス:訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、介護予防・日常生活支援総合事業(第一号訪問事業に限る)。障害福祉サービスの居宅介護・重度訪問介護などは、別の通知によります
- 研修:日本人と同じく、介護職員初任者研修課程等を修了していること。生活援助従事者研修課程だけの修了では対象になりません
- 実務経験:介護事業所等での実務経験が原則1年以上あること。Q&Aは、対象施設の一覧(別紙2)の施設等で介護等の業務に従事していた期間とし、障害福祉サービス事業所や病院・診療所で介護業務に従事した経験も含まれるとしています。雇用契約書や労働条件通知書で確かめることが考えられるとされています
実務経験が1年未満の人を事業所の判断で従事させるときは、日本語能力を在留資格で求められる水準より高い水準(例:日本語能力試験N2相当)に限り、利用者ごとに同行訪問を行います。期間は、週1回の利用者は半年(利用者・家族の同意を得て、見守りカメラなどのICTで常に事業所とやり取りできる体制にすれば3か月)、週2回の利用者は3か月、週3回以上の利用者は2か月です。2か月を下回る短縮は認められません(通知)。
訪問入浴介護・介護予防訪問入浴介護は、複数人で提供することなどから、初任者研修の修了は必ずしも求められず、職場内で入浴等の研修を受けることとされています。Q&Aは、訪問入浴介護では事業所の遵守事項は求めず、事前の届出も要らないとしています。小規模多機能型居宅介護の「訪問」への従事は認められていません(「通い」と「泊まり」には従事できます。Q&A)。
受け入れる事業所が守ること
| 項目 | 中身(告示・通知・Q&Aを要約) |
|---|---|
| 研修 | 訪問系サービスの基本事項、生活支援技術、利用者・家族・近隣とのコミュニケーション(傾聴・受容・共感を含む)、日本の生活様式などの研修を行う。緊急時の連絡方法と連絡先も前もって確かめる |
| 同行訪問(OJT) | 最初から一人で訪問させず、一定期間、サービス提供責任者や先輩職員が同行する。回数・期間・同行者は、利用者の状態や周辺環境、本人のコミュニケーション能力や介護技術を踏まえて管理者等が判断する |
| キャリアアップ計画 | 業務の内容と注意事項を丁寧に説明して本人の意向を確かめ、本人と共同でキャリアアップ計画を作り、本人と共有する(本人と事業者の両方の署名が要る) |
| ハラスメント対策 | 対応マニュアルの作成・共有、管理者の役割の明確化、発生したときのルールづくり、利用者・家族への周知と、相談窓口の設置・周知。セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、カスタマーハラスメントが対象 |
| ICTと緊急時の体制 | 緊急時の連絡先と対応の流れのマニュアル、緊急時を想定した研修、ほかの職員が駆け付けられる体制、サービス提供記録や申し送りを職員で共有する仕組み。コミュニケーションアプリ、見守りカメラ、記録ソフト、インカムなどの活用が例示されている |
| 利用者・家族への説明 | 外国人介護人材が訪問する場合があること、実務経験等の要件を満たしていること、ICT機器を使うことがあること、不安があるときの事業所の連絡先を、書面を渡して説明し、署名を求める(様式は通知の別添) |
| 訪問先の選び方 | 利用者の状態や周辺環境、利用者・家族の意向、本人の能力・意向を踏まえてサービス提供責任者等が総合的に判断し、判断の過程を記録に残す |
適合確認書と巡回訪問
事業所は、これらを守る体制と計画があることを示す書類(訪問系サービスの要件に係る報告書(事業所ごと)とキャリアアップ計画(外国人ごと))を前もって出し、すべて確認できた事業所は、従事させる外国人ごとに「適合確認書」の交付を受けます(通知・Q&A)。特定技能の受入れ事業者は、協議会申請システムで手続きをします(Q&A)。協議会の入会規程は、新しく入会する事業者は入会の申請と同時に、すでに構成員の事業者は新たに受け入れる前に書類を出すとし、確認書に有効期限はないとしています。
適合確認書を受けた後は、評価期間(1年)ごとに次の期間のキャリアアップ計画を作り、前の評価期間の終わりから4か月以内に巡回訪問等実施機関に出します(厚生労働省のページ。特定技能では、入会規程第7条で協議会の事務局に出すとされています)。巡回訪問等実施機関は、厚生労働省の補助事業(外国人介護人材受入・定着支援等事業)の実施団体で、巡回訪問で守られているかを確かめます。是正されないときは適合確認書が取り消され、協議会の脱退の手続きがとられます。脱退した法人は、脱退の日から5年間、介護分野の特定技能外国人を受け入れられません(通知・Q&A)。
Q&Aは、訪問系サービス以外で働いている特定技能外国人について、同じ法人の訪問系サービスの事業所への異動のほか、別の法人の事業所への転籍もできるとしています。同じ法人の中で訪問系サービスの事業所に移るときに、訪問系サービスの事業者が関係機関に出す書類は、別紙3にまとめられています。会社を変えるときの在留資格の手続きは特定技能の転職で整理しています。
介護分野の協議会への加入(在留諸申請の前に)
受け入れる法人は、地方出入国在留管理局への在留諸申請の前に、厚生労働省の協議会の構成員になり、受け入れる事業所の情報が登録された入会証明書の発行を受けます(厚生労働省のページ・運用要領)。2024年6月15日以降は、初めて受け入れる場合も、在留諸申請のときに協議会の構成員であることの証明書を出します(運用要領)。
入管庁の介護分野のページ(2025年4月21日現在)では協議会の名称は「介護分野における特定技能協議会」ですが、2026年8月28日に施行された設置要綱・入会規程で「介護分野における特定技能・育成就労協議会」になっています。入会規程の経過措置で、2027年5月31日までに特定技能所属機関として入会の承諾を受けた者などには「介護分野における特定技能協議会入会証明書」が交付されます。
- 申請:協議会申請システムで、法人の情報と受け入れる予定の事業所の情報を入れ、必要書類を出します。厚生労働省のページは、「事務局窓口での確認が完了後、通常2週間程度で入会証明書が発行される」としています
- 費用:入会費・年会費などの費用はかかりません(厚生労働省のページ)
- 有効期間:初回は1年、更新後は4年です(入会規程第5条は、受け入れた外国人の登録を一度もしていない構成員は、更新しても有効期間を1年としています)。有効期限の4か月前から更新できます
- 証明書に載った事業所だけ:事務局が確認した事業所が入会証明書に記載され、記載されていない事業所では受け入れられません。入会後に別の事業所で受け入れるとき(就労中の人の事業所の異動を含む)は、前もってその事業所の情報を申請します
- 受け入れた後:受け入れた日から4か月以内に、協議会申請システムで外国人の情報を登録します。出した内容が変わったら速やかに届け出ます
- 退会させられたとき:事務局の指導を受けても改善が認められないときなどは退会させられることがあり、退会の日から5年間は加入できません(入会規程)
「受入れ後4か月以内」だった前の扱いからの変わり方と、入会証明書の更新、事業所の異動の流れは特定技能の協議会加入で整理しています。
外国人に求められる試験と免除(1号)
| 区分 | 中身(厚生労働省のページ・運用要領) |
|---|---|
| 技能 | 介護技能評価試験(厚生労働省の実施要領の名称は「介護特定技能評価試験(技能)」)。CBT方式で、学科40問・実技5問の計45問、60分 |
| 日本語 | 介護日本語評価試験(実施要領の名称は「介護特定技能評価試験(日本語)」。15問・30分)と、国際交流基金日本語基礎テストか日本語能力試験(N4以上)の両方 |
| 介護職種の技能実習2号を良好に修了した人 | 技能の試験と、日本語の試験(介護日本語評価試験を含む)が免除 |
| 介護職種以外の技能実習2号を良好に修了した人 | 国際交流基金日本語基礎テストと日本語能力試験は免除。介護日本語評価試験は免除されない |
| 介護福祉士養成施設を修了した人 | 技能と日本語の試験が免除 |
| EPA介護福祉士候補者として4年間の在留期間を満了した人 | 技能と日本語の試験が免除。3年10か月以上の就労・研修を終えた後の直近の介護福祉士国家試験の結果通知書で、合格基準点の5割以上の得点があり、すべての試験科目群で得点があることを確かめる |
厚生労働省のページでは、2026年4月1日から適用の合格基準は、技能の試験が総得点の60%以上、日本語の試験が総得点の73%以上です。試験は原則として毎月、日本国内と海外の対象国で行われます。受験できるのは17歳以上(インドネシア国籍の人は18歳以上)で、国内で受けるときは在留資格を持っていることなどが条件です。厚生労働省は、試験に合格しても在留資格が保証されるわけではないとしています。「良好に修了」の条件と評価調書は技能実習から特定技能1号へで整理しています。
2号はない(介護福祉士を取って在留資格「介護」へ)
入管庁は、介護分野は専門的・技術的分野の在留資格「介護」があるため、特定技能2号の対象分野としていないとしています。介護分野の1号特定技能外国人は、通算の在留期間が5年に達すると「特定技能1号」で在留できなくなります(厚生労働省)。5年を超えて介護の仕事を続けてもらう主な道は、本人が介護福祉士の国家試験に合格し、在留資格「介護」に変更することです(パート合格による最長1年の延長は下の段落)。
在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を持つ人が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動で、在留期間は5年・3年・1年・3月です。2020年4月1日の省令の改正で、介護福祉士の資格を取ったルートにかかわらず在留資格「介護」が認められるようになりました。変更の申請では、介護福祉士登録証の写しを出します(入管庁の在留資格「介護」のページ)。
2026年に実施された第38回の介護福祉士国家試験から、通算5年の終わる直前の国家試験で全パートを受験し、1パート以上に合格し、合格基準点の8割以上の得点があるなどの条件を満たす人は、最長1年間、在留期間を延ばせるようになっています。所属機関が本人と学習計画を作って厚生労働省に出し、本人は翌年度の試験を受けることを誓約します。厚生労働省の確認の結果をもとに入管に在留期間の更新を申請し、延長中に合格したら速やかに在留資格「介護」への変更を申請し、不合格なら帰国するとされています(厚生労働省)。
受入れまでの流れ
- 事業所が対象か確かめる:対象施設の一覧で受け入れる事業所の施設・事業を確かめ、日本人等の常勤の介護職員の数から受け入れられる人数を数えます。
- 受け入れる人を決める:介護の技能・日本語の試験と国際交流基金日本語基礎テスト等の合格、または技能実習2号・介護福祉士養成施設・EPAによる免除を確かめます。訪問系サービスに従事させるなら、初任者研修課程等の修了と実務経験も確かめます。
- 雇用契約を結ぶ:直接雇用で、全分野共通の基準に沿った雇用契約と、1号特定技能外国人支援計画を作ります。
- 協議会に加入する:協議会申請システムで入会を申請し、受け入れる事業所が載った入会証明書を受け取ります。訪問介護などの訪問系サービス(訪問入浴介護を除く)に従事させるときは、従事させる前に訪問系の書類を出して適合確認書を受けます。
- 入管に申請する:海外から呼ぶときは在留資格認定証明書の交付申請、日本にいる人は在留資格の変更の申請です。分野の書類として、「介護分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書」(分野参考様式第1-1号)と入会証明書の写しを出します。全体の書類の組み合わせは特定技能の必要書類で整理しています。
- 受け入れた後:受け入れた日から4か月以内に協議会に外国人の情報を登録し、1号の支援と入管への随時届出・定期届出をします(特定技能の随時届出と定期届出)。受入れ後に働く事業所が変わるときは、特定技能雇用契約変更の届出に事業所の概要書(分野参考様式第1-2号)を添えます(運用要領。特定技能の雇用契約を変えたときの届出)。
介護分野の受入れでそろえる書類と進める順番は、受け入れる事業所が施設系か訪問系か、日本人等の常勤の介護職員が何人いるか、受け入れたい人が試験に合格しているか、介護の技能実習2号や介護福祉士養成施設を修了しているか、海外にいるか日本にいるかによって変わります。
協議会への加入と入管への申請をどの順番で進めるかは、事業所の状況を伺ったうえでご案内します。まずは初回無料のご相談で、受け入れたい事業所のサービスの種類と、受け入れたい人の試験・研修の経歴をお聞かせください。
ご相談から依頼までの流れ(その場で契約をお願いすることはありません)
受入れ見込数と在留者数
2026年1月23日に閣議決定された分野別運用方針では、介護分野の1号の受入れ見込数は、2024年度から5年間で126,900人です。これを2028年度末(2029年3月)までの受入れの上限として運用します。2027年度から2年間の育成就労外国人の見込数は33,800人です。
入管庁の速報値では、2026年7月末の介護分野の1号の在留者数は81,436人、受入れ見込数に対する割合は64.2%、1年間の増加数は24,402人です。入管庁の「介護分野」のページ(2025年4月21日現在)には、前の受入れ見込数(5年間の最大値135,000人)が残っています(確認日時点)。受入れ見込数を超えることが見込まれるときに認定証明書の交付が止まった例は、特定技能の受入れ上限(分野別)で外食業の例として整理しています。
2027年4月から(育成就労が始まる)
2027年4月1日に育成就労制度が始まり、介護分野は育成就労産業分野にもなります。厚生労働省は、介護分野の育成就労制度のページを「令和9年4月1日施行予定」として準備中としています。分野別運用方針の主な点は次のとおりです。
- 業務区分:特定技能と同じ介護です。
- 日本語:育成就労を始めるまでに「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上。1年経過時までに介護育成就労評価試験(初級)とA2.2相当以上、育成就労を終えるまでに介護育成就労評価試験(専門級)、A2.2相当以上、介護特定技能評価試験(日本語)が求められます。
- 転籍:本人の意向による転籍を制限する期間は2年です。
- 人数:育成就労外国人も、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数が上限で、指導体制を確保できる人数にします。
- 1号の技能水準:「介護特定技能評価試験(技能)相当以上の水準と認められるもの(介護育成就労評価試験(専門級)を含む。)」とされ、日本語は「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上と介護特定技能評価試験(日本語)です(今の試験の組み合わせから切り替わる時期は、分野別運用方針には書かれていません)。
協議会も、2026年8月28日に施行された設置要綱で、育成就労実施者を構成員に含む「介護分野における特定技能・育成就労協議会」になっています。今いる技能実習生をどう進めるかは技能実習生は2027年4月以降どうなるか、育成就労の全体は育成就労とはで整理しています。
よくある質問
訪問介護の事業所でも受け入れられますか
受け入れられます。2025年4月21日から、介護職員初任者研修課程等を修了し、介護事業所等での実務経験が原則1年以上ある人を、事業所が研修・同行訪問・キャリアアップ計画・ハラスメント対策・ICTを含む緊急時の体制などを守り、外国人ごとに適合確認書の交付を受けたうえで従事させられます。
人員配置基準に入れられますか
入れられます。厚生労働省の通知は、介護報酬・障害福祉サービス等報酬上の配置基準で、介護分野の1号特定技能外国人を「就労と同時に職員等とみなす取扱いとしても差し支えない」としています。一定期間、経験のある職員とチームでケアに当たるなどの体制が求められます。
協議会への加入に費用はかかりますか
かかりません。厚生労働省のページは、入会費、年会費などの費用は徴収しないとしています。
派遣で受け入れられますか
受け入れられません。告示は特定技能雇用契約で労働者派遣の対象としないことを求めていて、分野別運用方針も直接雇用に限っています。
介護福祉士の資格がない人でも受け入れられますか
受け入れられます。1号は、介護の技能・日本語の試験と国際交流基金日本語基礎テスト等の合格(または技能実習2号・介護福祉士養成施設・EPAによる免除)で足ります。介護福祉士の資格を取ると、在留資格「介護」に変更する道があります。
まとめ
- 業務区分は介護の1つ。身体介護等と付随する支援業務に従事する。2号はない(在留資格「介護」があるため)
- 受け入れられるのは、介護福祉士国家試験の実務経験の対象施設などの「介護等の業務」を行う事業所。1号特定技能外国人は事業所ごとに日本人等の常勤の介護職員の総数まで
- 訪問介護など訪問系サービスは、2025年4月21日から、初任者研修課程等の修了と実務経験(原則1年以上)がある人を、事業所が研修・同行訪問・キャリアアップ計画・ハラスメント対策・ICTなどを守り、外国人ごとに適合確認書を受けて従事させられる
- 協議会には在留諸申請の前に加入する。費用はかからず、入会証明書の有効期間は初回1年・更新後4年
- 1号は介護の技能・日本語の試験と日本語基礎テスト等(介護の技能実習2号・養成施設・EPAで免除)。人員配置基準では就労と同時に職員等とみなしてよい
- 1号の受入れ見込数は126,900人、2026年7月末の在留者数は81,436人(速報値)
本記事は確認日時点で厚生労働省と入管庁が公表している内容の整理で、個別の受入れの可否や審査の結果を保証するものではありません。訪問介護などの訪問系サービス(訪問入浴介護・介護予防訪問入浴介護を除く)に従事させられるのは、適合確認書の交付を受けてからです。協議会への加入と入管への申請の進め方は、事業所のサービスの種類と受け入れる人の経歴によって変わります。状況を伺ったうえでお答えします。
この記事の根拠
- 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117702.html - 厚生労働省「介護分野の1号特定技能外国人を受け入れる対象施設について」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/001742020.pdf - 厚生労働省「介護分野について特定の産業上の分野に特有の事情に鑑みて当該分野を所管する関係行政機関の長が定める基準」(平成31年厚生労働省告示第66号)(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/001478476.pdf - 厚生労働省「「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令及び特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の規定に基づき介護分野について特定の産業上の分野に特有の事情に鑑みて当該分野を所管する関係行政機関の長が定める基準」について」の一部改正について(2025年4月21日 社援発0421第1号ほか)(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/001478482.pdf - 厚生労働省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -介護分野の基準について-」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/001478721.pdf - 厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56271.html - 厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」(2025年3月31日 社援発0331第40号・老発0331第12号)(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001470180.pdf - 厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について(令和7年3月31日付け社援発0331第40号、老発0331第12号)に関するQ&A」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001470209.pdf - 厚生労働省「介護分野における特定技能・育成就労協議会設置要綱」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/001743382.pdf - 厚生労働省「介護分野における特定技能・育成就労協議会入会規程」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/001743383.pdf - 厚生労働省「介護分野における特定技能協議会 手続きの流れ(概要)」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/001743548.pdf - 厚生労働省「「介護特定技能評価試験(技能)」試験実施要領」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/001706488.pdf - 厚生労働省「「介護特定技能評価試験(日本語)」試験実施要領」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/001706489.pdf - 厚生労働省「介護福祉士国家試験に合格できなかったEPA介護福祉士候補者の方へ」(具体的な要件等について)(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000507781.pdf - 厚生労働省「介護福祉士国家試験のパート合格(合格パートの受験免除)による介護分野で「特定技能1号」の在留資格をもって本邦に在留する外国人の通算在留期間の延長に関する措置について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/kaigo.tokuteiginou.extension - 厚生労働省「パート合格による介護分野の特定技能外国人の在留期間延長について」(概要)(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001638033.pdf - 厚生労働省「外国人介護人材の受入れについて」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28131.html - 出入国在留管理庁「介護分野」
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nursingcare.html - 出入国在留管理庁「特定技能制度の介護分野に特有の事情に鑑みて定める基準の改正について」
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/03_00131.html - 出入国在留管理庁「新旧対照表」(令和7年厚生労働省告示第147号)(PDF)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001437639.pdf - 出入国在留管理庁「介護分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(別紙1)(PDF)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001454688.pdf - 出入国在留管理庁「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針及び特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針について(令和8年1月23日閣議決定)」
https://www.moj.go.jp/isa/03_00170.html - 出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」(PDF)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001472175.pdf - 出入国在留管理庁「在留資格「介護」」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/nursingcare.html