在留資格「特定技能」
特定技能の雇用契約を変えたときの届出(参考様式第3-1-1号)──昇給は不要、減額・転勤・交代制は必要。Q&Aの具体例で整理
公開 2026.10.07 / 最終確認 2026.10.07
- 根拠
- 出入国在留管理庁「特定技能雇用契約の変更届出が不要となる場合の取扱いについて」/同「随時届出Q&A」(令和7年6月)
- 様式
- 特定技能雇用契約の変更に係る届出書 参考様式第3-1-1号
- 期限
- 変更の効力が生じた日から14日以内
- 確認日
- 2026年10月7日時点
この記事の要点
- 雇用契約を変えたら、効力が生じた日から14日以内に参考様式第3-1-1号で届出
- 基本賃金の増額、手当の追加、賞与の新設など本人に有利な変更は届出不要。減額・手当の廃止・昇給を「無」になど不利益な変更は必要
- 雇用契約期間の短縮(1日でも)、転勤、交代制勤務への変更、退職に関する事項の変更などは必要
特定技能外国人との雇用契約(特定技能雇用契約)を変えたとき、受入れ企業は変更の効力が生じた日から14日以内に、入管へ特定技能雇用契約の変更に係る届出書(参考様式第3-1-1号)を出します。ただし、昇給など本人に有利な賃金の変更は、届出が不要になりました。入管庁の取扱いの資料と随時届出のQ&A(令和7年6月)から、届出が要る変更・要らない変更を整理します。
本人に有利な賃金の変更は届出不要
入管庁は「特定技能雇用契約の変更届出が不要となる場合の取扱いについて」で、雇用条件の「賃金」の変更について、基本賃金の増額等、特定技能外国人にとって利益となる内容へと変更となった場合の届出を不要とするとしています。これまでは「賃金」欄に変更が生じれば、上げても下げても届出が必要でした。
不利益な変更は、従前どおり届出が必要です。入管庁は、「基本賃金を減額する」「諸手当を廃止する」「昇給を『有』から『無』に変更する」など、特定技能外国人にとって不利益となる変更は届出が必要としています。また、届出の有無にかかわらず、変更後の雇用条件書等は、特定技能外国人が在籍する事業所で保管するよう求めています。
賃金の変更:届出が要るか(Q&Aの具体例)
| 変更の内容 | 届出 | 根拠 |
|---|---|---|
| 基本賃金を上げた(例:時給1,045円→1,070円) | 不要 | 取扱い |
| 手当を追加した/賞与を新たに支給する | 不要 | 取扱い |
| 賃金の上昇に伴って法定控除額が変わった | 不要 | 取扱い |
| 雇用条件書のとおりに昇給した | 不要 | Q2-24 |
| 予定していた昇給がなくなった | 必要 | Q2-24 |
| 基本賃金を下げた/手当をなくした/昇給を「有」から「無」に | 必要 | 取扱い・Q2-27 |
| 日給制から月給制に変えた(支給額は増加) | 必要 | Q2-25 |
| 無償の昼食をやめ、代わりに食事手当を支給(賃金は増加) | 不要 | Q2-28 |
| 業績不振で賞与がなくなった(雇用条件書に「業績により支給しない場合がある」等と記載) | 不要 | Q2-34 |
| 業績不振で賞与がなくなった(支給額を定めていた) | 必要 | Q2-34 |
| 休業手当の割合を上げた | 不要 | Q2-31 |
| 労使協定に基づく控除を新たに設けた | 必要 | Q2-32 |
| 控除項目・控除額を減らした(ほかの支出増なし) | 不要 | Q2-33 |
| 賃金締切日・支払日を変えた(支払の間隔が1か月以上開く場合) | 必要 | Q2-29 |
賃金以外の変更:届出が要るか
| 変更の内容 | 届出 | 根拠 |
|---|---|---|
| 雇用契約期間を短くした(1日でも) | 必要 | Q2-11 |
| 雇用の開始が予定より遅れた(期間自体は短くならない) | 不要 | Q2-12 |
| 別の事業所に転勤/記載のない事業所でも掛け持ち | 必要 | Q2-14 |
| 部署が変わった(雇用条件書に部署まで指定していた) | 必要 | Q2-15 |
| 始業・終業時間を変えた(所定労働時間は同じ) | 不要 | Q2-22 |
| 固定の勤務から交代制勤務に変えた | 必要 | Q2-23 |
| 月単位から1年単位の変形労働時間制に変えた | 必要 | Q2-20 |
| うるう年で年間休日日数が変わった | 不要 | Q2-30 |
| 退職に関する事項(雇用条件書のⅧ)を変えた | 必要 | Q2-35 |
| 会社の名称・住所が変わった | 不要 | Q2-8 |
| 合併・分割で受入れ機関が変わった | 不要(在留資格変更許可申請が必要) | Q2-9 |
| 更新申請にあわせて基本給・手当を改正した | 必要 | Q2-6 |
「根拠」欄のQ番号は、入管庁の随時届出のQ&A(令和7年6月)の問いの番号です。Q&Aは、届出が必要な変更の具体例は運用要領の別表のとおりで、記載の例以外にも届出が必要になる場合があるとしています(Q2-1)。
更新申請で新しい雇用条件書を出しても、届出の代わりにはなりません。Q&Aは、在留期間更新許可申請を行うのは外国人本人なので、更新申請の書類をもって受入れ企業に課された届出義務が履行されたことにはならないとしています(Q2-6)。
会社の名称・住所が変わった場合は届出不要ですが、特定技能外国人本人から所属機関に関する届出(名称変更・所在地変更)を出す必要があるので、本人に提出を促すよう求められています(Q2-8)。
届出の出し方
- 期限:変更の効力が生じた日から14日以内。たとえば9月1日に「10月1日から賃金を変える」と合意したら、変更年月日は10月1日で、そこから14日以内(Q2-7)。入管に到達している必要があります(Q1-3)
- 添付:雇用条件書(参考様式第1-6号)の写し。変更箇所のみを記載し、本人が十分に理解できる言語で翻訳・説明したうえで、本人の署名があれば全頁は不要。同様の内容が担保されていれば、労働条件通知書などでも可(Q2-2)
- 届出書の「変更事項」欄は雇用条件書の項目に対応しているので、変わった項目すべてにチェック(Q2-10)
- 事業所を変えた場合:介護・ビルクリーニング・宿泊・外食業は新しい事業所の営業許可証の写し等、工業製品製造業は協議会の構成員であることを明らかにする書類も添付(Q2-16)
- 届出書の作成を任せられるのは行政書士又は弁護士(Q1-7)。電子届出も使えます(Q1-12)
この一覧は、出入国在留管理庁が公表している取扱いとQ&Aの整理です。Q&Aは、記載の例以外にも届出が必要になる場合があるとしています。変更の内容によっては、判断に迷うことがあります。
ご自身の場合に届出が要るかは、雇用条件書と変更の内容を拝見してご案内します。まずは初回無料のご相談で、今の状況をお聞かせください。
退職したときの届出は特定技能外国人が退職したときの届出、随時届出の全体は特定技能の随時届出と定期届出、雇用条件書の基準は特定技能の雇用契約書・雇用条件書で整理しています。
まとめ
- 雇用契約を変えたら、効力が生じた日から14日以内に参考様式第3-1-1号で届出
- 基本賃金の増額、手当の追加、賞与の新設など本人に有利な変更は届出不要。減額・手当の廃止・昇給を「無」になど不利益な変更は必要
- 雇用契約期間の短縮(1日でも)、転勤、交代制勤務への変更、退職に関する事項の変更などは必要
- 更新申請で新しい雇用条件書を出しても、届出の代わりにはならない
- 届出が不要でも、変更後の雇用条件書は事業所で保管
本記事は確認日時点で入管庁が公表している取扱いとQ&Aの整理です。変更の内容によって、届出の要否や添付書類が変わります。届出の作成については、状況を伺ったうえでお答えします。
この記事の根拠
- 出入国在留管理庁「特定技能雇用契約の変更届出が不要となる場合の取扱いについて」
https://www.moj.go.jp/isa/content/001401874.pdf - 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和7年6月)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001386304.pdf - 出入国在留管理庁「特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00187.html