TNG横浜国際行政書士オフィス在留資格の実務メモ

特定技能で外国人を受け入れる会社の方へ

登録支援機関とは──役割と費用の決まり、委託が必要になる場合を入管庁の資料で整理

根拠
入管法第19条の23(登録)
登録の件数
11,660件(2026年10月8日現在)
有効期間
5年ごとに更新
確認日
2026年10月11日時点

この記事の要点

  • 登録支援機関は、受入れ機関の委託を受けて1号特定技能外国人の支援を行う機関。長官の登録制で、5年ごとに更新。個人事業主もなれる
  • 委託そのものは義務ではないが、自社で支援体制の基準を満たせない会社は、登録支援機関に全部委託することで基準を満たしたものとみなされる
  • 料金の上限はないが、契約で費用の額と内訳を示す。義務的な支援の費用を外国人に負担させることはできない。入管庁の資料に相場は示されていない

特定技能1号の外国人を雇う会社は、その外国人の仕事や生活を支援しなければなりません。この支援を会社から委託を受けて行うのが登録支援機関です。出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関で、2026年10月8日現在、入管庁の登録簿には11,660件が載っています。

この記事では、入管法と入管庁の「特定技能制度に関するQ&A」などから、登録支援機関の役割、委託が必要になる場合、費用の決まり、届出、書類の作成を頼める相手、登録支援機関になるための基準、2027年4月1日からの変更を整理します。

登録支援機関とは

入管法は、契約により委託を受けて、1号特定技能外国人の支援計画の全部の実施の業務を行う者は、出入国在留管理庁長官の登録を受けることができるとしています(第19条の23第1項)。登録は5年ごとに更新しなければ効力を失います(同第2項)。入管庁は、所定の要件を満たせば、法人だけでなく個人事業主も登録支援機関になれるとしています(Q&A Q68)。

入管法は登録支援機関登録簿を一般の閲覧に供するとしており(第19条の28)、入管庁のサイトで公開されています。登録簿には、登録後に抹消された機関は載っていません。

立場主な役割
受入れ機関(特定技能所属機関)外国人と特定技能雇用契約を結び、支援計画を作り、支援を行う義務を負う。入管庁への定期届出・随時届出を出す
登録支援機関受入れ機関から委託を受けて、支援計画に基づく支援を行う。登録事項の変更などの届出を出し、定期届出に必要な資料を受入れ機関に提供する

委託は義務か──必要になるのは自社で支援できないとき

支援を行う義務は、受入れ機関にあります(入管法第19条の22第1項)。いまの入管法は、支援の全部又は一部の実施を契約により他の者に委託することができるとしており(同第2項)、委託そのものは義務ではありません。

ただし、自社で支援するには、支援体制の基準を満たす必要があります。主な基準は、過去2年間に中長期在留者の受入れ・管理を適正に行った実績があること(又は過去2年間に生活相談業務の経験がある役職員から支援責任者・支援担当者を選ぶこと)、外国人が十分に理解できる言語で支援できる体制があること、中立な立場の支援責任者・支援担当者を選ぶこと、などです(特定技能の自社支援の要件)。

支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託すると、受入れ機関は支援体制の基準に適合するものとみなされます(入管法第2条の5第5項)。みなされるのは登録支援機関に全部を委託する場合だけなので、自社でこの基準を満たせない会社は、登録支援機関に全部を委託する方法で受け入れることになります。一部だけ委託する場合や、登録支援機関以外の者に委託する場合(2027年4月1日からはできなくなります)は、自社で基準を満たしている必要があります(支援は登録支援機関にどこまで委託できるか)。

2027年4月1日から、外部に委託できる相手は登録支援機関に限られます(入管法第19条の22第2項の改正)。施行の際にすでに支援の一部を登録支援機関以外の者に委託している会社には、経過措置があります(委託先は登録支援機関に限られる)。

登録支援機関が行う支援

受入れ機関が作る支援計画には、法務省令で定める義務的な支援を盛り込みます。登録支援機関は、委託を受けてこれを実施します。

  1. 事前ガイダンス
  2. 出入国する際の送迎
  3. 住居確保・生活に必要な契約支援
  4. 生活オリエンテーション
  5. 公的手続等への同行
  6. 日本語学習の機会の提供
  7. 相談・苦情への対応
  8. 日本人との交流促進
  9. 転職支援(人員整理等の場合)
  10. 定期的な面談・行政機関への通報

入管庁は、登録支援機関は委託を受けた支援業務の実施をさらに委託することはできないとしています。それぞれの支援の中身は支援の委託の範囲、定期的な面談は特定技能の定期面談で整理しています。

費用の決まり

決まり内容
料金の上限受入れ機関から受け取る料金に、入管法令上の上限はない(Q72)
契約で示すこと委託契約には、少なくとも受託する支援業務の内容と、支援業務に要する費用の額及びその内訳を盛り込む(Q70・Q72)。費用の額と内訳を示すこととしていない者は、登録を受けられない(入管法施行規則第19条の21第8号)
外国人に負担させない義務的な支援にかかった費用を、外国人本人に負担させることは認められない。受入れ機関が負担する(Q76・Q79・Q80)。費用を直接又は間接に外国人に負担させることとしている者は、登録を受けられない(入管法施行規則第19条の21第7号)

入管庁のQ&Aや手続案内には、委託料の相場は示されていません。登録の申請のときに出す参考様式には、1号特定技能外国人1名当たりの支援委託費用の月額を書く欄がありますが、金額の目安は書かれていません。委託先を比べるときは、支援の内容と費用の内訳を見積りで確かめることになります。

2027年4月1日からは、登録支援機関は支援の実績と、支援に要する費用の額及びその内訳をインターネットで公表することが登録の基準になります(施行日前の申請で登録を受けた機関は、登録の期間が満了するまでは従前の例による。支援体制の改正)。

登録支援機関の届出

届出期限根拠
登録事項の変更変更の日から14日以内入管法第19条の27第1項、施行規則第19条の22
支援業務の休止・廃止休止又は廃止の日から14日以内(廃止の届出で登録は効力を失う)入管法第19条の29、施行規則第19条の23第1項
支援業務の再開あらかじめ(入管庁は再開予定日の1か月前までの提出を案内)施行規則第19条の23第2項
支援の実施状況(定期)毎年5月31日まで(前年4月1日からその年の3月31日までの分)。受入れ機関を経由して提出する入管法第19条の30第2項、施行規則第19条の24

入管庁は、定期届出は特定技能所属機関(受入れ機関)が行うこととされているので、登録支援機関は必要な書類等を受入れ機関に提供するよう案内しています。定期届出は、2025年4月15日までの提出分で四半期ごとの提出が終わり、2026年4月以降は1年に1回になりました(定期届出の書き方)。

受入れ機関の側も、支援委託契約を結んだとき・変えたとき・終えたときは入管庁に届け出ます。入管庁は、委託先を変えたときは、前の契約の終了と新しい契約の締結の両方を届け出る必要があるとしています(随時届出のQ&A。支援委託契約に係る届出)。

届出書や申請書類の作成を頼める相手

入管庁の定期届出マニュアル(令和6年4月。いまは旧様式の資料として掲載)は、特定技能所属機関に届出義務のある届出書は、その役職員が作成する必要があるとしたうえで、官公署に提出する書類等の作成を行政書士又は弁護士以外に依頼することは、行政書士法又は弁護士法に違反し、認められないとしています。支援計画の全部を委託している場合でも、登録支援機関(行政書士又は弁護士を除く)が作成することは認められないとしています。いまの随時届出のQ&A(令和7年6月)も、届出を委任できるのは、法令に基づき他人の依頼を受けて報酬を得て官公署へ提出する文書を作成することが認められている者(行政書士又は弁護士)としています。

行政書士法第19条第1項は、行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として官公署に提出する書類の作成などを行うことができないとしています。「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の文言は、2026年1月1日に施行された改正で加わったもので、総務省は、どのような名目であっても対価を受けて業として官公署に提出する書類等を作成することは違法という、これまでの解釈を条文に明示したものと説明しています(令和7年6月13日の通知)。違反すると1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象で、法人も罰金刑の対象になります(第21条の2・第23条の3)。届出の全体は特定技能の届出は誰が出すのかで整理しています。

登録支援機関になるには

登録を受けるには、入管法第19条の26の登録拒否事由に当たらないことが必要です。主なものは次のとおりです。

  • 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるなどしてから5年を経過しない者
  • 入管法・技能実習法その他の出入国・労働に関する法律の規定(政令で定めるもの)などにより罰金刑に処せられ、その執行を終わるなどしてから5年を経過しない者
  • 登録を取り消されてから5年を経過しない者
  • 申請の前5年以内に、出入国・労働に関する法令に関して不正又は著しく不当な行為をした者
  • 暴力団員等
  • 支援業務を的確に遂行するための体制が整っていない者(法務省令で定めるもの)

体制の基準(入管法施行規則第19条の21)では、支援責任者と、支援業務を行う事務所ごとに1名以上の支援担当者を選ぶこと、過去2年間に中長期在留者の受入れ・管理を適正に行った実績、過去2年間に報酬を得る目的で業として外国人に関する各種の相談業務に従事した経験、支援責任者・支援担当者の過去5年間に2年以上の生活相談業務の経験などの、いずれかがあること、外国人が十分に理解できる言語で情報を提供し相談に応じる体制があること、支援の状況の文書を作り雇用契約の終了から1年以上保存することなどが求められます。入管庁は、登録を受けるには支援計画の全部を実施できる必要があるとしています(2027年4月1日からは、登録を受けられる者が「全部又は一部」の実施の業務を行おうとする者に改められます)。

項目内容(入管庁の手続案内)
申請先本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方出入国在留管理局又は同支局(空港支局・出張所を除く)。郵送・代理人による申請もできる。オンラインでは申請できない
手数料新規28,400円、更新11,100円(入管法施行令第4条)
審査期間新規はおおむね2か月で、支援業務を始める予定日のおおむね2か月前までに申請するよう案内されている。更新は、有効期限が来る月の前月末日を目途に結果が送られる
有効期間・更新5年。更新の申請は、登録の有効期限が来る月の6か月前の初日から4か月前の月末まで(2027年4月1日からは、施行規則で満了する日の4か月前までと定められる)

監理団体・監理支援機関との違い

機関制度登録・許可
登録支援機関特定技能1号出入国在留管理庁長官による登録制。個人又は団体が受入れ機関の委託を受けて支援を行う
監理団体技能実習主務大臣による許可制。非営利の事業協同組合等が監理事業を行う
監理支援機関育成就労(2027年4月1日から)主務大臣による許可制。監理団体が監理支援機関として業務を行うには、新たに許可が必要

育成就労の全体は育成就労とはで整理しています。

協議会への加入

入管庁のQ&Aは、分野ごとの協議会について、特定技能所属機関は在留諸申請の前に必ず構成員となる必要があるとしています(Q14)。登録支援機関への求めは、分野ごとの運用方針で定められています。例えば外食業分野の運用方針では、支援計画の実施を委託するときは、協議会の構成員となり、農林水産省と協議会に必要な協力を行う登録支援機関に委託することとされています。加入の時期は特定技能の協議会加入で整理しています。

登録の取消し

出入国在留管理庁長官は、登録拒否事由に当たるようになったとき、届出の規定に違反したとき、支援計画に基づいて支援業務を行わなかったとき、不正の手段で登録を受けたとき、報告や資料の提出をしなかったり虚偽の報告をしたりしたときなどに、登録を取り消すことができます(入管法第19条の32)。取り消されると、5年間は再び登録を受けられません。政府の有識者会議(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議)の第10回(2023年7月31日)の資料では、制度施行後4年間(平成31年度〜令和4年度)で14機関の登録が取り消されたとされています。

2027年4月1日からの変更

  • 受入れ機関が支援を外部に委託できる相手は、登録支援機関に限られる(経過措置あり)
  • 登録を受けられる者が、支援計画の「全部又は一部」の実施の業務を行おうとする者に改められる
  • 支援責任者・支援担当者を事務所ごとに常勤の役職員から選ぶ。支援担当者の数は、委託を受けている受入れ機関の数÷10と、支援している外国人の数÷50の両方を超える数
  • 再委託しないことと、支援の実績・費用の額と内訳のインターネットでの公表が登録の基準に加わる
  • 登録の更新の申請は、登録の期間が満了する日の4か月前まで

入管庁は、施行日前に登録の申請をした場合は施行日前の要件で登録の可否を判断し、その後の更新では施行日後の要件を満たす必要があるとしています。令和9年7月31日までに登録の期間が満了する機関は、施行日前に更新を申請したときに限り、施行日前の要件で更新を受けられます。詳しくは特定技能の支援体制が2027年4月に変わるで整理しています。

よくある質問

登録支援機関の月額費用はいくらですか

入管庁は相場を示しておらず、料金に法令上の上限もありません。委託契約で費用の額と内訳を示すことになっているので、複数の機関から見積りを取り、支援の内容と合わせて比べることになります。義務的な支援の費用を外国人本人に負担させることはできません。

登録支援機関の一覧はどこで見られますか

入管庁のサイトの「登録支援機関登録簿」で公開されています。対応できる言語や連絡先を確かめて、直接問い合わせることになります。

登録支援機関に、入管への届出書の作成を頼めますか

入管庁は、受入れ機関の届出書は役職員が作成するか、行政書士・弁護士に依頼するものとし、登録支援機関(行政書士・弁護士を除く)が作成することは認められないとしています。登録支援機関が受入れ機関の代わりに電子届出を行うことも認められていません。

登録支援機関には報告の義務がありますか

登録事項の変更や支援業務の休止・廃止は14日以内に届け出ます。支援の実施状況は、受入れ機関の定期届出(毎年5月31日まで)を通じて提出します。入管庁から業務の状況について報告や資料の提出を求められることがあり(入管法第19条の34)、報告をしなかったり虚偽の報告をしたりすると、登録の取消しの対象になります(第19条の32第1項第5号)。

まとめ

  • 登録支援機関は、受入れ機関の委託を受けて1号特定技能外国人の支援を行う機関。長官の登録制で、5年ごとに更新。個人事業主もなれる
  • 委託そのものは義務ではないが、自社で支援体制の基準を満たせない会社は、登録支援機関に全部委託することで基準を満たしたものとみなされる
  • 料金の上限はないが、契約で費用の額と内訳を示す。義務的な支援の費用を外国人に負担させることはできない。入管庁の資料に相場は示されていない
  • 登録事項の変更・休廃止は14日以内に届出。支援の実施状況は受入れ機関の定期届出(年1回)で
  • 受入れ機関の届出書は、役職員が作るか、行政書士・弁護士に依頼する
  • 2027年4月1日から、委託先は登録支援機関に限られ、再委託しないことと支援の実績・費用の公表が登録の基準になる

本記事は確認日時点で入管法・入管庁が公表している資料の整理です。委託するか自社で支援するか、どこまで委託するかは、会社の体制と受け入れる人数によって変わります。

この記事の根拠

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初回のご相談で一緒に確かめること(特定技能(受け入れる会社の方))

  • 受け入れる分野と仕事の内容
  • 雇用契約の内容
  • 支援の体制(自社で支援するか、登録支援機関に委託するか)
  • 受入れ後の届出の状況

受入れまでの手順と、会社として準備することをお伝えします。

許可をお約束するものではありません。審査は入管庁(帰化は法務省)が行います。

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