在留資格「留学」
留学生の資格外活動許可──週28時間の数え方と、長期休業期間の1日8時間
公開 2026.09.17 / 最終確認 2026.09.17
- 根拠
- 出入国在留管理庁「『留学』の在留資格に係る資格外活動許可について」
- 包括許可
- 1週について28時間以内(長期休業期間は1日8時間以内)
- 対象
- 留学生本人と、留学生を雇用する企業
- 確認日
- 2026年9月17日時点
留学の在留資格は勉強のためのものなので、そのままでは働けません。アルバイトをするには資格外活動許可が必要です。
許可には包括許可と個別許可の2種類があり、働き方によってどちらが必要かが変わります。この記事では、入管庁が公表している区分を整理します。
包括許可──週28時間以内
入管庁は、1週について28時間以内(教育機関の長期休業期間にあっては、1日について8時間以内)の収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行う場合は、資格外活動の包括許可が必要としています。
必要書類は申請書のみです。
「1週」は、給与の締め日やシフト表の区切りではありません。実務上は、どの曜日を起算日としても、連続する7日間で28時間を超えないことが求められる、という考え方で運用されています。月曜起算では収まっていても、金曜から数えると超えている、という形が起こり得ます。数えるのは実際に働いた時間で、掛け持ちしている他のアルバイトも合算します。
長期休業期間の「1日8時間」は、留学の在留資格に特有の取扱いです。家族滞在などにはこの定めがありません。対象になるのは教育機関の長期休業期間なので、本人の感覚ではなく在学する学校が学則等で定める期間で判断することになります。
なお、入管庁が示しているのは「1日について8時間以内」という入管法上の上限です。これとは別に、労働基準法の労働時間規制(週40時間等)は当然に適用されます。1日8時間だから7日連続で働ける、という意味ではありません。
個人事業主として配達などをする場合
ここは近年の働き方に関わる部分で、入管庁が注記で具体的に触れています。
包括許可における「事業を運営する活動」とは、雇用契約書等により従事しようとする時間が明確である管理者等としての活動のほか、個人事業主として配達等の依頼を受注し、成果に応じた報酬を得る活動で、稼働時間を客観的に確認することができるものを指すとされています。
| 働き方 | 必要な許可 |
|---|---|
| 通常のアルバイト(雇用契約) | 包括許可 |
| 配達等の個人事業主で、稼働時間を客観的に確認できる | 包括許可のみで就労可能 |
| 個人事業主等で、稼働時間の確認が困難 | 個別許可が必要 |
| 業務委託・請負で、労働時間が明確でない | 個別許可が必要 |
| 業務委託・請負で、標準的な労働時間が明確 | 包括許可のみで就労可能 |
分かれ目は稼働時間を客観的に確認できるかどうかです。週28時間という上限がある以上、時間を測れることが前提になっている、という整理になります。
事業の規模によっては、在留資格の変更が必要になります。入管庁は、資格外活動として事業を運営する活動に従事する場合とは単独で比較的小規模な事業の運営を行う場合等を想定しているとしたうえで、新たに法人を設立する場合や従業員を雇用する場合、事業所を設けて活動する場合等は、その形態から「経営・管理」の在留資格への変更が必要としています。起業を考える留学生は、この線を意識しておくことになります。
許可があっても従事できない活動
ここは許可の種類にかかわらず適用される、最も重要な制限です。入管庁は資格外活動許可の要件(一般原則)として、申請に係る活動が次のいずれにも当たらないことを挙げています。
- 法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動
- 風俗営業、店舗型性風俗特殊営業若しくは特定遊興飲食店営業が営まれている営業所において行う活動、又は無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業若しくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動
「営業所において行う活動」と書かれている点に注意が必要です。接客そのものでなくても、その営業所で行う活動であれば対象に含まれる書きぶりになっています。なお風俗営業の範囲は風営法で定められており、一般に想定されるより広い業種が含まれます。個別の店舗が該当するかどうかの判断に迷う場合は、事前に確認しておくほうが安全です。
あわせて入管庁は、収容令書の発付等を受けていないこと、素行が不良ではないことも要件として挙げています。
個別許可が使える場面
包括許可の範囲外の活動については、活動を行う機関の名称及び業務内容、その他必要な事項を定めて個々に許可されます。入管庁が挙げているのは次の場合です。
インターンシップ
就職活動の一環として職業体験を目的とするインターンシップに従事する場合で、対象となるのは次の方です。
- 「留学」で大学(短期大学を除く)に在籍し、インターンシップを行う年度末で修業年度を終え、卒業に必要な単位をほぼ修得している方(卒業に必要な単位のうち9割以上を取得した大学4年生が想定されています)
- 「留学」で大学院に在籍し、インターンシップを行う年度末で修業年度を終える方(修士2年生又は博士3年生が想定されています)
必要書類は、申請書のほか、活動予定機関が作成した証明文書または契約書(活動内容・期間・時間・場所・報酬等が記載されたもの)、在学証明書、大学生は単位の修得状況が確認できる文書です。
専攻科目と密接な関係がある実習は、別枠です。入管庁は、上記に該当しない場合であっても、単位を取得するために必要な実習等、専攻科目と密接な関係がある場合等には、1週について28時間を超える資格外活動許可を受けることができるとしています。
学生に馴染みのある職種、起業の準備
次のいずれかに該当する場合も個別許可の対象です。
- 申請に係る活動が語学教師、通訳、家庭教師その他留学生と密接な関係にある職種又は社会通念上学生が通常行っているアルバイトの範囲内にある職種であること
- 本邦での起業を目的とした準備活動であること
必要書類は、申請書と、活動内容や活動時間、報酬等について説明する文書(任意様式)です。
包括許可と個別許可は両方受けられる
入管庁は、包括許可と個別許可の両方の許可を受けることも可能とし、すでにどちらかの許可を持っている方が、追加でもう一方の許可を申請することも可能としています。申請書は包括許可・個別許可で共通です。
「文化活動」の方も準じた扱い
「文化活動」の在留資格で在留する方のうち、いわゆる外国大学の日本分校、日本研究センターまたは国立研究開発法人等において留学生と同様の活動を行っている方は、原則として「留学」の在留資格に係る取扱いに準じるとされています。
申請の手続き
| 手続根拠 | 入管法第19条第2項 |
|---|---|
| 提出先 | 住居地を管轄する地方出入国在留管理官署 |
| 受付時間 | 平日9時〜12時、13時〜16時 |
| 手数料 | かかりません |
| 標準処理期間 | 2週間〜2か月 |
| 申請できる人 | 申請人本人/法定代理人/承認を受けた申請等取次者/届け出た弁護士・行政書士 |
提出するのは、資格外活動許可申請書1通、申請に係る活動の内容を明らかにする書類1通、そして在留カードとパスポート(又は在留資格証明書)の提示です。申請書は入管庁のサイトからダウンロードできます。
オンライン申請には条件があります。入管庁は、資格外活動許可申請をオンラインで行えるのは在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請又は在留資格取得許可申請と同時に行う場合に限るとしています。資格外活動許可だけを単独でオンライン申請することはできません。
標準処理期間は2週間から2か月です。働き始めたい時期から逆算して申請することになります。許可を受ける前にアルバイトを始めることはできません。
なお、申請人以外の方が申請する場合は、在留カードの写しを申請人に携帯させて、来庁する方が申請人の在留カードを持参することとされています。
雇用する企業側で確認すること
留学生を雇用する場合、企業側で確認しておく点があります。
- 在留カードの裏面に資格外活動許可の記載があるか
- 週28時間は他のアルバイトを含めた合計であること
- 長期休業期間の取扱いを使う場合、学校が定める期間に当たるか
- 卒業後は「留学」の在留資格ではなくなるため、同じ条件では雇用できないこと
- 風俗営業等に当たる業態でないか(許可があっても従事できません)
資格外活動の超過は、その後の申請に影響します。入管庁は在留資格の変更・更新のガイドラインで、資格外活動許可の条件に違反して恒常的に1週について28時間を超えてアルバイトに従事しているような場合を、素行が良好でない例として挙げています。留学生本人にとっても、就労資格への変更時に関わってくる部分です。
留学から就労資格への変更については留学ビザから就労ビザへの変更条件で、家族滞在の方の資格外活動については家族滞在で働くときの資格外活動許可で整理しています。
まとめ
- 包括許可は1週について28時間以内。教育機関の長期休業期間は1日8時間以内。必要書類は申請書のみ
- 個人事業主として配達等をする場合、稼働時間を客観的に確認できれば包括許可のみで就労可能
- 稼働時間の確認が困難な場合や、労働時間が明確でない業務委託・請負は個別許可が必要
- 法人設立・従業員の雇用・事業所を設けての活動は、「経営・管理」への変更が必要になる
- インターンシップの個別許可は、卒業に必要な単位を9割以上取得した大学4年生等が対象
- 包括許可と個別許可は両方受けられる
- 申請先は住居地を管轄する地方入管。手数料はかからず、標準処理期間は2週間〜2か月
- 許可の種類を問わず、風俗営業等が営まれている営業所での活動等は対象外。法令違反となる活動も同様
- 「1週」はどの曜日から起算しても28時間以内。掛け持ち分も合算する
本記事は確認日時点で入管庁が公表している内容の整理です。どちらの許可が必要かは働き方によって分かれますので、判断に迷われる場合は、状況を伺ったうえでお答えします。
この記事の根拠
- 出入国在留管理庁「『留学』の在留資格に係る資格外活動許可について」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00003.html - 出入国在留管理庁「資格外活動許可について」(要件の一般原則・許可の種類)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00045.html - 出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-8.html - 出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyuukokukanri07_00058.html