在留資格「特定技能」「技能実習」
技能実習と特定技能の違い──目的や期間、家族の帯同など10項目を入管庁の資料で比較
公開 2026.10.11 / 最終確認 2026.10.11
- 根拠
- 出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」ほか
- 技能実習の期間
- 合計最長5年
- 特定技能1号の期間
- 通算5年(2号は上限なし)
- 確認日
- 2026年10月11日時点
この記事の要点
- 技能実習は技能等の移転による国際協力が目的で、労働力の需給の調整の手段として行ってはならない。特定技能は人手不足分野で即戦力を受け入れる制度
- 期間は、技能実習が合計最長5年、特定技能1号が通算5年(2号は上限なし)
- 特定技能は技能と日本語を試験等で確認。技能実習2号を良好に修了した人は免除
「技能実習」と「特定技能」は、どちらも工場や現場などで働く外国人の在留資格ですが、制度の目的がまったく違います。目的が違うので、在留できる期間、試験、転職、家族の帯同、受け入れ方も変わります。
この記事では、出入国在留管理庁(入管庁)の「外国人労働者に関する制度概要」(2026年9月29日更新)と「特定技能制度に関するQ&A」、技能実習法の条文から、2つの違いを項目ごとに整理します。技能実習は2027年4月1日から始まる育成就労に変わっていきます(育成就労とは)。
違いの一覧
| 項目 | 技能実習(団体監理型) | 特定技能(1号) |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 技能等の移転を通じた開発途上地域等への国際協力 | 人材の確保が難しい産業分野で、即戦力となる外国人を受け入れる |
| 関係する法律 | 技能実習法と入管法 | 入管法 |
| 在留できる期間 | 1号は1年以内、2号は2年以内、3号は2年以内で、合計最長5年 | 通算5年(妊娠・出産・育児などの期間を除く)。相当の理由があれば6年。2号は上限なし |
| 技能の水準・入国時の試験 | 特段の定めなし(介護職種のみ、入国時に日本語の要件あり) | 相当程度の知識や経験が必要。技能と日本語を試験等で確認(技能実習2号を良好に修了した人は免除) |
| 仕事の内容 | 1号は講習を受けて技能等に係る業務、2号・3号は計画に基づき技能等を要する業務(非専門的・技術的分野) | 相当程度の知識や経験を要する業務(専門的・技術的分野) |
| 転職 | 原則できない。倒産などやむを得ない場合や、2号から3号への移行のときは可 | 同じ業務区分の中、又は試験で技能水準の共通性が確かめられた業務区分の間で可 |
| 家族の帯同 | 「家族滞在」の扶養者になれる在留資格に入っていない | 1号は原則として認められない。2号は要件を満たせば配偶者・子の帯同ができる |
| 人の探し方 | 通常、監理団体と送出機関(外国政府の推薦又は認定を受けた機関)を通じて行う | 受入れ機関が海外で直接採用するか、国内外のあっせん機関などを通じて採用できる |
| 間に入る機関 | 監理団体(非営利の事業協同組合などが担い、主務大臣の許可制) | 登録支援機関(出入国在留管理庁長官の登録制)。1号は受入れ機関か登録支援機関による支援の対象 |
| 受け入れる人数 | 常勤職員の総数に応じた枠がある | 枠なし(介護分野と建設分野を除く) |
特定技能の在留期間は、1号なら3年を超えない範囲で一人ひとりに指定され、通算の期間には、在留資格を持っている限り再入国許可で出国している期間も含まれます。
目的が違うと、何が変わるか
技能実習は「国際協力」、労働力の調整の手段ではない
技能実習法は、目的を、人材育成を通じた開発途上地域等への技能等の移転による国際協力の推進としています(第1条)。そのうえで、「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」と定めています(第3条第2項)。人手不足を補うための制度ではない、というのが法律の立場です。
特定技能は「人手不足分野」での就労
入管庁は、技能実習2号の活動を本国への技能等の移転による国際貢献を目的とするもの、特定技能1号の活動を人手不足分野において一定の専門性・技能を要する業務に従事するものとし、両者は技能水準や活動の形態が違うので、従事する業務は異なるものになるとしています(Q&A Q40)。給与についても、特定技能1号は技能実習2号を修了した人と同程度の技能水準なので、少なくとも技能実習2号の給与水準を上回ることが想定されるとしています(Q46)。
派遣と人数枠
特定技能で派遣による受入れが認められているのは、農業と漁業の2分野です(2025年12月1日時点、Q5)。受入れ機関ごとの人数の上限は一般にありませんが、介護分野は事業所ごとに日本人等の常勤の介護職員の総数まで、建設分野は常勤の職員(技能実習生と1号特定技能外国人を除く)の数までとされています(Q34)。分野ごとの受入れの見込み数は特定技能の受入れ上限で整理しています。
永住の在留年数の数え方
入管庁の永住許可に関するガイドライン(2026年2月24日改訂)は、原則10年の在留のうち、「就労資格(在留資格『技能実習』及び『特定技能1号』を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していること」を求めています。技能実習と特定技能1号の期間は、この5年に入りません。特定技能2号は除かれていません。2026年10月1日に改定されたガイドライン(原則として2027年4月1日以降の申請から適用)でも、技能実習と特定技能1号は除かれる在留資格に挙げられ、育成就労や企業内転勤なども加わっています(就労ビザから永住を申請する)。
技能実習から特定技能へ移る
- 移れる:技能実習生が帰国せずに、引き続き特定技能外国人として働くことはできます(Q29)
- 実習の途中では移れない:技能実習計画を終えていない実習中の人は、在留資格の性格上、特定技能への変更は認められません(Q47)
- 申請は実習中から:技能実習2号の実習中でも申請でき、書類がそろい次第申請します。修了後は、原則として特定技能への変更の許可を受けるまで働けないので、早めの準備が必要です(Q49)。在留期間の満了日までに申請するのが難しい合理的な理由があるときは、受入れ機関で働きながら移行の準備ができる「特定活動」(6か月)もあります
- 試験の免除:技能実習2号を良好に修了し(計画に従って2年10か月以上)、仕事と職種・作業に関連性があれば、技能と日本語の試験が免除されます。関連性がない場合は技能の試験が要りますが、日本語は修了の事実などで証明されたものとして扱われます(Q50)。なお入管庁は、技能実習法の施行より前の「技能実習」などを修了した人は、2027年4月1日以降は試験等に合格することが求められるとしています
免除の条件や、評価調書・技能移転に係る申告書をいつ使うかは技能実習から特定技能1号へで整理しています。
技能実習から特定技能へ移れるか、試験が免除されるかは、実習の職種・作業と、特定技能で従事する業務の関係によって変わります。実習の修了から許可までに働けない期間ができないよう、申請の時期も考えておく必要があります。
ご自身の場合の進め方は、状況を伺ったうえでご案内します。まずは初回無料のご相談で、今の状況をお聞かせください。
ご相談から依頼までの流れ(その場で契約をお願いすることはありません)
2027年4月からの育成就労
技能実習に代わる制度として、育成就労が2027年4月1日に始まります。入管庁の制度概要では、育成就労は特定技能1号の水準の人材を育成・確保する仕組みで、在留期間は通算3年(終了時の試験に合格できず一定の要件を満たす場合は最長1年延長)、技能と日本語の水準を、就労の開始時・1年経過時・終了時に段階的に試験等で確かめるとされています。転籍(職場を変えること)も、やむを得ない場合のほか、分野ごとの制限期間と技能・日本語の水準を満たせば本人の意向でできるようになります。詳しくは育成就労とはで整理しています。
受け入れる会社が先に確かめること
- 任せたい仕事が、特定技能の分野・業務区分に当たるか(特定技能の雇用契約書・雇用条件書)
- 1号の支援を自社でするか、登録支援機関に委託するか(自社で支援するときの要件)
- 長く働いてもらう見通しがあるなら、2号への移行(特定技能2号)
よくある質問
「特定技能実習生」という在留資格はありますか
ありません。入管庁の在留資格の一覧で、「技能実習」と「特定技能」は別の在留資格です。
技能実習の途中で特定技能に変えられますか
技能実習計画を終えていない実習中の人は、特定技能への変更は認められません(Q47)。実習中に申請の準備をし、修了に合わせて変更の許可を受けます。
特定技能1号で家族を呼べますか
1号では家族の帯同は原則として認められず、2号では要件を満たせば配偶者と子の帯同(家族滞在)が認められます。入管庁は、1号でも人道上の配慮が必要な例外的な場合(日本で特定技能1号の人どうしの間に生まれた子や、すでに家族滞在で日本にいる配偶者や子など)は、特定活動への変更が認められることがあるとしています(Q9。家族滞在とは)。
まとめ
- 技能実習は技能等の移転による国際協力が目的で、労働力の需給の調整の手段として行ってはならない。特定技能は人手不足分野で即戦力を受け入れる制度
- 期間は、技能実習が合計最長5年、特定技能1号が通算5年(2号は上限なし)
- 特定技能は技能と日本語を試験等で確認。技能実習2号を良好に修了した人は免除
- 転職は、技能実習は原則不可、特定技能は同じ業務区分の中などで可
- 家族の帯同は、技能実習と特定技能1号は原則できず、2号は要件を満たせばできる
- 技能実習から特定技能へは移れるが、実習の途中では不可。修了後は原則として許可が出るまで働けない
- 技能実習は2027年4月1日から育成就労に変わっていく
本記事は確認日時点で入管庁などが公表している内容の整理です。受け入れの方法や移行の可否は、仕事の内容と実習の状況によって変わります。
この記事の根拠
- 出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(令和8年9月29日更新)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001335263.pdf - 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(Q5・Q9・Q13・Q28・Q29・Q34・Q40・Q46・Q47・Q49・Q50・Q51)
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/faq.html - e-Gov法令検索「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(第1条・第3条)
https://laws.e-gov.go.jp/law/428AC0000000089 - 出入国在留管理庁「在留資格一覧表」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/qaq5.html - 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan50.html - 出入国在留管理庁「育成就労制度の制度概要・関係法令」
https://www.moj.go.jp/isa/03_00163.html - 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」
https://www.moj.go.jp/isa/10_00279.html - 出入国在留管理庁「特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合)」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/10_00025.html