在留資格「特定技能」
特定技能の支援体制が2027年4月に変わる──支援責任者は事業所ごとに常勤、登録支援機関は担当者1人あたり10機関未満
公開 2026.09.25 / 最終確認 2026.09.25
- 根拠
- 出入国管理及び難民認定法施行規則/特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の改正
- 施行日
- 令和9年4月1日(2027年4月1日)
- 公表
- 出入国在留管理庁が主な改正点を2026年7月に公表
- 確認日
- 2026年9月25日時点
1号特定技能外国人への支援体制の要件が、令和9年(2027年)4月1日から変わります。入管庁は、1号特定技能外国人に対する支援を一層適正に行うことができるよう、出入国管理及び難民認定法施行規則と特定技能基準省令が改正されたとしています。
影響を受けるのは、自社で支援している受入れ企業と登録支援機関です。支援を全部委託している企業も、委託先の体制がそのまま前提になるので無関係ではありません。
主な改正点は4つ
| 改正点 | 内容 |
|---|---|
| 1. 事業所ごとに常勤で選任 | 支援責任者及び支援担当者を、支援を行う事業所(登録支援機関の場合は支援業務を行う事務所)ごとに、それぞれ常勤の役員又は職員の中から1名以上選任する(支援責任者が支援担当者を兼務することは可) |
| 2. 従事者の限定 | 支援業務に従事することができる者を支援責任者等に限定する |
| 3. 養成講習 | 支援責任者に対して、支援能力向上のための養成講習(入管法や労働関係法令等)の受講を義務付ける |
| 4. 支援担当者の人数 | 登録支援機関の支援担当者の数が、委託を受けている特定技能所属機関の数を10で割った数を超え、かつ支援を行っている1号特定技能外国人の数を50で割った数を超えていること |
養成講習には当面の猶予があります。入管庁は、令和9年4月1日以降であっても、当分の間は講習を修了していなくても差し支えないとしています。
「事業所ごとに常勤」が一番影響する
本社で一括して支援責任者を置いている企業は、見直しが必要になる可能性があります。改正後は支援を行う事業所ごとに、常勤の役員又は職員から選任することになるためです。工場や店舗が複数ある企業ほど影響が出ます。
あわせて、支援業務に従事できるのが支援責任者等に限られます。選任していない社員が支援業務を担っている運用は、見直すことになります。
支援責任者・支援担当者に選べない人の基準は変わっていません。入管庁は、外国人に対する指揮命令権を有しない中立な立場の者であることを求め、代表取締役や外国人が所属する部署を監督する長など組織図上の縦のラインにある者、役員の配偶者や2親等内の親族は適格性がないとしています。詳しくは自社支援の要件で整理しています。
担当者を変更したときは支援計画変更に係る届出が必要です(支援計画変更に係る届出)。改正に合わせて体制を組み替える場合も同様です。
登録支援機関の人数基準の計算
4つ目の改正点は、登録支援機関の受託規模に上限をかけるものです。支援担当者の数が、次の両方を超えている必要があります。
| 基準 | 計算 |
|---|---|
| 委託元の数 | 委託を受けている特定技能所属機関の数 ÷ 10 |
| 支援人数 | 支援を行っている1号特定技能外国人の数 ÷ 50 |
入管庁の資料では、特定技能所属機関25機関から支援業務の委託を受ける場合は3人の支援責任者等が必要という例が示されています。25÷10=2.5を超える必要があるので、3人です。支援担当者1人あたり10機関未満という計算になります。
経過措置──登録支援機関の登録と更新
入管庁は、登録支援機関について次の取扱いを示しています。
| 状況 | 取扱い |
|---|---|
| 施行日までに登録を受けていない者 | 施行日前に登録を申請した場合は、施行日前の要件で登録の可否を判断。ただし、その後の更新申請では施行日後の要件を満たす必要がある |
| すでに登録を受けていて、令和9年7月31日までに登録期間が満了する者 | 施行日前に更新の申請をしたときに限り、施行日前の要件に基づいて更新を受けられる |
登録支援機関の登録は5年ごとに更新が必要です。改正後の要件は、各機関の次の更新のときに効いてくる、という構造です。
支援を全部委託している企業が確認しておくこと
支援を全部委託している企業は、支援体制の基準を満たしたものとみなされます(全部委託と一部委託の違い)。裏を返せば、委託先の体制が自社の前提です。
- 委託先の登録支援機関が、改正後の要件(事業所ごとの常勤の支援責任者等、人数基準)に対応する予定か
- 委託先の登録の有効期間がいつまでか
- 自社の事業所ごとに、誰が支援を担うことになるのか
届出書の作成は、支援業務とは別の話です。入管庁は、特定技能所属機関の届出書は役職員が作成するか、行政書士・弁護士に依頼するものとしています。登録支援機関(行政書士・弁護士を除く)が作成することは認められていません。届出の全体像は特定技能の届出は誰が出すのかで整理しています。
まとめ
- 施行は令和9年(2027年)4月1日
- 支援責任者・支援担当者を事業所ごとに常勤の役職員から1名以上(兼務可)
- 支援業務に従事できる者を支援責任者等に限定
- 支援責任者に養成講習を義務付け(当分の間は未修了でも差し支えない)
- 登録支援機関の支援担当者は、委託機関数÷10と支援人数÷50の両方を超える数(25機関なら3人)
- 令和9年7月31日までに登録期間が満了する登録支援機関は、施行日前に更新申請すれば旧要件で更新を受けられる
- 全部委託の企業も、委託先の体制と登録期間を確認しておく
本記事は確認日時点で入管庁が公表している主な改正点の整理です。施行に向けて運用要領等で詳細が示される可能性があります。自社の事業所の構成や委託の状況に応じた対応については、状況を伺ったうえでお答えします。
この記事の根拠
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)」
https://www.moj.go.jp/isa/10_00263.html - 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の主な改正点」(現行版)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001468625.pdf - 同上(25機関の例示を含む版)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001464997.pdf - 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(Q74・Q96・Q97)
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/faq.html