在留資格「特定技能」
特定技能の定期面談──3か月に1回以上、本人と監督者の両方に。何を聞くかは公表されています
公開 2026.09.20 / 最終確認 2026.09.20
- 根拠
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」/同「特定技能制度 定期届出書の記載方法と留意点」
- 頻度
- 3か月に1回以上
- 対象
- 特定技能外国人本人と、その上司等(監督者)の両方
- 記録
- 定期面談報告書 参考様式第5-5号(本人用)・第5-6号(監督者用) ※令和7年4月に内容が改正されています
特定技能の義務的支援10項目のうち、実施の頻度が明示されているのが定期面談です。
入管庁は、支援責任者等が外国人及びその上司等と3か月に1回以上面談し、労働基準法違反等があれば通報する、としています。義務的支援の全体像は支援はどこまで委託できるかで整理しています。
面談するのは2人。本人だけではありません
取り違えやすい点です。定期面談報告書は2種類あります。
| 様式 | 面談の相手 |
|---|---|
| 参考様式第5-5号 | 1号特定技能外国人本人 |
| 参考様式第5-6号 | 監督者(直属の上司等) |
同じ項目を、本人には「〜していないこと」、監督者には「〜させていないこと」という形で聞く構成になっています。両方から話を聞いて、食い違いがないかを確認する仕組みです。
面談するのは支援責任者か支援担当者
入管庁は、1号特定技能外国人支援計画書に記載された支援責任者又は支援担当者が定期面談を実施してくださいとしています。誰でもよいわけではなく、支援計画に名前が載っている人です。
担当者が変わったら届出が必要です。入管庁は、支援責任者又は支援担当者に変更があった場合は支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号)を提出する必要がある、としています。人事異動や退職で交代したときに見落とされやすい手続きです。詳細は支援計画変更に係る届出で整理しています。
何を聞くかは、公表されています
面談報告書の様式に、確認する項目が列挙されています。本人用(第5-5号)の内容は次のとおりです。
| 区分 | 確認する内容 |
|---|---|
| 業務内容 | 雇用契約と異なる業務に従事していないこと/他の事業主の下で業務に従事していないこと/安全衛生に配慮して適切に業務を行っていること |
| 待遇 | 雇用契約に基づき毎月適切に報酬を受け取っていること/雇用契約と異なる労働時間となっていないこと/休日、休暇等が適切に付与されていること(一時帰国休暇を含む)/適切な住居が確保されていること/定期的に負担する食費、居住費等が合意したとおりの内容であること/支援計画にのっとった支援の提供を受けていること |
| 保護 | 暴行・脅迫・監禁等の不法行為を受けていないこと/相手方を問わず保証金の徴収・違約金を定める契約等がないこと/預金通帳の管理など不当な財産管理を受けていないこと/旅券・在留カードを自分で保管していること/私生活上の自由を不当に制限されていないこと |
| 生活 | 日常生活においてトラブルが発生していないこと/健康状態に異常がないこと |
| その他 | 不法就労者が働いていないこと/その他 |
「旅券・在留カードを自分で保管しているか」が項目に入っています。企業が預かることは想定されていません。食費・居住費が合意どおりか、保証金や違約金の契約がないかも同様で、技能実習で問題になってきた事項がそのまま確認項目になっています。
監督者用(第5-6号)は、同じ項目を雇う側の立場から聞きます。たとえば「健康診断を定期的に実施し、健康状態に異常がないことを確認していること」「旅券・在留カードを管理していないこと」といった形です。
オンライン面談は、条件付きで実施できます
実務で最も聞かれる論点です。令和7年4月1日の運用要領改正により、これまで対面により直接話をすることとしていた定期面談について、一定のルール内でオンライン面談を実施できるようになりました。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 同意 | 面談対象者の同意があること。特定技能外国人の同意は支援計画書で確認できるよう参考様式が改正された。監督者は任意の様式で確認して差し支えない |
| 同意がない場合 | 同意がない場合や、過去に同意していても対面を希望した場合は、対面で実施する必要がある |
| 録画 | 面談の様子を録画し、特定技能雇用契約の終了の日から1年以上保管。地方出入国在留管理局から閲覧の求めがあれば応じる |
| 対面への切替え | 業務内容・待遇・保護に関する事項で問題が疑われる場合や、第三者による面談への介入が疑われる場合は、改めて対面で実施する |
録画の保管義務がある点に注意してください。契約終了から1年以上です。オンラインにすれば手軽になる、という話ではなく、記録の管理が新たに発生します。
入管庁が「望まれる」としている運用
義務ではありませんが、留意事項として次が示されています。
- 受入れ後初めての面談及び面談担当者変更後の初めての面談は、対面で実施することが望まれる
- オンラインを活用する場合であっても、1年に1回以上は対面による面談を実施することが望まれる
第三者の影響を受けていないことの確認
オンラインで実施する場合、周囲に面談対象者以外の者がおらず、第三者の影響を受けずに発言していることを確認することとされています。入管庁が挙げている具体的な方法は次のとおりです。
- 開始前に面談対象者に部屋全体を映してもらい、周囲に人がいないことを確認する
- 開始前にイヤホン等を装着していないこと、別のモニターやマイクがないことを確認する
- 面談対象者には正面(カメラ)を向いて話すよう依頼する
- 不審な点があった場合には、面談実施後に個別に連絡を取り、当時の状況を確認する
- 毎回同じ質問を繰り返すのではなく、質問の順番を変える、質問の仕方を変えるなどして様子を確認する
これらは「会社側の人間が同席して、言わせている」状況を排除するための確認です。面談が形式的なものにならないよう、実施方法まで踏み込んで示されています。
問題があった場合にすること
入管庁は、面談の結果について法令違反の疑いや不適切な処遇などの問題があった場合は、「問題の内容」欄にその詳細について記載するとしています。
そのうえで、次の対応が求められます。
面談の結果、出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為の発生を知った場合は、特定技能外国人の保護を図るための措置及び関係行政機関に通報を行わなければなりません。
通報は「してもよい」ではなく「行わなければならない」とされています。報告書の様式には、外国人への対応(労働基準監督署等の案内)、特定技能所属機関への対応(責任者への通知、届出の案内)、関係行政機関への対応(通報日・通報先)を記載する欄が設けられています。
なお、参考様式第3-5号は令和7年4月の改正で「出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為(不正行為)に係る届出書」から「特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の基準不適合に係る届出書」に名称が変更され、内容も改められています。届出の対象も、不正行為のみから特定技能基準省令の各号の基準を満たさなくなった場合に広がりました。
届出での扱い
定期面談の実施状況は、定期届出の中で報告します。届出は令和7年4月の改正で四半期ごとから1年に1回に変更され、対象年の4月1日から翌年3月31日までの状況を、翌年4月1日から5月31日までに提出する形になりました。
定期面談の頻度は変わっていません。入管庁は、届出の頻度が変更された後も「定期的な面談は、従前のとおり、3か月に1回以上行う必要があります」と明記しています。届出が年1回になったからといって、面談も年1回でよいということではありません。
また、定期面談や相談等の支援を通じて問題を把握し、機関内での解決が困難で行政機関等へ相談した場合には、1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る届出(自社支援の場合)や、1号特定技能外国人支援計画の実施における特異事案報告(登録支援機関が全部委託を受けている場合)を、認知の日から14日以内に行うこととされています。
届出書を作成するのは受入れ企業の役職員です。入管庁は、特定技能所属機関に届出義務のある届出書について特定技能所属機関の役職員の方が作成する必要がありますとし、作成を行政書士・弁護士以外に依頼することは行政書士法又は弁護士法に違反し認められない、としています。登録支援機関に支援の全部を委託している場合でも、登録支援機関(行政書士・弁護士を除く)が作成することは認められません。
定期届出の様式と書き方は受入れ・活動・支援実施状況に係る届出の書き方、入管庁が挙げる誤りは定期届出で入管庁が挙げている4つの誤りで整理しています。
相談・苦情があった場合は別の記録
定期面談とは別に、相談や苦情の申出があった場合は相談記録書(参考様式第5-4号)に記載します。入管庁は、全ての相談・苦情案件について「対応結果」欄まで記載されていることが必要としています。
相談・苦情がなかった期間については、提出不要とされています。
企業側で整えておくこと
- 支援計画に記載された支援責任者・支援担当者が誰か(変更していないか)
- 3か月に1回以上のサイクルが回っているか
- 本人と監督者の両方に面談しているか
- 報告書(第5-5号・第5-6号)を作成し、保管しているか
- 相談・苦情があった場合、対応結果まで記録しているか
支援を全部委託している場合は登録支援機関が面談を実施しますが、届出義務は受入れ企業にあります。委託の範囲によって誰が実施するかが変わる点は全部委託と一部委託の違いをご確認ください。
まとめ
- 定期面談は3か月に1回以上。本人と監督者の両方に実施する
- 実施するのは支援計画に記載された支援責任者又は支援担当者。変更したら参考様式第3-2号で届出
- 記録は参考様式第5-5号(本人用)・第5-6号(監督者用)
- 確認項目は公表されている。旅券・在留カードの保管、保証金・違約金、食費・居住費など
- 法令違反を知った場合、保護の措置と関係行政機関への通報を行わなければならない
- オンライン面談は令和7年4月から条件付きで可能。同意、録画の保管(契約終了から1年以上)、問題が疑われる場合の対面切替えが要件
- 初回の面談・担当者変更後の初回は対面が望まれる。オンラインを活用する場合も1年に1回以上は対面が望まれる
- 届出は年1回に変わったが、面談は従前のとおり3か月に1回以上
- 届出書を作成するのは受入れ企業の役職員。登録支援機関(行政書士・弁護士を除く)が作成することは認められない
本記事は確認日時点で入管庁が公表している内容の整理です。面談で確認する項目は令和6年4月時点の資料に基づいており、参考様式第5-5号・第5-6号は令和7年4月に内容が改正されています。最新の様式は入管庁のホームページでご確認ください。面談の運用でご不明な点は、状況を伺ったうえでお答えします。
相談・苦情への対応は、行方不明者の発生防止にも直結します。特定技能外国人が失踪(行方不明)したらもあわせてご覧ください。
この記事の根拠
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/supportssw.html - 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領改正のポイント」(令和7年4月1日改正)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001434615.pdf - 出入国在留管理庁「特定技能制度 定期届出書の記載方法と留意点」(令和6年4月/面談事項の項目)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001361741.pdf - 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri10_00002.html