TNG横浜国際行政書士オフィス在留資格の実務メモ

制度の改正

入管法の改正はいつ何が変わるか──2027年4月1日の施行を中心に一覧で整理

根拠
入管庁「令和6年入管法等改正」「令和8年入管法等改正」ほか
大きな施行日
2027年4月1日
JESTA
2029年3月31日までに施行
確認日
2026年10月11日時点

この記事の要点

  • 入管法の大きな改正(令和6年法律第60号)は、2027年4月1日に施行される
  • 主な中身は、育成就労制度と企業内転勤2号の創設、特定技能の支援の委託先の限定、不法就労助長罪の罰則の引上げ、永住者の取消事由の追加
  • 改定後の永住許可のガイドラインも、2027年4月1日以降の申請から適用

出入国管理及び難民認定法(入管法)は、ここ数年で大きな改正が続いています。中心になるのは、2024年6月に成立した改正法(令和6年法律第60号)で、2027年4月1日に育成就労制度の創設、永住者の在留資格の取消事由の追加、不法就労助長罪の罰則の引上げなどがまとめて施行されます。2026年には、在留カードとマイナンバーカードの一体化や、在留手続の手数料の改定もありました。

この記事では、出入国在留管理庁(入管庁)などが公表している資料から、すでに変わったことと、これから変わることを時期の順に一覧にし、それぞれの詳しい記事へご案内します。

時期ごとの一覧

時期変わること主に関係する方
2025年10月16日(施行済み)在留資格「経営・管理」の許可基準の改正(資本金等3,000万円以上、常勤職員1人以上、日本語能力など)会社を経営する方・これから起業する方
2026年4月1日(運用開始済み)帰化の審査で、原則として10年以上の在留を求める運用(国籍法の改正ではなく、審査の運用の見直し)帰化を考えている方
2026年6月14日(施行済み)在留カードとマイナンバーカードを一体にした「特定在留カード」(任意。地方入管での申請は6月15日から)。新様式の在留カード中長期在留者の方
2026年10月1日(施行済み)在留資格の変更・在留期間の更新・永住許可の手数料の改定(永住許可は200,000円)。永住許可に関するガイドラインの改定更新・変更・永住を申請する方
2027年3月19日在留期間の更新などの提出資料に、課税・納税に関する文書と、社会保険の加入状況・保険料の納付状況に関する文書が加わる(入管法施行規則の改正、令和7年法務省令第43号)認定・変更・更新などを申請する方(呼び寄せる会社・家族を含む)
2027年3月以降(予定)入管庁が関係機関から国民健康保険料・国民年金保険料の納付情報や地方税の課税情報などの提供を受ける予定(政府の総合的対応策)。国民健康保険料(税)の収納情報は、市町村から入管庁への連携を2027年6月から開始できるよう準備が進められている更新・変更・永住などの在留審査を受ける方
2027年4月1日育成就労制度の開始、「企業内転勤2号」の創設、特定技能1号の支援の委託先を登録支援機関に限定、不法就労助長罪の罰則の引上げ、永住者の在留資格の取消事由の追加。特定技能の支援体制の基準の改正。改定後の永住許可のガイドラインの適用外国人を雇う会社、永住者、永住を申請する方
2027年6月30日施行日前に申請した技能実習計画で実習を始める場合の期限(原則としてこの日までに入国)技能実習生を受け入れる会社
2028年10月16日「経営・管理」の経過措置の期限。この日までに更新を申請する場合は、改正後の基準に合わなくても経営状況や基準に合う見込みなどを踏まえて許否を判断。この日より後に申請する更新は改正後の基準に合う必要がある今「経営・管理」で在留している方
2029年3月31日まで電子渡航認証制度(JESTA)の創設(政令で定める日から)査証免除で短期に来日する方など

2027年4月1日に施行される主な変更

令和6年法律第60号の施行日は、一部の規定を除き、政令で2027年4月1日と決まっています。入管庁の改正法の概要では、入管法の改正として次の4つが挙げられています。

育成就労制度の開始と「企業内転勤2号」

技能実習制度に代わって、人手不足の分野で特定技能1号の水準の人材を育成・確保する育成就労制度が始まります。監理団体に代わる「監理支援機関」の許可や、育成就労計画の認定は、施行日前から申請を受け付けています。あわせて、一定の基準に合う企業の外国の事業所の職員が技能などを身につけるための在留資格「企業内転勤2号」もできます(育成就労とは)。

特定技能の支援の委託先は登録支援機関に限定

受入れ機関が1号特定技能外国人の支援を外部に委託する場合、委託先は登録支援機関に限られます。同じ日から、支援責任者・支援担当者を事業所ごとに常勤の役職員から選ぶことなど、支援体制の基準も変わります(特定技能の支援体制が2027年4月に変わる)。

不法就労助長罪の罰則の引上げ

外国人に不法就労活動をさせた者などに対する罰則が、拘禁刑3年以下・罰金300万円以下から、5年以下・500万円以下に引き上げられます(今と同じく両方を科すこともできます)(不法就労助長罪とは)。

永住許可制度の適正化

永住許可の要件をより明確にし、入管法上の一定の義務を正当な理由なく守らない場合、支払義務を知りながらあえて税金・社会保険料を払わない場合、窃盗・詐欺などの一定の故意の罪で拘禁刑に処せられた場合が、永住者の在留資格の取消事由に加わります。ただし、特段の事情がない限り、在留資格を変更して引き続き在留を認めるとされています(永住権の取り消しはどんな場合か)。

改定後の永住許可のガイドラインの適用

法律の改正とは別に、入管庁は2026年10月1日に永住許可に関するガイドラインを改定し、2027年4月1日以降の申請から適用するとしています(収入と公共の負担の項目は、2026年4月1日から2027年3月31日までの申請にも適用すると入管庁が案内しています)。日本人の配偶者の在留年数の目安や日本語能力など、申請の時期で扱いが変わる項目があります(永住許可のガイドライン改定)。

施行日の前後で扱いが変わる手続きは、「いつ申請するか」で結果が変わることがあります。永住の申請時期、技能実習の計画の申請、特定技能の支援の委託先の見直しは、施行日から逆算して準備を始めるのが安全です。

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2027年に予定されている税・社会保険料の確認の強化

政府の「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」(2026年1月23日)は、2027年3月以降、入管庁が関係機関から国民健康保険料・国民年金保険料の納付情報や地方税の課税情報などの提供を受けるとしています。また、入管法施行規則の改正(令和7年法務省令第43号、2025年9月8日公布)で、2027年3月19日から、在留期間の更新などの提出資料に「課税及び納税に関する文書並びに社会保険の加入状況及び社会保険料の納付状況に関する文書」が加わります。厚生労働省は、市町村から入管庁への国民健康保険料(税)の収納情報の連携を2027年6月から開始できるよう、都道府県を通じて市町村にシステム改修などの対応を求めています。詳しくは外国人の国民健康保険と年金で整理しています。

すでに変わったこと

  • 在留手続の手数料:2026年10月1日から、変更・更新は許可される在留期間に応じた段階制に、永住許可は200,000円になりました。2026年の改正法(令和8年法律第32号)で手数料の上限額が引き上げられ(変更・更新は10万円、永住許可は30万円)、経済的に困難な場合などの減額・免除もできるようになっています(在留手続の手数料の改定)
  • 特定在留カード:2026年6月14日から運用が始まり(地方入管での申請は6月15日から)、在留カードとマイナンバーカードを一体にしたカードを任意で申請できます。在留手続(更新など)や市町村での住居地の届出と同時に申請します(特定在留カード)
  • 帰化の審査:法務大臣は2026年3月27日の記者会見で、4月1日から帰化の審査で、原則として10年以上在留し日本社会に融和していることを求めると説明しました。国籍法の「引き続き5年以上」の条件は維持したうえでの運用です(帰化の審査が2026年4月から厳しくなった)
  • 経営・管理:2025年10月16日から許可基準が改正されました。今「経営・管理」で在留している方は、2028年10月16日までに更新を申請する場合は、改正後の基準に合わなくても経営状況や基準に合う見込みなどを踏まえて判断され、それより後に申請する更新では改正後の基準に合う必要があります

これからの予定

  • 技能実習の経過措置:施行日前に申請した技能実習計画は、実習の開始日が2027年6月30日以前であることが必要で、原則として同日までに入国します。施行日以降に技能実習3号へ進むには、施行日の時点で技能実習2号を1年以上行っていることが必要です
  • 電子渡航認証制度(JESTA):査証免除で短期に来日する外国人に、渡航前に情報の提供と認証を求める制度です。令和8年法律第32号で創設され、2029年3月31日までの間に政令で定める日から施行されます

個人の方が確かめること

会社の方が確かめること

  • 技能実習で受け入れている、受け入れる予定:取引のある監理団体が監理支援機関の許可を受けるか、技能実習計画の申請の期限(育成就労とは)
  • 特定技能で受け入れている:支援を登録支援機関以外に委託していないか、自社で支援するなら事業所ごとの常勤の支援責任者(特定技能の支援体制)
  • 採用の前に在留カードで就労制限と在留期限を確かめているか(不法就労助長罪とは)

よくある質問

2027年4月から永住が取れなくなるのですか

いいえ。入管庁は、法律による要件の明確化について、改正前のガイドラインにあった「公的義務を適正に履行していること」を法律に明記するもので、新たな要件の追加や厳格化ではないとしています。一方、2026年10月1日改定のガイドラインでは、2027年4月1日以降の申請から、日本人の配偶者の在留年数の目安(婚姻3年・在留1年→婚姻5年・在留3年)、世帯年収の水準、日本語能力(B1相当)などが考慮されます(永住許可のガイドライン改定)。

技能実習は2027年4月でなくなりますか

施行日の時点で技能実習を行っている人は、施行日以降も引き続き「技能実習」の在留資格のまま実習を続けられます。新しく始める場合は、施行日前に申請した計画で、2027年6月30日までに実習を始める必要があります。施行日以降は、技能実習計画の認定申請はできません。

手数料はまた上がりますか

2026年10月1日に改定された額が、確認日時点の額です。上限額は法律で決まっていて(変更・更新は10万円、永住許可は30万円)、具体的な額は政令で決めるしくみです。上限の範囲内なら、法律を改正しなくても政令で額を変えられます。

まとめ

  • 入管法の大きな改正(令和6年法律第60号)は、2027年4月1日に施行される
  • 主な中身は、育成就労制度と企業内転勤2号の創設、特定技能の支援の委託先の限定、不法就労助長罪の罰則の引上げ、永住者の取消事由の追加
  • 改定後の永住許可のガイドラインも、2027年4月1日以降の申請から適用
  • 2027年3月以降、国民健康保険料・国民年金保険料の納付情報などが入管庁に提供される予定
  • 2026年には、特定在留カード(6月14日)と手数料の改定(10月1日)がすでに始まっている
  • 技能実習の経過措置(2027年6月30日)、経営・管理の経過措置(2028年10月16日)、JESTA(2029年3月31日まで)と、期限や施行時期が続く

本記事は確認日時点で入管庁・法務省・厚生労働省・内閣官房・参議院が公表している資料の整理です。施行前の制度は、省令や運用要領で詳細が決まっていきます。ご自身や自社にどの変更が関係するかは、状況を伺ったうえでお答えします。

この記事の根拠

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