帰化許可申請
簡易帰化とは──国籍法第6条・第7条・第8条で緩和される条件と、2026年4月からの審査
公開 2026.09.30 / 最終確認 2026.09.30
- 根拠
- 国籍法第5条〜第8条/東京法務局「帰化について」(2026年4月1日更新)
- 緩和されるもの
- 住所条件・能力条件・生計条件(条文ごとに範囲が違う)
- 緩和されないもの
- 素行・重国籍防止・憲法遵守の条件
- 確認日
- 2026年9月30日時点
帰化の一般的な条件は国籍法第5条にあり、住所条件は引き続き5年以上日本に住所を有することです。ただ、日本人の配偶者、日本で生まれた人、日本人の子など、日本と特別な関係のある外国人には、条件の一部を緩和する規定が第6条から第8条に置かれています。一般に「簡易帰化」と呼ばれるものです。
第5条の6つの条件そのものは帰化と永住の違いで整理しています。この記事では、第6条〜第8条で何がどこまで緩和されるのかを条文に沿って整理します。
第5条の6つの条件(おさらい)
| 1号 住所条件 | 引き続き5年以上日本に住所を有すること |
|---|---|
| 2号 能力条件 | 18歳以上で、本国の法律でも成人の年齢に達していること(東京法務局の案内) |
| 3号 素行条件 | 素行が善良であること |
| 4号 生計条件 | 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること |
| 5号 重国籍防止条件 | 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと |
| 6号 憲法遵守条件 | 日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、主張するなどしたことがないこと |
第6条──住所条件(5年)が緩和される人
次のいずれかに当たり、現に日本に住所を有する外国人は、第5条第1項第1号(引き続き5年以上)の条件を備えなくても、帰化を許可することができるとされています。
| 号 | 対象 |
|---|---|
| 1号 | 日本国民であった者の子(養子を除く)で、引き続き3年以上日本に住所又は居所を有するもの |
| 2号 | 日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く)が日本で生まれたもの |
| 3号 | 引き続き10年以上日本に居所を有する者 |
第7条──日本人の配偶者
日本国民の配偶者である外国人は、住所条件(1号)と能力条件(2号)の2つが緩和されます。対象は次のどちらかです。
- 日本国民の配偶者で、引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するもの
- 日本国民の配偶者で、婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有するもの
2つ目は、海外で結婚生活を送っていた方に関係します。婚姻から3年が経っていれば、日本での住所は引き続き1年以上で足りる、という組み立てです。日本人の配偶者としての在留資格については配偶者ビザの質問書で整理しています。
第8条──日本人の子など(生計条件まで緩和)
次のいずれかに当たる外国人は、住所条件(1号)・能力条件(2号)・生計条件(4号)の3つが緩和されます。
| 号 | 対象 |
|---|---|
| 1号 | 日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有するもの |
| 2号 | 日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であったもの |
| 3号 | 日本の国籍を失った者(日本に帰化した後日本の国籍を失った者を除く)で日本に住所を有するもの |
| 4号 | 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者で、その時から引き続き3年以上日本に住所を有するもの |
緩和されない条件
第6条〜第8条のどれに当たっても、素行条件(3号)、重国籍防止条件(5号)、憲法遵守条件(6号)は緩和されません。
| 条文 | 緩和される条件 |
|---|---|
| 第6条 | 住所 |
| 第7条 | 住所・能力 |
| 第8条 | 住所・能力・生計 |
なお、条文はいずれも「帰化を許可することができる」という書き方です。東京法務局も、条件を満たしていたとしても必ず帰化が許可されるとは限らず、これらは最低限の条件を定めたものだとしています。
2026年4月1日からの審査の厳格化との関係
法務大臣は2026年3月27日の記者会見で、4月1日から帰化の審査において「日本社会に融和していること」の要件につき、原則として10年以上在留し、日本社会に融和していることを必要とすること、あわせて素行の善良性・生計条件について、税金や社会保険料の納付状況を確認する期間を延ばすことを発表しました。国籍法の条文は改正されていません。
東京法務局の案内(2026年4月1日更新)も、日本と特別な関係を有する外国人については条件を一部緩和している(第6条〜第8条)と説明したうえで、日常生活に支障のない程度の日本語能力(会話及び読み書き)を有することや、10年以上在留していることなど、日本社会に融和していることが必要と記載しています。
簡易帰化の対象者に「原則10年」がどう当てはめられるかは、確認日時点の公表資料からは読み取れません。条文上の住所条件が緩和されることと、審査の運用で日本社会への融和を見ることは、別の話として整理されています。ご自身の場合にどう扱われるかは、申請前の相談の段階で管轄の法務局に確認するのが確実です。
申請の窓口と手続き
帰化の申請先は入管ではなく法務局・地方法務局です。申請者本人(15歳未満は法定代理人)が自ら出向いて、書面で申請します。神奈川県内の窓口は横浜・神奈川の帰化申請はどこへ、必要書類は帰化申請の必要書類、申請後の面接は帰化申請の面接で整理しています。
まとめ
- 日本と特別な関係のある外国人は、国籍法第6条〜第8条で帰化の条件の一部が緩和される
- 第6条(日本人だった者の子、日本生まれ、10年以上居所など)は住所条件が緩和
- 第7条(日本人の配偶者)は住所・能力条件が緩和。在留3年以上、又は婚姻3年経過+在留1年以上
- 第8条(日本人の子、日本人の養子など)は住所・能力・生計条件が緩和
- 素行・重国籍防止・憲法遵守の条件は緩和されない
- 2026年4月1日から、審査で原則10年の在留などによる日本社会への融和を見る運用。簡易帰化への当てはめは管轄法務局に確認
本記事は確認日時点の条文と、法務省・法務局の公表内容の整理です。ご自身がどの条文に当たるか、2026年4月からの運用で何を準備すべきかは、状況を伺ったうえでお答えします。
この記事の根拠
- 法務省「国籍法」(第5条〜第8条)
https://www.moj.go.jp/MINJI/kokusekiho.html - 東京法務局「帰化について」(2026年4月1日更新)
https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000001_00885.html - 法務省「法務大臣閣議後記者会見の概要」(令和8年3月27日・帰化の審査の厳格化)
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00706.html