TNG横浜国際行政書士オフィス在留資格の実務メモ

帰化許可申請

帰化申請の必要書類──手数料は無料でも、集める書類は永住の比ではない

根拠
法務局「帰化相談(初回相談)を希望される方へ」「帰化許可申請書に添付する書類」(更新日 2026年9月4日)
提出部数
原則2部(正本と副本。写真2枚を含め全て2部)
手数料
帰化許可申請に手数料はかかりません
確認日
2026年9月12日時点

帰化許可申請には手数料がかかりません。一方で、2026年10月1日から永住許可の手数料は10,000円から200,000円に変わります。金額だけを見れば帰化に目が向くところですが、帰化は集める書類の量が永住とは比べものになりません。

この記事では、法務局が公表している必要書類を整理します。判断するための材料として、実際の分量を見ていただくのが目的です。

まず、提出は原則2部

書類の量を考えるうえで最初に効いてくるのがこれです。法務局は、帰化許可申請を受付するために提出する書類は、すべて正本(原本)のほか、副本(原本のコピー)が必要としています。

  • パスポートや免許証等のように原本を提出できないものは、写しを2部準備し、相談時に原本を持参
  • 申請書に貼付する写真(2枚)を含めて、全て2部準備
  • 副本はA4判用紙を使用し、左とじにするため左側に3cm程度の余白を設ける

自分で作成する書類(7点)

法務局が挙げている、申請者自身が作成する書類です。

書類注意点
帰化許可申請書申請年月日と署名欄は受付の際に記載するため空欄のままにしておく
親族の概要を記載した書面—
履歴書(その1)(その2)2枚とも必要
帰化の動機書申請者本人が自筆。パソコンによる作成及び代筆は不可。特別永住者の方は作成不要
宣誓書受付の際に渡され、申請者本人が自筆で署名
生計の概要を記載した書面(その1)(その2)2枚とも必要
事業の概要を記載した書面個人事業、会社等の法人を経営する方のみ

動機書だけは代わりに書けません。法務局は、帰化の動機書について申請者本人の自筆とし、パソコンによる作成及び代筆は不可としています。行政書士に依頼した場合でも、ここは本人が書くことになります。日本語で書く必要があるため、日本語能力が問われる場面でもあります。

取り寄せる書類は国籍によって分かれる

法務局は、添付書類について申請者の国籍によって発行される書類が異なるとして、中国、台湾、韓国・朝鮮、その他の国籍・地域の4区分でページを分けています。難民の方及び無国籍の方は、別途、管轄法務局への問い合わせが案内されています。

以下は「その他の国籍・地域」の区分で公表されている内容です。ご自身の国籍の区分は、管轄法務局の案内でご確認ください。

国籍証明書

  • 国籍証明書(有効期限があるかを確認。有効期限のあるものは法務局の担当者から指示があったときに取得)
  • パスポートの写し:有効期限が切れたものを含め全てのパスポート。未使用ページを除く、使用されている全てのページ

身分関係を証する書面

該当する身分関係の書類のみで足ります(法務局は、婚姻歴のない申請者は婚姻に関する書類は不要、と例示しています)。

  • 申請者:出生証明書、婚姻証明書、離婚証明書、親族関係証明書(ファミリーリスト)、その他(養子縁組・認知・親権等)
  • 申請者の父母:婚姻証明書、離婚証明書
  • 申請者の子:出生証明書

親族関係証明書に兄弟姉妹の記載がない場合は、別途、兄弟姉妹の出生証明書が必要とされています。

居住歴を証する書面

  • 住民票・除住民票(世帯全員)。氏名(通称名を含む)、生年月日、性別、在留資格、在留期間、満了日、在留カード番号、法定住所期間内の居住歴が記載されたもの
  • 同居者がいる場合は同居者全員分の住民票
  • 在留カード(表・裏)の写し

住民票は「個人番号(マイナンバー)・住民票コードの記載は省略したもの」を取得してください。法務局はこの条件を明記しています。役所の窓口では記載の有無を選べるため、申請時に省略を指定します。記載されたものを取ってしまうと取り直しになりかねない箇所です。

運転記録証明書

  • 運転記録証明書(5年間)。発行後2か月以内のもの。帰化申請の結果が出るまでの間に再度提出を求められる場合がある
  • 自動車等運転免許証(表・裏)の写し
  • 免許を失効・取消しされた方は運転免許経歴証明書

運転記録証明書は市区町村役場では取れません。法務局が案内する申込方法によると、発行元は自動車安全運転センターで、同センターに行って申し込む方法と郵便局で申し込む方法があります。申込用紙は警察署・派出所・駐在所・交番または同センターで入手します。手数料は1通800円(令和7年10月1日から変更)。郵便局で申し込んだ場合、約2週間で免許証上の住所地に郵便で届くとされています。

証明書の有効期間は2か月であることから、法務局は帰化申請予定日の2〜3週間前になったら申し込むよう案内しています。早く取りすぎると期限切れ、遅すぎると間に合わない書類です。なお、運転免許証を取得してから5年が経っていない方でも5年間の運転記録を申し込むこととされています。

いちばん量が多いのは納税関係

ここが帰化の準備で最も負担の大きい部分です。法務局は、申請者に関する書類だけではなく、配偶者(内縁関係を含む)や生計を同じくする方がいる場合は、その方に関する書類もとしています。

給与所得者で確定申告義務がない方の場合でも、次が求められます。

書類期間
都道府県・市区町村民税の課税証明書又は非課税証明書直近5年分
都道府県・市区町村民税の納税証明書又は非課税証明書前年5年分
源泉徴収票直近1年分(複数勤務先があれば全て)
住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料直近5年分(特別徴収の場合は不要)

確定申告義務がある方は、上記に加えて所得税の納税証明書(その1、その2)直近3年分と、確定申告書の控え直近1年分。個人事業経営者はさらに消費税・事業税の納税証明書(各直近3年分)等。会社等法人の役員は、法人側の納税証明書や確定申告書の控えまで求められます。

取得する年度は受付日で変わります。法務局は、令和8年9月から令和9年5月の間に受付をする方について、令和4年度(令和3年分)から令和8年度(令和7年分)までの課税証明書、令和3年度(令和2年分)から令和7年度(令和6年分)までの納税証明書と具体的に示しています。申請時期がずれると取り直しになる可能性があります。

社会保険の納付証明も直近2年分

健康保険資格確認書(表・裏)の写し又はマイナポータル内の健康保険証の資格情報を世帯全員分、加えて社会保険料の納付証明書が直近2年分求められます。公的年金保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料、適用事業所の事業主に係るもののうち該当する全てです。

法務局は、書類に基礎年金番号、被保険者証の保険者番号、被保険者記号・番号が記載されている場合は、該当する箇所にマスキングの処理を行うよう求めています。コピーを取る前に確認しておく項目です。

資産・収入、その他

  • 給与所得者:在勤(在職)証明書、直近1か月分の給与証明書又は給与明細書
  • 個人事業経営者:許認可証明書
  • 会社等法人の役員:法人の登記事項証明書、許認可証明書
  • 不動産を所有:土地・建物登記事項証明書(マンションは区分建物登記事項証明書)
  • 預貯金:預貯金現在高証明書、通帳の写し、取引履歴
  • 不動産賃貸借契約書の写し、国外居住親族への送金関係書類、年金・各種手当の受給を証明する書面(該当する場合)
  • 在学・最終学歴・技能資格を証する書面。日本語能力試験(JLPT)やJ.TEST等を受験された方はその結果

翻訳の扱い

法務局は、外国語で記載された書面についてA4判の翻訳文を付け、翻訳者の住所・氏名及び翻訳年月日を記載すること、一部分のみの翻訳は認められないことを示しています。

翻訳者については、正確に翻訳できる方であれば、申請者を含め、どなたでも構わないとされています。翻訳文に氏名や出生地等を記載する際は、アルファベットではなくカタカナ、ひらがな、漢字を使用します。

相談は予約制。書類が揃ってから受付

帰化に関する国籍相談は予約制です。法務局は、必要書類を事前に準備したうえで、住所地を管轄する法務局へ電話で予約を入れてから来庁するよう案内しています。初回相談時には帰化相談質問票を記載して持参します。

受付は、帰化許可申請書類及び添付書類がそろった段階で行われます。初回相談時に書類を確認し、不備や不足があれば次回の相談時までに準備することになります。

神奈川県内の管轄については神奈川県で帰化申請をするときの管轄法務局で整理しています。

まとめ

  • 帰化許可申請に手数料はかからない。一方で永住許可は2026年10月1日から20万円
  • 提出は原則2部(写真2枚を含め全て)。副本はA4・左に3cmの余白
  • 自分で作る書類は7点。動機書は本人の自筆のみ(特別永住者は不要)
  • 添付書類は国籍によって区分が分かれる。パスポートは失効分を含め全て
  • 納税関係が最も重い。課税証明書は直近5年分、社会保険の納付証明は直近2年分。配偶者や生計を同じくする方の分も必要
  • 住民票はマイナンバー・住民票コードを省略して取得する
  • 運転記録証明書は自動車安全運転センターが発行。郵便局申込で約2週間、有効期間2か月のため申請予定日の2〜3週間前に申し込む
  • 相談は予約制、受付は書類が揃ってから

本記事は確認日時点で法務局が公表している内容の整理であり、個別の申請の結果を保証するものではありません。人によって提出する書類が異なるため、法務局は記載以外の書類の提出を求める場合があるとしています。要件そのものについては帰化と永住の違いもあわせてご覧ください。

申請後の面接については帰化申請の面接はいつ・何を聞かれるかで整理しています。書類に書いた内容がそのまま確認の対象になります。

提出書類に挙げられている預貯金現在高証明書など、口座が関わる場面は外国人の銀行口座開設でも整理しています。

申請を済ませた後にも法務局への報告が必要な場面があります。帰化申請の後にすることで整理しています。

この記事の根拠

料金について

手続きごとの報酬額の目安は、料金一覧でご案内しています。初回のご相談は無料です。

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