TNG横浜国際行政書士オフィス在留資格の実務メモ

在留資格「永住者」

高度人材ポイントで永住を申請する──70点なら3年、80点なら1年。期間と書類はここが違う

根拠
出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」(令和8年2月24日改訂)/同「永住許可申請4」
特例
70点以上なら3年、80点以上なら1年
手数料
2026年10月1日以降の申請は200,000円(許可時に納付)
確認日
2026年9月30日時点

永住許可は、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが求められます。ただ、ガイドラインには期間を短くする特例がいくつかあり、その一つが高度人材ポイントを使う方法です。

今の在留資格が「高度専門職」でない方でも、条件を満たせば使えます。この記事では、入管庁の公表内容をもとに、要件と、70点と80点で変わる提出書類を整理します。

70点なら3年、80点なら1年

ガイドラインは、原則10年在留に関する特例として次の2つを定めています。

点数要件(ア又はイ)
70点以上ア 「高度人材外国人」として3年以上継続して在留している
イ 申請日から3年前の時点を基準にポイント計算して70点以上あり、3年以上継続して70点以上で在留している
80点以上ア 「高度人材外国人」として1年以上継続して在留している
イ 申請日から1年前の時点を基準にポイント計算して80点以上あり、1年以上継続して80点以上で在留している

「イ」は、今の在留資格が高度専門職でなくても使えます。入管庁は、申請時点で点数を満たしていながら「高度専門職」の在留資格で在留していない方向けに、70点・80点それぞれの提出書類を別に案内しています。技術・人文知識・国際業務などで働いている方も対象になり得る、ということです。

どちらのルートでも、申請時点と過去の基準時点の両方の点数、そしてその間ずっと点数を満たしていたことを、資料で示す必要があります。

点数は「時点」で変わる

ポイントの主な項目は、学歴、職歴、年収、年齢、そして日本語能力などのボーナスです。このうち、時期によって点数が変わる項目に注意が必要です。

  • 年収:賞与も含みます。昇給・転職で変わります。点数がつく下限額は年齢区分で変わります
  • 職歴:従事しようとする業務に係る実務経験に限って数えます。3年前の時点では、今より年数が短くなります
  • 年齢:基準時点の年齢区分で計算します
  • 日本語能力:日本語能力試験N1・N2などは、基準時点ですでに取得していたかが問題になります

「今は70点ある」だけでは足りず、3年前(80点なら1年前)の時点でも点数があったかを、その時点の資料で確かめることが出発点になります。点数の配点は入管庁のポイント計算表で確認できます。

点数を計算してみたい方へ。申請時点と3年前・1年前の時点を並べて計算できる高度人材ポイント計算ツールを用意しています(日本語・英語・中国語・ベトナム語)。

70点と80点で、提出書類はここが違う

入管庁が「高度専門職」以外の在留資格の方向けに示している提出書類を比べると、違いは主に期間です。

書類70点以上80点以上
住民税の課税(又は非課税)証明書・納税証明書直近3年分直近1年分
公的年金・公的医療保険の納付状況直近2年間直近1年間
高度専門職ポイント計算表申請時点と3年前の時点の2通申請時点と1年前の時点の2通(いずれも80点以上)
国税の納税証明書(その3)源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税の5税目すべて(期間の指定なし)

このほか、今の在留資格に応じた基本の書類、ポイントの各項目の疎明資料、所得を示す預貯金通帳の写しなどを提出します。ポイント計算表は、基準時点の分も現在の計算表で計算するのが原則とされています。

住民税を給与天引き以外で納めた期間がある方は注意してください。入管庁は、その期間について通帳の写しや領収証書など、納付期限内に納めたことを示す資料の提出を求めています。遅延納付がないことを証明するためのものなので、領収証書は必要な年数分保管しておくよう案内されています。

年金の記録は、年金事務所の「被保険者記録照会回答票」等のほか、全期間の「ねんきん定期便」(封書)やねんきんネットの印刷画面でも出せます。ねんきん定期便(全期間)は交付まで2か月程度かかるとされているので、早めに動く必要があります。

点数を満たしても、ほかの要件は別に審査される

高度人材ポイントの特例で短くなるのは、原則10年という在留期間の要件です。永住のそのほかの要件は変わりません。

  • 素行が善良であること、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
  • 公的義務の履行:納税、公的年金・公的医療保険の保険料の納付、入管法に定める届出。ガイドラインは、申請時点で納付済みでも、当初の納付期限内に納めていない場合は原則として消極的に評価するとしています
  • 最長の在留期間:今の在留資格で最長の在留期間をもって在留していること。ただし令和9年3月31日までは、在留期間「3年」を最長として扱うとされています

入管庁は、要件に当たるかを事前に確かめるためのセルフチェックシートを公開しています。1つでも「いいえ」に当たると不許可となる可能性が高くなるとされ、申請時には提出書類チェックシートとあわせて提出するよう求められています。

ガイドラインの改定案の状況は永住許可の要件はどう変わるのか、身元保証人については永住申請の身元保証人で整理しています。

在留資格や家族関係ごとの在留年数の要件は永住の要件はケースで変わるで、状況を選んで確認できます。

手数料

永住許可の手数料は、2026年10月1日以降の申請は200,000円です。許可されるときに収入印紙で納付します。金額は申請日で決まります(在留手続の手数料の改定)。

まとめ

  • 高度人材ポイントを使うと、原則10年の在留期間が70点なら3年、80点なら1年に短くなる
  • 今の在留資格が高度専門職でなくても、基準時点から点数を満たしていれば対象になり得る
  • 申請時点と基準時点の両方の点数を資料で示す。年収・職歴・年齢は時点で変わる
  • 70点は住民税3年分・年金等2年間、80点は住民税1年分・年金等1年間。国税の納税証明書(その3)は共通
  • 素行・独立生計・公的義務の期限内の履行は別に審査される。在留期間3年は令和9年3月31日まで最長扱い

本記事は確認日時点で入管庁が公表している内容の整理です。ご自身が何点になるか、基準時点の資料がそろうかは、職歴や年収の資料を拝見したうえでお答えします。

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