在留資格「永住者」
永住の日本語B1と年金の見込額──2027年4月以降の申請で考慮される新しい要素
公開 2026.10.02 / 最終確認 2026.10.02
- 根拠
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」第2の4(3)・第2の5(8)
- 適用
- 2027年4月1日以降の申請
- 年金
- 受給見込額が受給年金水準(年収水準で30年間厚生年金に加入した場合)に達しているか。不足は補填資産で評価
- 日本語
- 「日本語教育の参照枠」B1相当レベル以上(高度人材とその家族などは考慮しない)
- 確認日
- 2026年10月2日時点
この記事の要点
- 年金と日本語は、2027年4月1日以降の申請から考慮要素になる
- 年金は受給見込額を受給年金水準(世帯の年収水準で30年間厚生年金に加入した場合の見込額)と比べ、足りなければ補填資産で補えるかを見る。金額は示されていない
- 年金の項目は独立の生計の要件の中にあり、日本人等の配偶者・子は対象外となる構造
出入国在留管理庁は、2026年10月1日に「永住許可に関するガイドライン」を改定しました。収入の基準とあわせて、これまでなかった年金と日本語能力が考慮要素として書き込まれています。この記事では、この2つについて、改定後のガイドラインの原文から整理します。改定の全体は永住許可の厳格化──ガイドライン改定で整理しています。
いつから適用されるか
ガイドラインの改定は、令和9年(2027年)4月1日以降の申請から適用されます。審査中の案件にさかのぼって適用されるのは、収入と公共の負担とならないことの2つだけで、年金と日本語は含まれていません。
年金──将来の受給見込額を見る
ガイドラインは、独立の生計の要件の中に「年金」の項目を設け、次の2つを比べるとしています。
| 比べるもの | ガイドラインの説明 |
|---|---|
| 受給見込額 | 申請時点の年齢、申請時点までのすべての年金の加入状況(従前の働き方、加入期間、その期間の平均年収等)と申請時点の年収から推計される、将来受け取れる年金の見込額 |
| 受給年金水準 | 日本人世帯の平均収入を上回る年収水準で30年間働き、その期間厚生年金に加入していた場合に将来受け取れる年金の見込額 |
足りない場合は「補填資産」
受給見込額が受給年金水準に届かなくても、申請時点で、不足する生活資金を補える金融資産(補填資産)があると認められれば、届いているものと評価するとされています。
- 補填資産の基準は申請時の年齢に応じたもので、若い人ほど基準は低くなります(長い期間をかけて資産を作れることを考慮するため)
- 原則として同一生計の世帯単位で判断します
- 配偶者がいる場合は、申請者と配偶者の受給見込額を合算し、受給年金水準に、配偶者が同じ期間国民年金の第3号被保険者だった場合の見込額を加えた額と比べます。補填資産の基準も、これに応じて加算されます
ガイドラインには、受給年金水準や補填資産の具体的な金額は書かれていません。また、年金の項目は「独立の生計」の要件の中に置かれています。法律上、日本人・永住者・特別永住者の配偶者又は子は独立の生計の要件への適合が求められないため、これらの方はこの項目の対象から外れる構造になっています(ただし「公共の負担とならないこと」は見られます)。
日本語能力──B1相当以上
ガイドラインは、今後長年にわたって日本で生活するためには一定水準の日本語能力が求められるとして、「日本語教育の参照枠」のB1相当レベル以上の日本語能力を有しているかを考慮要素にしました。
考慮されない人
次のように、申請者本人にB1相当以上を求める必要性・相当性があるとはいえない場合は、考慮要素としないとされています。
- 高度人材外国人(高度人材ポイント70点・80点、特別高度人材の特例で申請する人)とその家族
- 学校教育法が定める初等教育又は中等教育を累計6年以上受けた人
- 永住者の子(養育する親がB1相当以上で、かつ子が日本で生まれた場合に限る)
- など
どの試験で証明するかは、ガイドラインの本文には書かれていません。日本語能力試験の級やほかの試験との対応は、今後の案内を確認する必要があります。高度人材ポイントで申請する方は日本語能力の考慮が外れるので、点数の確認は高度人材ポイント簡易計算ツールが役立ちます。
あわせて加わった「制度・ルールの理解」
日本語とは別に、出入国在留管理庁長官が指定する方法で、「生活・就労ガイドブック」に記載されている事項を中心に、日本の制度・ルールを理解しているかを確認するとされています。具体的な方法は、今後の案内を確認する必要があります。
今のうちにできること
- 年金の加入記録を確認する:ねんきん定期便やねんきんネットで、これまでの加入期間と働き方を把握しておく
- 世帯の金融資産を把握する:受給見込額が足りない場合に補えるかの判断材料になります
- 日本語の学習と、能力を示せる資料を用意する(高度人材などで対象外の方を除く)
- 2027年3月31日までに申請できるか確かめる:それまでの申請には、年金と日本語の考慮要素は適用されません。ご自身のケースの在留年数は永住の要件はケースで変わるで確認できます
まとめ
- 年金と日本語は、2027年4月1日以降の申請から考慮要素になる
- 年金は受給見込額を受給年金水準(世帯の年収水準で30年間厚生年金に加入した場合の見込額)と比べ、足りなければ補填資産で補えるかを見る。金額は示されていない
- 年金の項目は独立の生計の要件の中にあり、日本人等の配偶者・子は対象外となる構造
- 日本語はB1相当以上。高度人材とその家族、日本で初等・中等教育を累計6年以上受けた人などは考慮されない。証明の方法は本文に書かれていない
- 2027年3月31日までの申請には、この2つは適用されない
本記事は確認日時点の改定後のガイドラインの整理です。永住許可は、個々の事情を総合的に考慮して判断されるもので、ガイドラインは考慮すべき要素の基本的な考え方を示したものとされています。2027年3月までに申請するか、4月以降に向けて準備するかは、状況を伺ったうえでお答えします。
この記事の根拠
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」
https://www.moj.go.jp/isa/10_00279.html - 出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」
https://www.moj.go.jp/isa/support/portal/guidebook_all.html