TNG横浜国際行政書士オフィス在留資格の実務メモ

在留資格「特定技能」

特定技能の協力確認書はいつ・どこに出すか──横浜市は電子申請フォームで受付

根拠
特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令等の一部改正(令和7年2月17日公布・令和7年4月1日施行)
提出先
外国人が活動する事業所の所在地と住居地が属する市区町村のそれぞれ
提出の時点
在留諸申請を行う前
確認日
2026年9月18日時点

2025年4月から、特定技能外国人を受け入れる企業に新しい手続きが加わりました。市区町村に「協力確認書」を提出するというものです。

入管に出す書類ではないため、届出や申請の話とは別枠で発生します。出し忘れると在留諸申請の段階で書く欄が埋まらない、という形で気づくことになります。

なぜ必要になったのか

入管庁は、2024年3月29日の閣議決定により特定技能の対象分野を12分野から16分野に拡大し、1号特定技能外国人の向こう5年間の受入れ見込数を約34万5千人から82万人に再設定したとしています。

これを踏まえ、特定技能所属機関が地域における外国人との共生社会の実現のため寄与する責務があることが基本方針に明記され、省令で地方公共団体からの共生施策への協力要請に応じることが特定技能所属機関の基準として規定されました。

いつ提出するのか

入管庁は、次のいずれかの時点としています。

状況提出の時点
初めて特定技能外国人を受け入れる雇用契約を締結後、在留資格認定証明書交付申請又は在留資格変更許可申請を行う前
すでに受け入れている施行期日以降、初めてその外国人に係る在留資格変更許可申請又は在留期間更新許可申請を行う前

「申請を行う前」という点が重要です。申請書に協力確認書の提出年月日・提出先を記載する欄があるため、先に市区町村へ提出しておく必要があります。申請の直前に気づくと、市区町村の受付を待つことになります。

どこに出すのか

提出先は特定技能外国人が活動する事業所の所在地と住居地が属する市区町村のそれぞれです。両者が同一の市区町村であれば、その市区町村に1通提出します。

入管庁は、地方出入国在留管理局や都道府県に提出する必要はないとしています。出す相手は市区町村です。

横浜市は電子申請フォームで受け付けています。横浜市のよくある質問では、事業所の所在地及び住居地が横浜市に属する場合、市の電子申請システムの申込フォームから申請するよう案内されています(令和7年4月1日から受付開始)。自治体によって窓口・郵送・メール・電子申請と方法が分かれるため、提出先ごとに確認が必要です。

一度出せば、基本的に再提出は不要

入管庁は、協力確認書は基本的に一度該当する市区町村に提出すれば、その後同一の事業所で活動する他の特定技能外国人を受け入れる等の際に再提出する必要はないとしています。

ただし、次の場合は改めて提出が必要です。

  • 別の特定技能外国人が異なる市区町村に転出する場合(転出先の市区町村へ)
  • 受け入れる事業所の所在地や住居地に変更が生じた場合
  • 特定技能所属機関の担当者連絡先等に変更が生じた場合

記載するのは「受入れ企業」の情報です

取り違えやすい点です。入管庁は、協力確認書には「特定技能所属機関」の名称・担当者連絡先等を記載してください(登録支援機関のものではありません。)と明記しています。

支援を登録支援機関に全部委託していても、記載するのは受入れ企業の情報です。この構造は各種届出と同じで、特定技能の届出は誰が出すのかでも整理しています。

派遣形態の場合は、記載の組み合わせが変わります。入管庁は、特定技能所属機関の名称・担当者連絡先・電話番号・メールアドレスは「派遣元」のものを、事業所の所在地は「派遣先」(特定技能外国人が実際に活動する事業所)のものを記載するとしています。

事業所ごとに提出する

協力確認書は特定技能外国人が所属する事業所ごとに提出します。「事業所の所在地」の記載方法は次のとおりです。

  • 本社勤務の場合:本社の所在地を記載
  • 本社以外の勤務の場合:特定技能外国人が活動している事業所の所在地を記載

様式は改善が続いています。入管庁は、令和7年7月30日に派遣形態の場合に派遣先機関等を記入できるよう様式を改善し、さらに令和8年3月23日に協力確認書に係る事務の円滑化を目的として様式を改善したとしています。古い様式を使い回さず、提出のたびに最新版を確認してください。

在留諸申請では「写しの提出は不要」

申請書(所属機関作成用)3(32)に、協力確認書の提出年月日・提出先を記載する欄があります。入管庁は、特定技能所属機関は当該事項を記載すれば足り、市区町村に提出した協力確認書の写しや受理証明を地方出入国在留管理局に提出する必要はないとしています。

入管に出すのは「いつ・どこに出したか」の記載だけで、書類そのものではありません。

支援計画にも反映が必要です

提出して終わりではありません。入管庁は、特定技能所属機関は支援計画の作成・実施において地方公共団体が実施する共生施策を確認し、これを踏まえた支援計画を作成したうえで、当該支援を適切に実施しなければならないとしています。

共生施策の確認は、基本的に各地方公共団体のホームページの閲覧によって行うことを想定しているとされています。横浜市であれば、市の多文化共生施策のページを確認することになります。

支援計画の内容が変わる場合の届出は支援計画変更に係る届出で整理しています。

どこまで協力するのか

入管庁は、想定している協力要請とそうでないものの例を示しています。

趣旨を踏まえた協力要請の例想定していない協力要請の例
条例等の法的根拠があるもの/アンケート調査・ヒアリング等への協力/各種情報(行政サービス、交通・ゴミ出しのルール、医療・公衆衛生や防災訓練・災害対応等の案内、地域イベント、日本語教室等の開催案内)の周知等 条例等の法的根拠がないのに地域イベントへの参加を強制させる、又は地方公共団体への拠出金を求めるもの/共生施策や支援と明らかに関係性がないもの/社会通念上、過大な負担が生じるもの

入管庁は、地方公共団体から協力要請に応じない特定技能所属機関について相談等を受けた場合、必要に応じて事情を確認したうえで指導・助言・協力要請等を行う場合があるとしています。

まとめ

  • 協力確認書は2025年4月1日施行。市区町村に提出するもので、入管に出す書類ではない
  • 提出先は事業所の所在地と住居地が属する市区町村のそれぞれ(同一なら1通)
  • 提出は在留諸申請を行う前。申請書に提出年月日・提出先を記載する欄がある
  • 記載するのは特定技能所属機関(受入れ企業)の情報。登録支援機関のものではない
  • 派遣形態では連絡先は派遣元、事業所の所在地は派遣先
  • 基本的に一度出せば再提出は不要。転出・所在地変更・担当者変更があれば改めて提出
  • 横浜市は電子申請フォームで受付。自治体ごとに方法が異なる

本記事は確認日時点で入管庁が公表している内容と、横浜市の案内の整理です。提出方法は自治体ごとに異なり、変更されることもありますので、提出前に各市区町村の案内をご確認ください。どの市区町村に何通出すことになるかの判断についても、状況を伺ったうえでお答えします。

協議会への加入も、在留諸申請の前に済ませておく手続きです。協議会加入は「受入れ後4か月以内」ではなくなりましたで整理しています。

この記事の根拠

料金について

手続きごとの報酬額の目安は、料金一覧でご案内しています。初回のご相談は無料です。

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特定技能外国人を受け入れる企業の方へ

どの市区町村に何通出すことになるのか、派遣形態でどう記載するのか、申請の前にどこまで済ませておくべきか。受入れの体制と拠点の状況を伺ったうえで、提出の段取りを整理してお伝えします。

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