TNG横浜国際行政書士オフィス在留資格の実務メモ

在留資格「特定技能」

物流倉庫分野のWMS要件──自社のシステムで足りるか、協議会加入後1年以内の報告とは

根拠
令和8年国土交通省告示第787号 第3条第7号・第8号/物流倉庫分野の運用要領別冊(令和8年9月18日公表)
要件
入庫管理・在庫管理・出庫管理の機能を有する情報システムの利活用
報告
機能を拡充する機器・システムの利活用状況を、協議会加入日から1年以内に
確認日
2026年9月25日時点

物流倉庫分野の特定技能で、他の分野にない要件がこれです。受入れ機関は、入庫管理・在庫管理・出庫管理の機能を有する情報システムを利活用している必要があります。満たさなければ、特定技能外国人の受入れはできません。

「うちのシステムで足りるのか」という点を、国土交通省の公表内容と運用要領別冊から整理します。分野全体は特定技能「物流倉庫」分野の概要で整理しています。

求められるのは2つ

告示内容
第3条第7号入庫管理、在庫管理及び出庫管理の機能を有する情報システムを利活用していること
第3条第8号生産性及び労働安全衛生の向上に資する機器又は情報システムであって、第7号の情報システムと連携することで機能が拡充されるものを継続して利活用するとともに、その利活用の状況を、協議会に加入した日から起算して1年以内に、協議会において定める方法により協議会へ報告することとしていること

第7号──どんなシステムなら足りるか

国土交通省は、この情報システムについて次のように答えています。

  • いわゆる倉庫管理システム(WMS)を念頭に置いている
  • 入庫管理・在庫管理・出庫管理の機能が満たされたものであればよく、倉庫管理システムと銘打って製品化されていないものでも構わない

判断の軸は、製品名ではなく機能です。入庫・在庫・出庫の3つを管理できるかどうかで見ます。

自社で持っていなくてもよい

国土交通省は、要件が「システムを利活用していること」とされているので、受入れ機関自身がシステムを所有していなくても、特定技能外国人が就業する事業所で情報システムが使える状態にあれば構わないとしています。

見るのは「外国人が働く倉庫」です。別冊も、受入れ機関は特定技能外国人が就業する倉庫において情報システムを利活用していることが必要としています。本社にシステムがあっても、受け入れる倉庫で使える状態になっていなければ要件を満たしません。

倉庫作業の受託会社であれば、委託元の倉庫業者のシステムを現場で使える状態になっているかが確認のポイントになります。類型ごとの条件は物流倉庫分野の特定技能、自社は対象かで整理しています。

第8号──機能を拡充する機器・システムと、1年以内の報告

第7号のシステムがあれば終わり、ではありません。第8号は、それと連携することで機能が拡充される機器又は情報システムを継続して利活用することを求めています。対象は生産性及び労働安全衛生の向上に資するものです。

そのうえで、利活用の状況を協議会に加入した日から1年以内に報告します。

報告の方法は、まだ決まっていません。報告は「協議会において定める方法」によるとされていますが、物流倉庫分野の協議会は2026年9月時点で設置調整中です。別冊は、利活用の状況に関する報告の詳細は国土交通省物流・自動車局に問い合わせるよう案内しています。

どのような機器・システムが「機能を拡充するもの」に当たるかの具体例も、確認日時点では示されていません。ここは推測で判断せず、公表を待つか国土交通省に確認するのが確実です。

今のうちに確認しておくこと

  • 受け入れる予定の倉庫ごとに、入庫・在庫・出庫を管理できるシステムが現場で使える状態か
  • 自社所有でない場合(委託元・荷主のシステムなど)、外国人が就業する事業所で継続して使える取り決めになっているか
  • そのシステムと連携している機器・システム(生産性や安全衛生の向上に資するもの)があるか
  • 協議会に加入したら、1年以内の報告を忘れない管理ができるか

まとめ

  • 入庫・在庫・出庫管理の機能を有する情報システムの利活用が受入れの基準(告示第3条第7号)
  • WMSと銘打った製品でなくてもよい。判断は機能で
  • 所有していなくてもよい。外国人が就業する倉庫で使える状態であること
  • 連携して機能を拡充する機器・システムを継続利活用し、協議会加入日から1年以内に報告(第8号)
  • 報告方法と、拡充する機器・システムの具体例は未公表(2026年9月時点)

本記事は確認日時点で公表されている内容の整理です。報告の方法など協議会で定める事項は、今後の公表で具体化します。自社の倉庫ごとの状況を伺ったうえで、受入れに向けた確認のお手伝いをしています。

この記事の根拠

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