TNG横浜国際行政書士オフィス在留資格の実務メモ

在留資格「特定技能」

倉庫業の登録がない会社が物流倉庫分野の特定技能を考えるとき──倉庫業登録の要件と、登録なしで受け入れられる形

根拠
倉庫業法(昭和31年法律第121号)/国土交通省「倉庫業法」/物流倉庫分野の運用要領別冊(令和8年9月18日公表)
倉庫業とは
寄託を受けた物品を倉庫において保管する事業
登録の窓口
各地方運輸局(国土交通省の倉庫業相談窓口一覧)
確認日
2026年9月25日時点

物流倉庫分野で特定技能外国人を受け入れられる事業者の一つは倉庫業者、つまり倉庫業法第7条第1項に規定する倉庫業者です。倉庫業の登録を持っていない会社が、この類型で受け入れることはできません。

この記事では、倉庫業の登録とは何かと、登録を持たない会社が取りうる形を整理します。

倉庫業の登録が必要になるのは

国土交通省は、倉庫業を寄託を受けた物品を倉庫において保管する事業と説明し、他人の物品を預かるという営業倉庫の特性から、倉庫業を営むにあたっては倉庫業法に基づく登録を受ける必要があるとしています。

ポイントは「寄託を受けて」保管するかどうかです。他人から物品を預かって保管する営業であれば登録の対象になります。自社の製品を自社の倉庫に置いているだけの場合は、この意味での倉庫業には当たりません。

登録に求められること

国土交通省は、登録を受けるためには次のことが必要になるとしています。

  • 保管する物品に応じた倉庫施設の基準をクリアした倉庫であること
  • 倉庫ごとに一定の要件を備えた倉庫管理主任者を選任すること
  • 等

施設の基準は倉庫の種類ごとに異なり、国土交通省は1類・2類・3類・3類(特例)・危険品(工作物・土地)・冷蔵・水面・野積・貯蔵槽の各倉庫について、チェックリストと確認表を公開しています。基準の詳細は「倉庫業法施行規則等運用方針」と「倉庫業法第3条の登録の基準等に関する告示」に定められています。

申請の前に「倉庫業登録申請の手引き」を読むところから始めます。国土交通省は、手引き、運用方針、倉庫の種類ごとのチェックリストと確認表、申請書式と記載例を公開しています。相談・申請の窓口は各地方運輸局で、メールによる申請・届出の受付も始まっています。

登録したあとにも手続きがあります

倉庫業者になると、継続して行う手続きが発生します。国土交通省が示している主なものは次のとおりです。

手続き時期
期末倉庫使用状況報告(第8号様式)30日以内に報告
受寄物入出庫高及び保管残高報告(第9号様式)30日以内に報告
変更登録(倉庫の新設・種類の変更等)事前に登録
軽微変更の届出30日以内
寄託約款の届出30日前
事故発生の届出14日以内

また、令和6年4月1日から、倉庫業法第9条の料金等の掲示について、零細事業者を除き、書面での掲示とあわせて自社ホームページ上での掲示が義務付けられています。

登録がなくても受け入れられる形

物流倉庫分野の受入れ機関は、倉庫業者だけではありません。運用要領別冊は、次の3つのいずれかとしています。

類型自社の倉庫業登録
① 倉庫業者必要
② 倉庫業者から倉庫作業を受託する者不要(ただし委託元が倉庫業者で、その倉庫業者が現に営業に使用している倉庫であること。雇用継続の協定書を委託元と共同作成)
③ 一般・特定貨物自動車運送事業者不要(ただし運送事業の許可が必要。自社車両等が反復継続的に出入りする倉庫であること)

各類型の条件は物流倉庫分野の特定技能、自社は対象かで詳しく整理しています。

どの形を選ぶかは、事業の実態で決まります。すでに他社から荷物を預かって保管しているのに登録がないのであれば、特定技能の前に倉庫業法の問題になります。受託の形であれば委託元との協定書が、運送事業者であれば請求の形(運賃とは別に作業料金を受け取っているか)が確認点になります。

まとめ

  • 倉庫業は寄託を受けた物品を倉庫において保管する事業で、倉庫業法の登録が必要
  • 登録には、物品に応じた倉庫施設の基準と、倉庫ごとの倉庫管理主任者の選任等が求められる
  • 窓口は各地方運輸局。メールでの申請・届出も可能
  • 登録後も、30日以内の各種報告、変更登録、約款・事故の届出、料金等のHP掲示などが続く
  • 自社に登録がなくても、倉庫業者からの受託や運送事業者として受け入れる形がある

本記事は確認日時点で国土交通省が公表している内容の整理です。倉庫業の登録要件の詳細は、倉庫の種類や物品によって異なりますので、手引きと運用方針をご確認ください。倉庫業の登録と、特定技能外国人の受入れに関する手続きを、あわせてご相談いただけます。

この記事の根拠

料金について

手続きごとの報酬額の目安は、料金一覧でご案内しています。初回のご相談は無料です。

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